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ビジネスマンは東京と田舎どちらに住むべきか?双方のメリットとこれから

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僕は東京の出身で、現在は品川区に住んでITコンサルやWebマーケティングの仕事を自営でやっています。その前は2年半ほど、人口18,000人程度という非常に小さな田舎町の三重県尾鷲市で地域おこし協力隊をやっていました。

協力隊になる前までは東京から出たことが一度もなかったので、今のところ人生の大半を東京で過ごしています。

さて、自分でビジネスをやる身になると、実は「どこに住むか」というのは結構大きな意思決定になります。理由は本文で述べますが、住む場所や関わる人々によって大きく自分自身や得られるチャンスの内容が変わってくるからです。

そこで両方の暮らしを振り返ってみると、東京に住むこと、田舎に住むことはそれぞれ異なったメリットがあることを強く感じます。なので今回は、ビジネスマン(起業家、フリー、会社員問わず、ビジネスで成果を挙げたい人)が東京に住むメリットと田舎に住むメリット、そしてコロナの影響を受けた今後の社会変化について考察しました。

成功する起業家は「居場所」を選ぶ

僕の愛読書の一つに、馬田隆明さんの「成功する起業家は「居場所」を選ぶ」という本があります。

馬田さんは日本のスタートアップ界隈で積極的に情報発信を行っている著名な方で、僕も起業や新規事業開発に関する勉強をする中でフォローしています。

この本ではタイトル通り、「起業家はどのような居場所・環境にいると良いのか?それはなぜか?」という独特な観点について考察した本で、フリーランサーや起業家一年生の方にはかなり有用な内容が盛り込まれています。

詳細は実際に本を読んで頂ければと思うのですが、例えば「なぜ環境は大事なのか」「共同創業者はどこで見つけられるのか」「人脈を広げるにはどうすれば良いのか」といったことから、実際に起業をするに当たっての仕組み作りまでが豊富なエビデンスと共に解説されます。

この本で重要なポイントは「環境によって人は変わる」ということです。すなわち、自分の周囲の人々の価値観や言葉遣い、行動、考え方に影響されて自分は変化するということです。また、その環境の中で出会う人や出来事によっても、大きく人生を左右する可能性が生まれることがあります。本書ではこういった内容が深堀りされています。

さて、起業家が成功するには、「それに然るべき環境に身を移す」ことで確率を上げることが有効だと言えます。そして、最も分かりやすく手っ取り早い「環境を変える手段」の一つは、ずばり「住む場所を変える」ということです。

タイトルの通り、東京に住むか、尾鷲のような田舎に住むかで、仕事の進め方や事業の作り方は大きく変わります。周囲の人々や経営資源が大きく変わるためです。

東京は今でこそリモートワークが主流になりつつありますが、田舎から東京のクライアントと仕事をするのであれば、リモート移行はもはや必須になります。また田舎は東京に比べ圧倒的に家賃も人件費も安い一方、採用を考える場合は難易度が跳ね上がります。

この良し悪しの優劣は人それぞれの目的によって異なりますが、バリバリのビジネスマンなら「自分はどこに住むべきか」を考えるのは、仕事の観点からも非常に重要なのです。

この記事では「東京VS田舎」という視点ですが、東京都内でも多摩の郊外と港区とでは全く環境が異なるので、ある程度同義に捉えてください。

ビジネスマンが東京に住むメリット

多くのビジネスマン・起業家は東京に住んでいると思いますが、「なぜ自分は東京に住むべきなのか」という問いに答えられる方はあまり多くないのではと思います。

何となく、あるいは「職場やクライアント企業が近いから」という理由ではなく、明確に東京に住むメリットを知った上で滞在すれば、よりチャンスを掴みやすくなるはずです。

企業が多く、営業や受発注などが容易

これは東京にいる中で最も発想しやすいメリットの一つではないでしょうか。とにかく東京は国内だと圧倒的に経済規模が大きく、大小多数の企業が立地しています。

ライバルも当然多いものの、企業が多ければそのぶん営業や受発注のやり取りは容易になり、業務効率は高くなります。企業が都心部に集中するのもこの理由が大きいと言えます。

いくら知事が頑張って働きかけようとも、ビジネス環境において企業立地は密なほうが望ましい点が多いのです。これはトヨタ城下町である愛知県を見れば一目瞭然でしょう。豊田市以外にもあちこちに自動車部品などの会社があり、この産業ネットワークがあるからこそ名古屋も大きく発展したと言えます(ちなみに名駅のミッドランドスクエアはトヨタグループが主導で開発したものです)。

人脈を築きやすい

会社が多ければビジネスマンも多い。ということは出会える人の数も多いので、東京は他の都市に比べ良い人脈を築きやすいと言えます。

東京は家賃も高く、通勤の環境は満員電車など劣悪。人生の質で考えれば田舎のほうが優秀でしょう。しかし、それでも全国から人が東京に集まって、名門大学で学んだり、大手企業やスタートアップに就職したり、起業したりしています。それだけ意識の高い優秀な人達も多く集まるというわけです。

