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移住を決める要因は、自然や食べ物じゃなく「人」なんだな

ちょっと更新が滞っていました。

こんにちは、すずきです。

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なぜ更新が滞っていたかと言いますと…

実は、7/29~8/1にて、尾鷲の九鬼という集落で開催した「古民家改修ワークショップ」の運営にガッツリ携わっていたからです。

終日、肉体労働に写真撮影、車での送迎と、なかなかにハードでした。

おかげで昨日までガッツリ疲れを引きずってしまいました。肉体作業って大変だなぁ。

 

この古民家改修ワークショップは、もともと「移住体験住宅プロジェクト」の一環。

九鬼にある立派な古民家を修繕し、尾鷲市の移住体験住宅として整備するために、参加型の改修ワークショップを企画しています。

作業しながら田舎暮らしのリアルを体感し、地元民との交流や、尾鷲の魚で飲み会を楽しんでもらう形。

安いながらもちゃんとお金を頂くので、主催側の持ち出しも少なくなる形です。

 

で、そんなワークショップには、「尾鷲に移住を考えている人」「DIYが好きな人」「大学の研究の一環で来た学生」などが参加してくれました。

色んな方々に尾鷲を楽しんでもらえたようで、何より。

 

そして、参加者の中から、移住希望者の方の感想を聞いて「やっぱりそうだよなぁ」と思ったところをシェアしようと思います。

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今話題のポケモンGOを始めて、地域活性化への可能性を探ってみる件

スマホゲームはやらなかったんだけどな…一度も…

こんにちは、すずきです。

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話題になみのりしました。

いやー、恐ろしい勢いですよね、ポケモンGO。

ニュースでもWebでもひたすら話を聞くもんだから、驚く限りです。

今日も家の近くにある熊野古道の旧跡に、地元のJCっぽい子らが携帯を持ってキャッキャやっていました(実際にプレイしたら、ポケストップがありました)。

※熊野古道は山道のイメージですが、普通に街中にも通っています。

 

何だか学生とかの若い子らは、ポケモンGOでひたすら歩きスマホをしているようで…

ニュースでは最近、「ポケモンGOで事故等の危険」って話ばかり見かけますね。

 

その中で、三重県が誇る伊勢神宮は、ポケモンGOに対して大人な対応らしいです。

 

「神宮の中では生き物を捕まえることはできませんし、人の入れない場所もあります。森の中にいるポケモンは捕まえずに、できればそっとしておいてあげてほしい」

 

とのこと。

宗教的な慣習、世界観は守りつつ、ユーザーにも配慮した言い回し。良いですねー。

ちなみに、出雲大社では事務的に「禁止!」って感じだそうです。

 

 

さて、そんなポケモンGOですが、僕も始めることにしました。

基本的に僕はスマホゲームを一切やらないので、今回が始めてのスマホゲームです。

元々ゲームは好きだし、小学生当時ポケモン初代もハマってたし、せっかくだからね。

 

僕がポケモンGOを始めようと思ったのは、「地域おこしに期待される」なんて記事をよく見るようになったから。

地域おこし協力隊として、尾鷲の地域おこしに使える要素はどこにあるのか?

それを調べようと思い、ポケモンGOをスタートする事にしました。

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池袋を歩く盲目のおじさんを見て、悲しくなった話。

土日で東京に戻ってました。

こんにちは、すずきです。

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池袋駅前で、盲目のおじさんが歩いていた

昨日の夕方、ちょっと買物をしようと池袋で降りたんですよ。

まー相変わらず人出のすごいことすごいこと。

 

池袋駅構内にその瞬間いる人だけで、たぶん尾鷲市の人口よりも多いんじゃないかな?

 

休日の池袋は、本当に駅構内も街も人で溢れかえっていて、誰かにぶつからずに歩く方が難しい。

四方八方から大量に人がドッと押し寄せてくるし、スマホをいじって前を見ずに歩いてくる若者も多い。

もう、身体が少しぶつかったくらいだとお互い謝りもしないし、怒りもしないのが普通なくらいです。

 

人がゴミのようだ。

 

そんな超過密の池袋の街で、ふと僕の目の前を盲目のおじさんが通り過ぎていきました。

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なぜ「箱モノ行政」は批判されるのか?その理由と失敗の本質を見てみよう

夕張市破綻の歴史を読んでいたら、恐ろしくなりました…

こんにちは、すずきです。

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「箱モノ行政」とは何か

箱モノ行政とは、一言で言うと「行政による、施設開発に頼ったまちづくり」です。

施設開発とは、すなわち建物を建てること。

市立博物館だとか、地域交流施設とか、図書館やテーマパークなどなど。

三井不動産や三菱地所のごとく、街にドカンと施設を開発して地域活性化に繋げようとする行政施策です。

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田舎にある「コミュニティスペース」とか「コミュニティセンター」の存在は、疑問を抱かざるを得ない

地域外の視点がない役場の人々って、その無駄に気が付かない人も多いんですよ。

こんにちは、すずきです。

田舎って、コミュニティは「武器」でしょ?

