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地域産品のテストマーケティングツール「テストミン」は良い物か?

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こんにちは、すずきです。

 

電通が、首都圏の高級住宅街で青果店を経営する企業と提携して、地域産品のテストマーケティングができる新たなツールを開発・提供するというニュースを目にしました。

以下、記事の引用。ツールの概念図付き。

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地域産品(農産物)を首都圏で販売し、産品の高付加価値化とそれに伴う地域事業者の収益向上、さらには地方の活性化を目的にテストマーケティングを行えるサービス。具体的には、東京の高感度ライフスタイル層が居住するエリアにある旬八青果店店舗(白金台、三田、五反田など)での対面販売や店頭イベントなどを通じて、地域産品の商品企画、価格設定、ロジスティック、販促活動などの最適化のための知見を提供し、高付加価値で売れる商品作りを支援する。

 電通は今後、水産物のテストマーケティングの可能性も検討するとしている。

引用:http://marketing.itmedia.co.jp/mm/articles/1705/02/news044.html

要するに「あなたの地域産品(農産物や加工品)を、東京の富裕層向け青果店で店頭テスト販売しまっせ」ということですね。で、その結果に基づいて商品改善や販売に関する提案や支援も行う、と。

 

果たして、この「テストミン」は地方の活性化を実現できるのでしょうか?以下にて検証していきましょう。

 

【もくじ】

 

地域に首都圏でのテストマーケティングは必要不可欠

まず前提としてこれは言えます。「地域産品の販売には、首都圏でのテストマーケティングが欠かせない」と。

ちなみにテストマーケティングとは、「本格的に商品を生産・販売する前に、実際に小ロットだけ生産・販売するなどして、ユーザーの反応を調査すること」です。

もちろん、すぐ売り切れれば「これは行ける!」と分かるし、閑古鳥が鳴いたら、その商品は改良しなければマーケットに出すことはできません。

そんなお客の生の反応が分かるからこそ、テストマーケティングはとても大切です。あまりお金も掛けずに実施できますし。

 

で、テストマーケティングの場として、首都圏、特に東京の富裕層に向けたマーケットというのは、ふさわしいと感じます。

なぜかというと、市場が大きく、購買意欲も旺盛だから。東京のマーケットは地方都市と比較にならないほど大きいし、富裕層は「自分の納得いくものを求める」傾向があるので、こだわりの地域産品には感度が高いわけです。

当然、富裕層は舌が肥えてるし、商品の真贋を見抜く力もあります。だから、彼らの眼鏡に敵うかどうかで、あなたの商品が売れるかどうかよーく分かるのです。

もちろん、東京のマーケットは大きいので、もしもあなたの商品の反応が良かったら、今後も有力な販路を築ける可能性は地方より高いと思います。

 

でも、地方の生産者はマーケティングの知識に乏しい

ですが、残念ながら、地域産品開発の現実で言うと、そもそもテストマーケティングの概念すら知らない人達が、ろくにマーケティングもせずに商品開発する例がとても多い。

僕の周りを見渡しても、そういう商品はいっぱいあります。「これ、誰が買うんだよ…」的なやつ。

もっと代表的な例で言えば、どこの観光地でも売ってる「〇〇クッキー」「〇〇チョコレート」みたいな、特産品を無理やりねじ込んだお菓子。まあ…確かに人に配るには良いんだが、ろくに買わないでしょ。

 

そんな中で、電通の目の付け所は悔しいけどさすが。地方に不足しているマーケティングスキル(というかビジネススキル)を、分かりやすいツールで支援するというのはなかなか理に適っているなーと感じます。

また、きちんとマーケティングを考えて商品を販売している事業者でも、テストマーケティングの販路が作れるのはありがたいことですね。

 

電通の課題は「ツールの意義を地方へ伝えること」

さて、地方の生産者はマーケティングスキルを有していない人が多いと言うことですが、僕としては、電通にはそれが最大の課題として現れると思っています。

なぜなら、彼らに「テストマーケティングできるよ!」と言っても、「テストまぁ…??よう分からん!帰れ!」となるからです。

この反応は地元の農家や事業者に顕著です。年齢がいくほど特に。昔から頑張ってきた分、新しいことを受け入れることには疎いのです。

 

さらに厄介なことに、そんな人らは情報収集スキルも低いことがほとんど。ネットは見ない。もっぱらテレビと新聞、人によっては専門誌を読むかどうかってくらい。

今の時代、大衆に最も効率の良い広告はTVCMかインターネット。その一方のネットがリーチを確保できないとなると、コストのかかるCMしかないわけです。

 

ターゲットユーザー数が少ない中で、掲載費用の高いTVCMに果たしてお金がかけられるのか…微妙な所なんじゃないでしょうかねぇ。しかも、各ローカル局ごとにCM打って行かなきゃならないでしょうし、労力もかかります。

となれば、後は新聞か…こっちもローカル紙はいっぱいありますが。読売・朝日・毎日などなど、どこに広告打てばいいのやら。こっちもあまり良いPR手法じゃなさそう。

 

というわけで、電通は「ビジネススキルも情報収集スキルも低く、ユーザー数も少ない」ターゲットに向けて、どうビジネスモデルを構築しているのか、個人的には非常に気になるのです。

たとえば小規模零細事業者は相手にせず、尾鷲物産のような大企業を相手に直接営業をかけていくのかも知れませんねぇ。

 

競合にはどう対抗する?