田舎はプレイヤーが少ないぶん密な付き合いがあり、人脈を築けるスピードは早いのですが、その人数(市場規模)やレベルの高さは東京に比肩するものは無いでしょう。

また、東京はコミュニティの数も圧倒的に多いのが強みです。Facebookグループや検索で見かけた何かのサークルでも、目を通してみたら東京拠点だった、という例は非常に多くあります。上述の本にもあるのですが、良質な情報の入手や仲間作りには、オープンネットワークよりも少人数の濃密なクローズドコミュニティのほうが優れているのです。

新鮮な情報がガンガン入ってくる

また、企業が多ければ人が多くなり、それに従って情報も多くなります。今はネットで世界中の最新ニュースが入手できますが、本当に大事な最新情報は人づてで得るものです(やり手の営業部長がひたすら接待や会合に行きまくってるのは遊びじゃなくてこれが理由。たぶんね)。

「ファンドマネージャーは兜町のカフェやホテルラウンジに行く」なんて話を聞いたことがあるかもしれませんが、やはり人と情報交換をしたり、噂が回ってきたり、聞き耳を立てたりすることで、ネットには出回っていない、あるいは出回ることのない貴重な情報が得られることは日常的にあります。

特に起業家界隈では、酒を飲み交わしながら実経験に基づくノウハウや意思決定プロセスの共有が行われることも多くあります。東京であれば必然そうした会合や参加人数、コミュニティも多くなるので、どんどん新鮮で優良なクローズド情報を入手できるわけです。

もちろん田舎に行ってもその街の新鮮なクローズド情報が得られますが、東京であればITなど分野が幅広く、また規模の大きな情報にも出会えるため、手に入れられる情報の価値は間違いなく大きいでしょう。

ビジネスマンが田舎に住むメリット

東京の項目で挙げた内容を理解できる方は多いと思いますが、田舎のメリットはそれほど知られてはいないでしょう。

しかし、東京の視点しか持たない中で田舎に飛び込んだ僕としては、田舎で仕事をするメリットも確実にあると言うことができます。以下でお伝えします。

生活環境が良くQOLが高い

いきなり仕事に関係あるのコレ?みたいな感じなんですが、いや意外と重要ですよと。

田舎は自然が多くて空気も風景もきれい。野菜や魚などの食材も新鮮で安い(漁師町の尾鷲で食べられる刺身は最高!)。夜は静かで暗いからグッスリ眠れるし、冬は星空が美しい。とても人間らしく充実した生活が送れます。

これはストレスや疲労の軽減に直結するので、クリエイティブシンキングが必要な起業家にとっては大きなメリットです。「良いアイディアはリラックス時に出てくる」と科学的に証明されていることからも、のんびりした静かで自然溢れる環境に身を置くことで、クリエイティブな発想が生まれやすくなるでしょう。

家賃や人件費が安い

東京の世界有数の高い家賃に比べれば、田舎の家賃は本当に天国です。オフィスの坪単価3万円?いえいえ、田舎に行けば「月額3万円」でファミリーマンション~戸建住宅程度のオフィスぐらい借りられます(ただし住宅か昔ながらの小規模ビルですが)。

それ以上のサイズになると供給は少なくなりますが、いずれにせよ東京とは比較にならないほど安いので、家賃の支払いでバーンアウトするような事態にはなりにくいでしょう。「身の丈以上のオフィスを構えよう!」みたいなサイバーエージェント的追い込み戦略とは真逆ですね。

また田舎は人件費も安いので、正社員を雇うにしてもアルバイトを雇うにしても、東京に比べて負担が少ないのは魅力です。ただし高度な職能を持つ人は相対的に少ないので、ITエンジニアやコンサルタントといった都会的な求人募集は厳しいかと思います。

田舎ならではの経営資源がある

田舎には自然があります。そして、この自然を活かした宿泊施設やレストラン、アクティビティ、旅行会社などが点在しています。また農産物に海の幸や山の幸と、現地で採れる新鮮な食材も大きな魅力です。これらはコンクリートジャングルの東京とは大きく違うポイントですね。

また田舎は不動産需要が少ないため空き家や空き地も多く、上述のように非常に安い家賃・地代で借りることができ、また購入するにも安価です。

これらの資源を活かし、少ない資本でも観光や飲食、宿泊といったビジネスを立ち上げることができる点は田舎の大きな強みです。僕も実際に人口400人程度の集落で宿泊施設を立ち上げた経験がありますが、総投資額対売上での利回りはそこそこの水準でした。新車買うよりもその空き家を買う方が安かったくらいなので…。

スタートアップやテクノロジー系の事業であれば東京が向いていますが、観光や宿泊、飲食などのスモールビジネスをやるには、固定費を極端に安くできる田舎での起業はまだまだチャンスが大きいのではないでしょうか。

アフターコロナでは東京と田舎がマージするかも

上記のように、東京と田舎ではそれぞれビジネス上のメリットが存在します。ビジネスといえばとかく東京一辺倒になりがちで、ローカルビジネスは地元志向の人やライフスタイル重視の人が自営業でやる程度のニッチな分野と思われがちですが、アフターコロナではその状況が変わる可能性もあると僕は考えています。