コミュニティスペースとかコミュニティセンターって言うのは、その名の通り「地域の交流施設」ですね。

地域活動の拠点、地域への情報発信の場といった役割もありますが、それも要するに「地域のコミュニケーションのため」です。

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はした金じゃ人は移住しないと思う。⇒“孫ターン”に10万円 豊後高田市 祖父母居住地への移住歓迎

少なくとも僕は10万円ぽっちじゃ移住しません。

こんにちは、すずきです。

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 豊後高田市は本年度から、祖父母が暮らす場所にIターンした移住者に10万円を贈る「孫ターン奨励金」を始めた。

情報源: “孫ターン”に10万円 豊後高田市 祖父母居住地への移住歓迎 - 大分のニュースなら 大分合同新聞プレミアムオンライン Gate

豊後高田市について

豊後高田市って僕も知らない町なんですが、「豊後」とある通り、九州・大分県にある市ですね。

国東半島の大分空港との対岸にある田舎町だそうです。

面積・人口規模とも尾鷲市と似ているので、海と山に包まれた地形もあいまって親近感ありますねー。

(人口:尾鷲市1.8万人・豊後高田市2.3万人 面積:尾鷲市193k㎡、豊後高田市206k㎡)

 

調べてみると、この豊後高田市はかなり移住施策に力を入れているようですね。

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「マーケティングコンサルを将来やりたい」と思うので、まずは僕の境遇から話すよ②

前回の続きです。

こんにちは、外出仕事がないとウズウズするすずきです。外出たい!

Webマーケターに出会って

僕が教えを乞うようになるマーケターとの出会いは、マルチ商法の洗脳から脱出し、サラリーマン生活からも逃れたかった社会人2年目の冬でした。

 

マルチ商法の集まりに参加していた時は、なんだかんだ言って前向きでひたむきな人達に囲まれ、違和感を感じながらも刺激的で楽しい日々を送っていました。

セミナーがある日は気合入れて仕事をガーッと終わらせ、そのまま電車で会場まで向かう等、今じゃ考えられないほど情熱を持っていたのです。洗脳ってすげぇ。

 

しかし、マルチを脱出すると、もちろんそういう生活は無くなる。

またいつものように会社に行き、大して好きでもない仕事に打ち込み、先輩や上司の愚痴を聞いて同調し、休日を待ち焦がれるだけの日々。

急に夢から覚めた時に見えた現実は、今まで以上に冷え切っている感じがしてなりませんでした。

 

で、そんな感じで空しさを覚えていた僕は、「早くこの状況を脱出しなきゃ、俺は色んな意味でダメになる」と感じ、何かしら独立の為のネタを探すようになりました。

主にどういう行動を取ったかと言えば、インターネットを使った副業のネタ漁り。

今までも海外ファッション製品の輸入・ネット販売を行っていたりしたので、必然的にそういったネタを探すようになっていました。

 

その中で目に付いたのは、いわゆる「ネットビジネス」というやつでした。

ネットビジネスとは、単に「インターネットを使ったビジネス」という言葉から派生し、「自分自身の実績をもとに、インターネット上で自分をブランディングし、ファンを作り、ファンに自らのノウハウを商材として販売する」ような仕組みの商売を指します。

これはまさしく与沢翼が行っているビジネスの手法で、本当の実力者っぽい人から形だけマネたアホっぽい人まで、数多くの人がこのビジネスに着手していました。

 

まぁ、「与沢翼」と聞いて、彼を知っている人は「うさんくさい商売だなぁ」と思うのではないでしょうか。

 

いや、実際うさんくさい商売であることは僕も否定はしません。

だって、実績なんていくらでも誇張できるし、それを明らかにやっているうさんくさい野郎が跳梁跋扈している世界ですからねぇ。

ネットビジネスのプレーヤーは、自らのノウハウを「情報商材」という電子書籍等の形式にしてお客に販売するのですが、さんざん煽って大金を支払わせておきながら、クズみたいな情報しか渡さない輩も中にはいますからね。

