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築100年の古民家に一年住んでわかったメリット・デメリット

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こんにちは、すずきです。

 

僕は今、ちょうど築100年を迎える古民家を借りて住んでいます。一年ほど古民家で過ごして、古民家に住むメリット・デメリットがよーく分かってきたところです。

僕は古民家の持つ昔ながらの雰囲気が大好きで、今後も「古民家に住みたい!」と思うタイプなのですが、それでも古民家の持つデメリットは結構多くて人を選ぶなーと感じています。

 

というわけで、僕が実際に感じた「古民家に住むメリットとデメリット」をまとめようと思います。古民家暮らしや田舎暮らしに興味ある方はどうぞご覧あれ。

また、普通の家探しのポイントも紹介しているので、あなたがマイホームを購入予定であれば、古民家とか関係なしに読むといいことあるかも。

 

【もくじ】

 

メリット1:昔ながらの雰囲気が素晴らしい

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古民家に住まう最大のメリットは、やはりその雰囲気が素晴らしい点だと思います。現代の住宅には決してない、日本家屋独特の造りが非常に格好良いですよねー。

立派な木を使った柱や梁、漆喰など天然素材を使用して仕上げられた壁、洋風のフローリングとはまた違う板張りの廊下、天井、土間などなど…

現代の住宅とはあちこち造り方が異なり、もちろん勝手も違いますが、古民家好きはそれすら楽しんで住まうものです。笑

 

メリット2:夏は涼しい

古民家は基本的に木造で、かつ断熱材を使用しておらず隙間風も多いもの。冬はかなり寒いのですが、夏は外より涼しく、風を取り込めばクーラーいらずという住宅も珍しくありません。

南向きのマンションとは真逆ですね。車の中のように猛烈に暑くなるので…

 

メリット3:天然の建材で身体に優しい

古民家はもともと天然の素材で建てられており、現代の住宅のようにペンキ等の化学的なものは使用されていませんでした。

もちろん古民家の住人が化学素材を使うことはありえますが、昔ながらの造りのままであれば、木や土、砂といった自然にあるものだけで家が造られているので、いわゆる「シックハウス症候群(※)」には掛かりづらいです。

※住宅に含まれる化学物質等によって引き起こされる体調不良のこと。

また、天然の木材は湿気を適切に吸収するなどして、住宅の空気を程よく調整してくれる効果もあったりするので、先人の知恵の素晴らしさに感服せざるを得ません。

 

メリット4:改装してカフェや宿にも使える

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最近、古民家カフェとか古民家ゲストハウスって流行ってますよねー。どこか地方に行くと、大体どの街にも一つくらいはあるんじゃないか、ってくらい増殖してます。

確かに古民家の持つ雰囲気は、飲食店や宿に改装するのにもピッタリ。現代の住宅ではなかなか出せない、上質な空間を提供することができますね。

 

古民家は現代の住宅よりお金にしやすいかも

さらに言ってしまえば、古民家はそのようなビジネスにも転用できることから、普通の住宅より売却や賃貸の戦略が立てやすい可能性もあります。

「家を購入して死ぬまで住む」という選択だったらお金は出て行く一方ですが、「何年か住んで引っ越したくなったら売るか貸す」という選択を取れば購入費の一部を回収できるので、ここは古民家の面白いメリットではないかと思っています。

 

メリット5:古いぶん購入諸費用が安い

築年数が経っているぶん、基本的に古民家の購入費用は築浅の物件より安いです(リノベーション済古民家や京町屋などは除く)。農村集落にある物件なんて、100万円以下で買えるものも珍しくありません。

また、建物の耐用年数が過ぎているので、当然固定資産税も安いですし、事業で古民家を取得する場合、建物価額は4年で償却が可能です。諸々の税金が安いということですね。

とは言え、基本的に安い古民家はリフォーム・リノベーション前提なので、その見積額も含めて購入を検討すべきですが。

 

 

古民家に住まうメリットは大体そんな感じです。次からはデメリットを検証。

 

デメリット1:冬は寒い

古民家の夏が涼しければ、冬はとても寒いです。断熱材が無いし気密性皆無なので、すきま風がドンドン入ってくるし、暖房効率も非常に悪いです。

冷え込む夜なんかは基本的に室温が1ケタになるので、朝なかなか布団から出られません。笑 あと、目覚めたら鼻っ面がめっちゃ冷たくなってますよ。

東北や高原地帯など、寒い所の古民家に住む場合は、断熱&気密性アップのリノベーションは必須だと思います。マジで夜死にかねないです。

 

デメリット2:虫は友達!