リモートワークに移行した企業や全国に拠点を有する企業では、東京だけではなく地方各所に目が向くことになると思います。今後もコロナウィルスやインフルエンザウィルス、その他もろもろのウィルスは存在し続けるので、感染症リスクが高い東京に一極集中させるのは良くない、という見方をする企業が出てくるでしょう。

ヤフーの安宅さんが「開疎化」という言葉を使って、これからは地方に目が向くということを積極的に発信しておられますが、僕も感度の高い企業という一部のレイヤーにおいては、この流れは生まれるだろうと予測しています。

とはいっても、東京を捨てて郊外に移転する企業はほとんど無いと思っていて、ではどうなるのかというと「リモートワーク比率の上昇」「郊外・田舎に新たな営業所の開設」「本社・支社・営業所間のフレキシブルな移動」といった動きが主になるのではないかなと。

リモートワークで場所を選ばず働けるのは労働者にとってはメリットが大きいものの、管理職や経営陣にとっては従来のマネジメントスタイルが効かず、また業績に与える影響もまだまだ未知数な部分が多いことから、どうしても不安要素の一つにはなります。

そこで「リモートと出勤のハイブリッド化」が高感度企業のトレンドになる気がしていますが、それに伴って、より固定費が安く従業員のQOL向上も狙える郊外拠点の新設だったり、各拠点にフリーアドレスを設けて従業員が半リモートで渡り歩けるようになったり、という新たな施策も生まれてくると思うのです。

ランサーズは鎌倉で創業した後に渋谷区へ本拠を置いており、18年にはテレワーク推進やSDGs配慮の一環として鎌倉支社を設立しています。また徳島県神山町などでは田舎サテライトオフィスが東京などの企業に盛んに利用されています。今後はこうした動きがより活発になってくると思われます。

東京の満員電車で通勤するスタイルはいよいよ避けられるでしょう。従業員が疲弊し朝から能率が下がること、ウィルス感染リスクが高いことは明らかなので、これを避けて郊外や地方、田舎に目が向くのは自然な流れではないでしょうか。

この流れを受けて、バリバリのビジネスマンでも都心以外に住まうことにメリットを感じ、よりフレキシブルに住居を選ぶ流れが加速する可能性はあるでしょう。あなたもこの機に「自分はどこに住むべきか」というのをゼロベースで考えてみるのはいかがでしょうか

自分はこれからどうするのか

僕は自営業でかれこれ2年近くリモートワーカーなので、パラダイムシフトを迎える企業組織の中にいるわけではありません。なので、いち事業者としてこのシフトの波に乗ることを考えています(東京以外の拠点や将来の引っ越し先の発掘も兼ねて…)。

結局、東京にいてITやマーケティングの仕事をしていても、自分の興味関心は田舎や観光、宿泊といった点のほうが強いなと最近は感じています(コロナの影響で外出制限されているから恋しくなった、というのもあるでしょうが)。

なので、今は民泊のM&A案件を都内その他で探しており、自粛が落ち着いたタイミングでの収益化を目指して、今までやりたかった宿泊ビジネスをもう一度やろうと考えています。まずは23区やその他政令市といった都会から。

ただ民泊施設を提供するだけでは面白くないので、街の地図や歴史、近所のおいしい店の情報を大量にかき集め、地域の魅力を楽しんでもらえる宿を作りたいなと思っています。分散型ホテルのコンセプトに近いですね。

一方、リモートワークの孤独感や閉塞感に対してのアプローチももっと考えられると思っているので、リアルとWeb双方で交流できる場が作れたらいいなとも妄想しています。小規模なコワーキングやサテライトオフィス+宿や飲食、物販店の複合施設的なものとか面白いなと。

僕みたいな人見知りは、リアルの場で交流するよりFacebookグループやZOOM、RemoといったWeb上でのネットワーキングのほうがよっぽど緊張するので(相手の挙動が見づらく、会話する流れも作りにくいので話しかけづらい)、今は仕方ないと言えど、Web一辺倒でのリモートワーカーコミュニティには限界を感じています。

例えばチャットでオンライン状況を確認できるように、今オフィスにいるユーザーはオンラインになり、Webでもリアルでも気軽に交流ができるハイブリッドな仕組みがあれば交流がやりやすいのではないでしょうか。ネットワーキングイベントも、オン・オフ両方でできる。

こういうのを東京の郊外で小さく試してみるのはアリなんじゃないかなと思っています。都心までの交通アクセスがそれなりに良く環境も良いエリア、例えば三浦半島、湘南・西湘、津久井、内房、成田周辺とか。

すでに三浦半島や湘南エリアでは面白い事業者さんが何社かありますが、そういった感じで事業作ってみるのは面白いと思っています。ここにうまくテクノロジーも掛け合わせて一山当てたいものです。ジャストアイディアですが、つながりを大切にした施設名として「WeWorking」なんてどうでしょうか。

 

…とまあこんな感じであれこれ考えており、リサーチを進めております。何かいいお話や一緒にやりたいってお話があればお声かけくださいませ。

じゃあの。