 

ですが、本当に実力があって誠実な人はもちろんいて、そういう人の情報には、とても惹かれるんですよ。

「うさんくさいなぁ」と思いつつも、そのビジネスの利点や実績をとうとうと語られて、こりゃあ興味を持たない訳がない。

だって、後で勉強して分かったのですが、彼らは「興味を持たせない訳がない文章の書き方」をしているんですからね。

本当に実力がある人の文章を見たら、そりゃあ引き込まれるのは当然です。

 

で、結局僕はそのネットビジネスをやっている人にSNSで連絡を取り(向こうから営業してくる人も多い)、何人かコンタクトを取っていました。

うさんくさい人がほとんどだった中、僕が教えを乞うようになった人は、「SNSで出会った人に紹介(営業)された」形で出会いました。

 

最初は警戒して掛かりましたが、優しい人柄と、やはり話がうまい(読ませる文章を書く人は、営業トークもうまいのだ)事もあり、僕はその人にグッと惹かれた訳です。

その人のコンサルティング料は、正直ボーナス一回分が吹っ飛ぶくらいの大金でした。

それでも僕は、現状を変えたいと強く思っていたので、覚悟を決めてその人にビジネスを教わる事に決めました。

ATMで大金を下ろす時の手は、大きな期待とさらに大きな不安でブルブル震えていた記憶があります。

修行の日々を過ごして

それから、僕はネットビジネス…Webマーケティングのイロハを教わることになりました。

レッスンは毎週の休日。ネットビジネスのパターンから、マーケティング、消費心理学、ビジネスを成功させるための考え方等々、色んな事を詰め込みまくる。

 

知識を詰め込んだら、後はひたすら作業です。

自分の強みを知り、情報商材という形にし、ファン作りの戦略を決め、ブログで記事を書いてファンを作り、実際に商品を販売していく…

年齢も若く社会人経験も乏しく、実績も何もない自分でしたが、色んな事をがむしゃらに取り組みました。

そして半年ほど試行錯誤をした末、よーーーうやくお金を稼ぐことが出来た時は、大きな喜びでしたねぇ。

 

今まで自分に全然自身が持てなかった僕ですが、このネットビジネスでの成功を機に、一気に自身が付くようになりました。

だって、サラリーマンではなかなか体験しづらい「ゼロから商品を生み出して販売し、利益を生み出す」という経験をしたからね。

 

 

この成功体験の中で僕が感じたのは、「マーケティングは超強力なスキルだ」ということでした。

 

だって、マーケティングを極めれば、「黙っていてもモノが売れていく」状態を作れるのだから。

必死に汗をかいて外回りして、たくさんの人々に頭を下げたり説得したりしてモノを売らなくても良くなる。

一度仕組みさえ作ってしまえば、後はお客が「買わせてくれよぉォーッ」と言ってくれるのを待つだけです。

営業より遥かに効率が良く、確度も高く、生産性も高いセールスが出来るようになりますからね。

 

人を惹きつける文章の書き方を習得するだけで、お客の商品購入率が何倍にも変わる。

正しい顧客分析やターゲティング、商品のPR戦略が出来るようになれば、ビジネスが成功する確率は格段に上がる。

ファンを作り、適切にコミュニケーションを取ることで彼らを熱狂化(ある意味洗脳)し、「商品!買わずにはいられないッ!」という状態にもできる。

言ってしまえば、マーケティングを極めれば「クズみたいな情報商材を高額でファンに売りつける」ということが現実に問題視されているように、人を熱烈に惹きつけることが出来るようになるんです。

 

それに気付いてから、僕はもうマーケティングの力に魅了されましたね。

今まで考えていた、ミーハーなマーケティングのイメージは完全に消え去り、「商品を売るため、会社の利益を伸ばすための最大のスキル」という考えに変わりました。

 

もうここからは早いです。勤めていた不動産会社に退職願を出し、さらにWebマーケティングを学ぶべく、広告代理店への転職を決めました。

広告代理店は前職より激務・薄給・不安定な企業でしたが、やはり興味のある事を学べるのは楽しく、また仕事やキャリアに前向きな環境が非常に刺激的で、とても楽しかったです。

 