個人的に気になっているもう一つはコレ。テストマーケティング代行や支援は参入障壁があまり高くないので、今後どうやって競合と戦っていくのかなーと。

その他、現状テストマーケティングの販路としてよく使われるアンテナショップやEC(ネットショップ)にもどう対抗していくのか、気になります。

 

もちろん、「テストミン」はテスト販売だけでなく、その後の様々なマーケティングまでサポートしていくため、費用はそのぶん高額になります。そこがネック。

 

アンテナショップの場合、来客数が少なく、検証に時間がかかったり、あるいはデータ不足でマーケティングにならない可能性もありますが、店頭販売で購入客の生きたニーズを得られる可能性がある。

また、テストマーケティングに積極的なアンテナショップの場合だったら、それなりにマーケティングデータも提供してくれる可能性があるので、ある程度スキルのある事業者であれば、それで足ります。

 

そしてEC。自社ECを構築するのは労力や費用が掛かるのでアレですが、最近は地域産品の販売に特化した専用ECやアプリもいくつか存在しています。

例えば「ポケットマルシェ」とか「ニッポンセレクト.com」とかね。もちろん楽天やYahoo!ショッピングなんかも使えます。

こうしたECは、Yahoo!をはじめとして成果報酬(売上の〇%)のみの支払でOKなものも多くなってきていて、出店リスクが非常に低い。

もちろん、商品を売るためのPR文とか色々考えなきゃいけない訳ですが、安く出品でき、日本全国を相手に商売できるのはとっても魅力的です。

 

こうした競合に対して、果たして「テストミン」はどのように勝っていくのでしょうか…

 

多分僕は使わないけど、「テストミン」は良いツールだ

というわけで、電通のテストマーケティングツール「テストミン」について私見を述べてきました。

 

農産物や地域産品を取り扱っていない僕が言うのもなんですが、結論、多分僕は使わないかなぁ…いいツールであるとは思うんですが。

なぜかと言うと、僕はある程度のマーケティングスキルがある(はず)なので、アンテナショップやECでのテストマーケ構築を第一に考えるからです。

もちろん「テストミン」の金額や課金方法次第で使うかどうかは変わってきますが、恐らくスモールスタートになると思うので、最初は出費を抑えたいでしょうからねぇ。

 

でも、もし僕が特段のスキルを持っておらず、自分の商品の売上をアップしたいと本気で考えているのであれば、僕もきっと「テストミン」をありがたく使うと思います。

せっかく地方では良い農産物で良い地域産品を作ってる例も多いのに、マーケティングがおろそかになっているせいで、十分に売れてない商品っていっぱいあると思うんです。

それは非常にもったいないし、地域の事業者がきちんと成功してお金を稼げないと、その地域も元気にならないし、当然地方創生なんて夢のまた夢なのであります。

 

地元の頑張っている人がきちんと稼げるスキルを手に入れる、あるいはきちんと支援してくれるシステムを手に入れる。それが大事だと思うのです。

というわけで、僕は「テストミン」の登場を非常にありがたく思います。よってこの記事にて宣伝させて頂きます。笑

 

おまけ:埋もれている?僕オススメ絶品の地域産品をご紹介

最後に、「有名とまでは言えないけど、実はすごく美味しかった」という地域産品をいくつかご紹介したいと思います。

僕の食の好みバリバリですが、そのジャンルの食べ物が好きだったら、ぜひ一度食べてみてください!マジで美味しいです。

 

具の9割が牛タン!陣中仙台ラー油

牛タンが有名な街・仙台の食べるラー油。これ、ものすごいのが「具の9割牛タン」というところ。タンタタンターン!!

ピリ辛でごま油とニンニクの匂いがたまらないラー油に、これでもか!と入ったゴロゴロの牛タンのマッチングが、ご飯にとにかく最高。

もう白飯が止まりませんよ!マジで他のおかず不要。冷ややっこの上に乗っけても美味しいですし、キムチと一緒にご飯に乗っけて食べても危険なうまさです。

 

辛口好きに!京都の激辛食べるラー油

こちらも食べるラー油。一時期食べるラー油がブームになって、色んな食べるラー油が登場しましたが、その中でも僕が一番好きなのがコレ。

ハバネロを使用しているのでかなり辛い! とは言え、画像の触れ込みのような「狂辛」ってレベルではなくて、辛口~激辛程度なのでご安心を。笑

ガツンと来る辛味と独特のカリっとした食感、主張しすぎない塩気がとっても美味しい。餃子やラーメンのお供に入れると最高です。

辛いのが苦手な人には向きませんが、逆に好きな人にはマジでたまらないですよ。

 

三重県民御用達・大内山牛乳ソフト

以下の記事を参照。三重県民の飲む牛乳といえば「大内山牛乳」。ソフトクリームはめっちゃ濃厚かつ爽やかでうまい!尾鷲のサークルKで買ったら、ありえないボリュームでコスパ最高です。

 

こういう美味しい地域産品がもっと世の中に知れ渡ってくれれば、地方ももっと元気になるし、日本や世界の食ももっと豊かになるってもんです。

「テストミン」、期待してます。

 

 

じゃあの。

 

 

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