夏の古民家と言えば虫です。特に蚊、ハエ、クロアリ、シロアリ、クモ辺りは当たり前のごとく出現しますね。緑の多い地域なら特に。

古民家はもう天井から壁からサッシから床から、至る所に隙間がいっぱい。そこから小さな虫が堂々と入ってくるので、これはもう致し方ありません。

 

僕が自宅で気になっているのは、蚊(イエカ)、チョウバエ、アシダカグモ。アシダカグモはキモいけど益虫なので良いとして、他の奴らは頻繁に出る害虫として頭を悩ませます。

うちは簡易水洗トイレなので便槽が埋まっていて、夏になるとそこから無数のチョウバエが発生してしまうので気分が滅入ります。トイレは水洗にリフォームすることをオススメしますよ。

 

ちなみに、ゴキブリは我が家にはあまり出ません。恐らくアシダカグモが食べてくれているのと、ブラックキャップ様が守って下さっているからでしょう。

話逸れますけど、自宅のゴキブリ退治にはブラックキャップがマジで最強なので、暑くなる前に購入して家に設置しておくことを強く推奨します。ひと夏越えたらほぼ一網打尽にできます。

アース製薬 ブラックキャップ 12個入り

アース製薬 ブラックキャップ 12個入り

 

 

デメリット3:リフォーム、リノベーション前提

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価格の安い古民家は特にですが、基本的に古民家はリフォームやリノベーションをしないと、まともに住めない物件がほとんどです。長年放置されている等で経年劣化している物件が多いから、致し方ないですが…

特に屋根や風呂、トイレ、キッチンは要注意。古い住宅だと必ずと言っていいほど改修が必要になってくる所です。しかもDIYには難易度が高く、プロに発注すると値段もそれなりに掛かってくる部分なので要注意!

古民家は安く買えると言っても、改修費用を合わせて考えなければならないので、必ずしも安く住める訳ではないということを覚えておく必要があります。

 

デメリット4:現代の住宅より維持費用が掛かる

また、一度のリフォームやリノベーションだけでは、古民家をずっと快適に使えるようになるわけではありません。

古民家は家のあらゆる箇所に年季が入っているため、築浅の住宅に比べると手間も修繕費もかさんできます。配管周りとか、屋根瓦とかね。

固定資産税が安い分、修繕費でランニングコストが高くなっていく点も、古民家に住まう際には覚えておかなければなりません。

 

デメリット5:東京など大都会には古民家が少ない

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東京や大阪といった大都市は、戦時の空襲で街の大半が焼けてしまったため、戦前から残る建物は残念ながら非常に少ないです。

古民家と言えば、流通するものは多くが田舎の農村にあるもの。いくら立派で格好良い家とは言え、まだまだ田舎に移住する人は世間的にマイノリティ。

田舎より都会で家を求める人のほうが圧倒的に多いことを考えると、大都市に供給が少ないというのは、古民家住まいを考える上でどうにもならないネックだと言えます。

…とは言え、東京なら鎌倉や川越大阪なら京都や奈良といった歴史ある郊外都市まで行けば古民家は多いので、必ずしも物件探しが厳しい訳ではありませんけどね。

 

デメリット6:下手に手を入れると地震で崩れる

建築基準法が制定される以前の建物は、当然ながら耐震強度なんて考えられていないため、耐震診断をしたら確実にアウトと言われてしまいます。

しかしながら、それでも築100年を超える建物が各所にあるのも事実。法隆寺なんて607年建立って言いますからね。凄すぎ…

 