そして広告代理店でさらにマーケティングの実務経験を積んだ僕は、いよいよ学生時代から最もやりたかった「まちづくり」の仕事に携わるべく、尾鷲市の地域おこし協力隊に志願をした訳です。

やっぱり、自分自身にある程度誇れる実力がないと、衰退する田舎のまちづくりなんて超難しい仕事、何も太刀打ちできないですからね。

自分自身のスキルに自信を持てるようになったからこそ、いよいよ自分の好きな仕事を突き詰める覚悟ができたのです。

僕が地域おこし協力隊の後に考えていること

タイトルにもある通り、僕は将来「マーケティングコンサルタント」になりたいと考えています。

 

「あれっ、まちづくりが最もやりたいんじゃないの?矛盾してね?」という言葉を頂くかも知れませんが、説明します。

僕が最もやりたいのは確かに「まちづくり」ですが、まちづくりには本当に色んな要素が絡みます。

地元産業の振興はまちづくり。道路整備もまちづくり。電気水道の整備もまちづくりだし、教育や福祉サービスの提供もまちづくりです。

 

要はまちづくりって、「街の機能を維持・向上するためのあらゆる活動」って事なんですよ。

だから、一言にまちづくりって言っても、色んな目的や取り組み、考え方があり、実際一括りになんて全くできる事業じゃないんですよね。

 

その中で僕は、経済・人口的に衰退著しい尾鷲市を活性化させる最も有効な手段として、「雇用の確保」が挙げられると考えています。

地元の若者はまともな仕事(キャリアに繋がる・給料が良い・やりたい業務内容)が無いからこそ、都会に出て帰ってこない。

「田舎暮らしをしたい!」と考える若者だって、結局田舎にはまともな仕事がないから、ほとんどの人が実行に移せないのです。

さらに、田舎に居続けて仕事し続ける人は、給料が安くキャリア評価も低い為、だんだん「街から出て暮らす」という選択肢が取りづらくなってしまう懸念もあるのです。

 

だからこそ、僕は自身のマーケティングスキルを生かし、地元企業が利益を継続的に上げてもらえるようにしたいと思っているんです。

継続的に利益が上げられれば雇用も維持できますからね。

それに、自らも含め、新規起業をする人の成功確率を上げる事だって可能じゃないですか。

そうしたら、ますます尾鷲には雇用が生まれ、多少なりとも中長期的な地域活性化が出来ると思うんですよね。

 

なので、僕はまちづくりがしたいし、マーケティングコンサルタントにもなりたいと思っているんですよ。

民間企業が元気な街こそが、なかなか衰退しない元気な街になるんです。

 

もう、役場が無駄に税金を突っ込んで、誰も使わない建物やインフラを開発して「まちづくりや!」なんて寝言を吹聴する時代は終わりです。

どんな取り組みも利益が出ないと継続は難しくて、特にまちづくりに繋がる活動ってのは、その傾向が顕著なんですよ。

イベントを打つにもお金が必要。カフェとかお店を構えるのも、パンフレットを作るのも、全部お金がなきゃできません。

 

頑張って適切にビジネスとして活動して利益を上げないで、どうやって活動の原資を捻出するのですか?血税(補助金含む)ですか?

今まで役人主導でやってきたまちづくりで、日本の地方全体が失敗…いや、国全体が税金を食いつぶして失敗しているのだから、もうやめましょうよ。

血税で血を洗う役人主導のまちづくりより、適切かつ持続可能な民間主導のまちづくりこそ、これからの衰退国家・衰退都市に必要なやり方じゃないですかね?

 

僕はムリ・ムダ・ムラ無く活動を維持できる可能性がより高い、民間主導のまちづくりを応援したい。

だから、僕の持てるマーケティングという素晴らしい分野の知識を生かして、尾鷲の地元企業を助けて行きたいんですよ。

そして、僕自身もコンサル以外の事業も展開して成功することで、よりまちづくりに貢献できると思っています。

 

 

うーん、情熱ばかりで文章を書いてしまっているので、推敲された文章じゃないかもですね。笑

コピーライターもやっていた身からすると、これで良いのか?と思うところも無いことはないですが、書き直しとかは別にせずに投稿します。

たまには自分の思いの丈もぶっつけないとね。

 

という訳で、僕の持つマーケティングスキルを地域に共有すべく、色々セミナーを実施しようと思っています。

詳細を今ドンドン詰めている最中ですが、いやー、忙しくなりそうです。

でも、すげーワクワクする。

セミナーに参加できる機会のある方は、ぜひ参加してくださいねー。

 

 

じゃあの。

「マーケティングコンサルを将来やりたい」と思うので、まずは僕の境遇から話すよ①

僕がマーケティングの分野に魅了され、勉強し、生業にしたくなったいきさつを語ります。

こんにちは、京都旅行で刺激をバンバンもらいましたすずきです。

 

新卒で入社した憧れの会社は、生ぬるい地獄だった

僕がマーケティングを本格的に学び始めたのは、社会人2年目の終わり頃でした。

 

僕が新卒で入社した会社は、某大手ホールディングス子会社の不動産デベロッパーでした。

学生時代からまちづくりや都市開発に興味があった為、仕事内容&給料の高さで憧れていたデベロッパー業界に就職できたことは、とても嬉しかった。

部署も最も希望していたオフィスビルの開発等をやる所に配属され、さぁいよいよやるぞ!と入社時は勇んでいたのですが…

 

やはり、社会はそう甘くない。

要領が悪く、かついい加減だった僕はなかなか仕事に付いていけず、辛い思いをするようになりました。

仕事がこなせない自分への嫌気、当たりが冷たくなる会社の人々、そこに激務も相まって、精神的に滅入ってしまう時もままありました。

 

気が付いたら、憧れの都市開発の案件を前にしているのに、些細なものでもミスが怖くて何もできない。

それに、案件と言っても与えられるのはほぼ雑務。誰にでも出来る簡単なお仕事です。

僕はすぐに会社と仕事に幻滅し、とても楽しみにしていた都市開発の仕事に面白みを覚える余裕はありませんでした。

 

一年経つと、辛かった僕を察してなのか?厄介払いなのか?異動希望が通り、商業店舗テナントの管理や販促等を行う部署に異動になりました。

かつての精鋭が集まる都市開発部門は非常に苦しい職場でしたが、今度はアットホームで楽しい環境。

仕事内容自体はあまり面白くはなかったですが、自分でドンドン仕事を進めていける前向きな環境は非常に刺激的でした。

 

…ただ、その部署でも問題があって、それは「上司がダメだった」ということ。

うまく成果を出せず、というか出そうとせず、上長にはいつも叱られっぱなしだし、ウマも合わない。

たまに飲みに連れていってもらうと、おごってもらう代わりに愚痴を聞く事を我慢するばかりでした。

 

また、その部署で一緒にやっていた先輩とも、ウマが合わなかった。

どうにもその人の考え方や動き方が自分と合わず、結局、仕事が面白くないのも相まって、ストレスは再び溜まっていきました。

 

こんな感じで、当時の職場やダメな自分に強くフラストレーションを感じていた僕は、まさしく典型的な感じで「例のアレ」に足を踏み入れることになったのです。

 

そう、マルチ商法です。

マルチ商法に引っ掛かった!

発端は大学時代のゼミの友人から久しぶりに連絡が来たことでした。

「○○も連れて、3人で遊びに行こうよ!」なんて久々に連絡が来たもんだから、誘われるままホイホイと集合場所について行っちゃったのだ。

 

んで、これも典型的ですが、「最近仕事どうよ!?」なんて話を振られるわけです。

となると、仕事が辛い僕は「会社マジ辞めたいわ~…辞めたいわ」なんて返事をするんですよね。

これから先も超テンプレートな会話が続いていきます。

 

友人(なぜか一日ハイテンション)「えーマジ?自分はめっちゃ楽しいよ!辛いとか損だよ!」

僕「えー、羨ましいなぁ。何の仕事してんの?」

友人「今は○○メーカーの営業だけどね、将来独立したいと思ってて、今ひょんなことで経営者の勉強会に参加してるんだ!それがメッチャ刺激的で楽しくってさ!確か、教平は学生時代に独立したいかもとか言ってたよねー?仕事とか楽しくなると思うから、ちょっと顔出してみない?(やたら饒舌)」

僕「そうなんだ!それ面白そうだな!次ある時行くから呼んでよ」

 

はい、この「経営者の勉強会」とか言うのは、マルチ商法のブラインド勧誘(違法)の典型的パターンですね。

当時、マルチの勧誘に対する知識など一切無かった僕は全く分かりませんでしたが、後になって考えると、こんな典型的な型にはまってたなんて笑える!