まだ科学的に解明はされていないらしいのですが、古民家は固定しない基礎や柱、梁によって地震の振動を分散し、また土壁が自ら崩れることでクッションの役割を果たすことで、躯体に大きなダメージを残さない造りになっているそうです。

ちょうど、揺れのパワーをダンパー等の装置で分散して被害を抑える「免震構造」のような造りになっている、という訳ですね。

よって、良質な建材で造られた状態の良い古民家であれば、大地震が来ても倒壊せずに生き残る可能性は十分考えられると言えます。もちろん立証はされていないので真偽は分かりませんが、僕は納得。

 

しかし、古民家特有の土壁や瓦屋根といった造りはメンテナンスに手間と費用が掛かります。そのため、住人が土壁をはつってベニヤ張りにしたり、瓦をスレート等に葺き替えたりする家も珍しくありません。

でも、そうすると、古民家の本来持つであろう免震構造のバランスが崩れてしまうんじゃないかと僕は思うわけです。

どう考えても、ベニヤ張りの壁じゃ地震のパワーなんて受け止められないし、瓦屋根の重みで家全体をグッと押さえつけている所を、軽いスレート葺に替えたらまた建物のバランスが変わってしまう。

だから、「便利だ・簡単だ」という理由で、本来の古民家の造りに反したリフォーム・リノベーションを行ってしまうと、良い古民家でも「地震で崩れ去るもろい築古物件」になる可能性が上がるんじゃないか?と思います。

いずれにせよ、もちろん新耐震基準適合物件(主に1981年6月以降新築の物件)の方が地震に対しての安心度は高いでしょうが…

 

デメリット7:古民家の立地と法規制に要注意!

住宅を建築・購入する際、とても大事になってくるのが「建築基準法」と「都市計画法」です。これらは建物や都市の防災を守るための大切な法律で、不動産はこれらの法律に従って取引されなければなりません。

ですが、古民家の場合、それらの法律が制定される前に建てられたものがほとんどです。言い換えると、古民家は現状の法規制に適合していない「既存不適格物件」が多い、ということです。

防災のために制定された法律に適合していないのだから、当然、古民家は築浅物件に比べて「防災面に不安のある物件」が多いとも言えます。

 

例えば、土地に建物を新たに建築する場合、原則として「幅員4m以上の前面道路に2m以上接している」土地でなければ建築許可が下りず、家を建てられません

また、再建築ができる土地建物だったとしても、建物の容積率や建ぺい率がオーバーしている場合、同様の規模の建物を建てることはできません。

そのため、古民家の購入を考える場合、リフォーム概算費用と合わせて、法規制もしっかりと不動産業者に確認しておくことが必要です。

もちろん業者も法規制に関しては説明義務がありますが、義務が生じるのは契約時なので、その段階で契約破棄するのは流れ的に厳しいです。必ず都市計画法・建築基準法に関する質問は事前に全て行いましょう。

 

デメリットは多いけど、古民家暮らしイイよ!

というわけで、古民家暮らしのメリットとデメリットを検証してみると、やっぱりデメリットは大きいなーということが分かります。

それでも、僕は古民家の雰囲気が大好きで、うまくリスクヘッジ(?)しながら古民家に住んで行きたいなぁと考えております。

実際に大正時代の家に1年以上住んできて、虫の多さや冬の寒さも体験してきましたが、やはり趣深い古民家に住まうと、それだけで何とも言えない楽しさがありますね。

なので、あなたが「古民家に住みたい!」という気持ちを持っているのであれば、深く考えすぎず、まずは借りて住んでみたらいいと思いますよ。

 

ちなみに、大正時代建築の我が家はこんなんです▼

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この記事でも僕の家が見れます。趣が素晴らしいんですよねぇ。日当たり悪いけど…

 

 

僕と同じく「古民家に住みたい!」という方は、ぜひ僕と一緒に古民家の魅力について語り合いましょう。笑

なお、この記事中に挿入した古民家のイメージ写真は、ひょんなことで購入した奈良県にある貸家です。大阪から一時間圏内でとても良い古民家なので、自分が住みたいくらいですが…。もし興味あれば案内します。

 

 

じゃあの。