 

で、その後はやたらテンションの高い「メンターの経営者」が出てきて、僕に対して「忙しいのにわざわざ時間を割いてくれて、話を聞いてくれて、ご高説を垂れ」てくれたのです。

その経営者(笑)との付き合い以外に、そのマルチ集団の仲間や他の新規カモとの横の付き合いも用意されており、とてもフレンドリーで温かい…けど「良く分からない」グループに少しずつ心を許してしまいました。

 

で、そこからは経営者(笑)の主催する自己啓発セミナーに「自主参加」を数回重ねた後で、いよいよマルチ商法への本当の勧誘が始まるのです。

経営者(笑)に「覚悟はあるのか?」と聞かれ、YESと答えると、そのマルチ商法の会員証を「サッと」見せて、これからやる仕事の仕組みを「ほんのちょっと」伝えられる。

もう僕は数回のセミナーで洗脳されてるどあほうなので、頭の中は「やる」の一点張り…

そうして僕は結局、ニューウエイズ(アメリカのマルチ商法会社)のディストリビューター(商品販売権を持つ会員)となり、そのマルチ集団に加盟することとなったのでした。

 

このエントリーの本旨からは外れてしまうのでこれ以上は省きますが、紆余曲折あって洗脳が解け、僕はマルチ集団を脱退することに成功しました。

幸い、大金を費やすこともなく、友達に勧誘活動をする事もなく抜けられたので良かったです。

(この一連の話は、面白いし重要なので、またどっかで書きます)

 

まぁ、そんなこんなで数ヶ月間そのマルチ集団に入れ込んでいた僕。

さすがに洗脳が解けて脱退した後は、ちょっと張り合いがなくてつまらないなぁと思う時もありました。

マーケターとの出会い

しかし、マルチ商法にはまって、正直僕は良かったなぁと思っています。

というのも、その集団にいたおかげで、「独立志向が固まった」「仕事で夢ができた」「とにかく何か自分でしたくなった」からです。

そう、洗脳が解けた僕でしたが、マインドはそのキラキラした部分のみ、今も洗脳が解けていない(?)のですよ。

 

で、マルチ集団を脱退してからというもの、面白くない仕事に早く見切りを付けられるようになろうと、色々ネタを探していた訳です。

そんな中で、ネットで様々な営業活動(マルチ含む)を受けていたところ、インターネットを使ったマーケティングでガンガン稼いでいる人と会うことになったのでした。

 

 

こうして「鈴木教平」は、丸の内のエリート大手企業マンにあこがれるよりも……

『マーケター』にあこがれるようになったのだ!

 

 

TO BE CONTINUED...

「田舎には仕事がない」問題はどう解決すべきか?地域活性化のカギはここにある。

前回のエントリーの続きです。

www.kyohei-suzuki.com

こんにちは、すずきです。

 

前回は、田舎が衰退する最大の要因として「田舎には仕事がない」問題を取り上げました。

はい。田舎にも、仕事は選ばなければ結構あります

都会からエイヤーで移住してきた人でも、相当なコミュ障とか問題ある人でない限り、問題なく食っていけると思います。

田舎ならではの農業・漁業・林業といった求人もありますし、伝統産業や地元有力企業の求人もあります。

それが魅力に移る人には、田舎での就職と言っても特に問題に感じることは少ないと思います。

 

しかし、あくまでもそれは「選ばなければ」というお話。

結局、地元民は「ろくに仕事がなく」、自分の好きな仕事も選べなければ、給料も安くて将来性に乏しい為、それを嫌がって都会に出ていく人がほとんどなのです。

あるいは、「仕事がない」を真に受けてしまい、地元就職がアウトオブ眼中な人達ですね。

これが原因でどんどん地方からは人が流出している。この問題を、僕達は決して見逃してはいけません。

今回は、「じゃあ、その問題についてどう対処すればいいのか」について、僕なりの持論をまとめたいと思います。

1、地域の既にある仕事を魅力的にPRする

まずはコレです。地域にある既存の仕事をアピールすることで、地元の高校生等に振り向いてもらいます。

意外と、地元の高校生は地元の企業や仕事のことを全然知らない人が多かったりします。

地元の有力企業がどんな仕事をしているのか以前に、そもそもその会社のことを知らない事例だってあります。

そういう人は、どうしても「地元じゃ就職できない」と勝手に考えて、地元を離れ、戻らなくなる可能性も高いですよね。

 

で、結局こういう事が起きてしまっているのは、要するに求人のPR不足だと思うんです。

だって、田舎の求人情報なんて、ハローワークに行かないとほとんど見られないんですよ。

タウンワークみたいなフリーペーパーも無いし、リクナビやマイナビなんかにも全然情報は載っていない。

就職活動をスタートした3年生くらいしか、高校生は会社情報をまともに得られない環境です。

 

それならば、やっぱり会社そのものや、その会社の仕事をもっとアピールしていかなきゃいけない。

ハローワークだけじゃなくて、もっと色々な媒体で、もっと踏み込んだ情報を見られてインパクトや興味を持たせられるようにしなきゃいけない。そう思うのです。

どんな方法が考えられるか

まぁ、ひとえにPRと言っても、色んな手法があると思います。

では、どんな手法を使えば良いのだろうか?ちょっと考えてみましょう。

独自の求人情報メディアを作る

まずは「独自の求人情報メディアを作る」こと。

最近では、ハローワークのみならず、自治体でも省庁に申請すれば求人情報の公開等を出来るようになったそうです。

それを受けて、早速自治体独自の地域求人情報サイトやパンフレット等を整備する所も出てきています。

 

ただし、この独自メディアを作るにあたって何より注意すべき点は、「ハローワーク以上の情報を提供すること」です。

ここで言う「ハローワーク以上」は、「ハローワークより、就業を検討する為の有益な情報が多く、かつ就労意欲が湧く」というポイントがカギになります。

ただ単に独自メディアを整備したけど、ハローワークと同じ情報しか載っていなかったら、誰がありがたがって読むのでしょうか。

ここはしっかりと頭をひねって考えなければいけません。写真がいっぱい付いてたりとか、社員インタビューが付いてたりとか、使いやすいUIのサイトだったりとか…

 

また、独自メディアを整備する利点は、「ハローワークを見ない人にも情報提供ができる」ことです。

これは要するに、「誰に、どのように求人情報を提供すべきか」もきちんと考えなければいけないという事に繋がります。

移住者向けに、東京等で開催される移住フェアでパンフレットを配るのか?

「Uターン 三重」とかのワードで、求人メディアのリスティング広告を打つのか?

そういった事もきちんと考えてアプローチする事で、ようやく情報拡散の裾野が広がって行くのです。

仕事の実情が分かるインタビュー等を記事にする

これは上記にも係る事ですが、独自に求人情報を提供するにあたっては、「ハローワーク+α」の情報提供は必須です。

そこで効果的な+αの施策としては、「インタビュー記事を公開する」ことが挙げられます。

 

これは例えば、「この会社はどういう取り組みをしているのか。どういうビジョンを持って、どう行動していくのか」という事を示したりだとか、「この会社でどういう風に働き、どんな暮らし方をしているか」を伝えたりするものですね。

「仕事」を魅力的に表現しているメディアで「日本仕事百貨」というサイトがありますが、そういうイメージで、生きた声をもとに記事を仕立てていくのです。

同サイトは尾鷲の企業や地域おこし協力隊の募集でも結構お世話になっていて、やはり記事にストーリー性や臨場感があり、反応は上々だそうです。

 

そう、ただハローワークとかに掲載されている求人情報―給料いくらとか、就業時間はいつとか、雇用条件ばかりテキストベースで眺めているだけじゃ、会社の魅力や雰囲気、ビジョンは伝わりません。

しかし、直接その会社で働いている社員や役員に話を聞き、それを記事に仕立てれば、その生きた声はリアルにユーザーに刺さってきます。

誰が言ったのかも分からん「風通しの良い社風です!」は何だか怪しくてブラック企業な響きがしますが、実際の社員へのインタビューで「風通しは良いです。きちんと各々の意見を汲み取ってくれる」と言った方が、グッと信憑性は増します。

 

このインタビュー記事の作成は、手間はかかるものの、地元企業や仕事のPRとしては結構踏み込んでいて有効な施策になると思います。

ただし、これも当然ですが、「どこで、どうやって公開するか」を考えていく必要があります。

僕であれば、移住を検討している人向けにサイトを開設し、そこに地元企業のインタビュー記事を公開していく形でプロジェクトを進めていたりします。

もちろん、これだけでは全然アプローチが足りないですが、例えば尾鷲高校の就職課で、企業インタビューやら企業ヒアリングといった取り組みを実践してもらったりすれば、地元学生への有効なPRにはなるんじゃないかなーと感じます。

インターンシップ制度を整備する

これも最近少しずつ聞くようになりましたが、「地元企業等へのインターンシップ制度の整備」はとても有効かと考えています。

尾鷲では、尾鷲高校の生徒向け・国内外の移住者向けとインターンシップ制度を設けている企業があり、毎年その受け入れがなされています。

 

インターンシップを実施することのメリットは、何よりも実際の仕事に触れられる事。

もちろん、「良い会社だ!働きたい!」と思われない場合もあるので、確実に雇用に繋がる訳ではありません。

しかし、高校生にとっては、地元の企業や仕事について深く知れるチャンスになりますし、移住者にとっては、「仕事をしつつ、この街で暮らす」ことをリアルに体感することができます。

だから、「ここで仕事をしたい!」とカッチリはまれば、長く働き続けられる可能性もあり最高ですが、そうでなくても生きたPRに繋がって行きます。

 

とは言っても、インターンシップを受け入れられるかどうかは企業それぞれで難しい話。

自治体主導でインターンシップ制度を街に作って行きたいと思うのであれば、地元各企業とじっくり話し合いをし、双方のメリットをしっかり作った上で導入の是非を長く検討して行くべきかと思います。

 

2、起業を促進する

さて、地元に既にある企業や仕事のPRをする必要性について上記しましたが、次は「新しい企業や仕事」について。

田舎にはそもそも会社の絶対数が少ないという事もあり、既存の企業や仕事をPRするだけでは、いずれネタが底を尽きてしまいます。

「全部の企業をPRしてたら間に合わないよ!」という問題ではなく、地元企業の情報は「ネタが新鮮でない」からです。

 

例えその企業を知らない人でも、「どうせ、地元の会社だし大した事ないだろ」という偏見を持ってしまう可能性がありますからね。

結局のところ、給料が都会に比べて安かったりするので、そういった偏見は起きやすいのです。

 

それを少しでも解消する意味合いも含め、「街で起業を促進する」という事も、一つ「田舎には仕事がない」を解決するのには有効な施策です。

最近では、地方創生の意欲の高まりもあり、各地方の田舎町で様々なローカルベンチャーやお店が新しく立ち上がってきています。

それらは、今後ビジネスが継続・発展出来るかどうかは置いておいて、地域に新たな風と雇用を生み出す可能性を大いに秘めたものです。

 

経済が停滞し、魅力的な仕事が無い田舎町にとって、新しい会社が出来るのは非常に大きなこと。

有名どころでは、徳島県上勝町の「株式会社いろどり」なんかは、これが創立されたおかげで、上勝町は大きく変わったと言いますね。

これはそこらの山に生えている紅葉とか何とかの葉っぱを、「つまもの」として、各地の料亭に出荷販売するというビジネスを行う会社。

山から葉っぱをもいで収穫し、パソコンで出荷作業を行う地元のおばあちゃんの映像を、何度もテレビや本で見かけます。

 

こういう形で、新しい企業が出来れば、街に新しい影響が起こる。

その作用として、その企業の名前は地元にも、外部にも知られますし、会社が大きくなってくれば、「ここで働きたい!」と手を上げてくる人がいる時代にもなりました。

だからこそ、新しい企業を街に生み出していく「起業促進」の施策も、必須ではないかと思うのです。

 

起業促進の施策については、良く実施されているのは開業補助金制度とか、新規事業融資とかですね。

企業やビジネスを作る金銭的なハードルを少しでも補助金や低利率融資という形で低くしてあげる。

こうする事で、少なくとも新たに起業がしやすい環境づくりにはなります。

 

その他に考えられるのは、ビジネスコンテストの実施、高校生への起業支援プログラムの導入、商工会議所のスタッフ力の向上(愛知県岡崎市みたいな)とか、色々ありますねぇ。

地域おこし協力隊の僕としては、最近総務省の方で、地域おこし協力隊の起業支援制度をドンドン拡充して行ってるので、自治体職員は協力隊へ積極的に起業を促進し、勉強させていくようにするのも良い手段と思います。

とにかく、地域おこし協力隊の副業・兼業がNGって言うのはあり得ない!もし100%禁止にしている自治体があったとしたら、寝ぼけてないでさっさと解禁しなさい!

3、企業を誘致する

で、3つ目。一番地域に与えるインパクトが大きいのが「企業誘致」ですね。

これも色んな自治体がやっている事ですが、例えば福島県とか群馬県とか、新幹線沿線の山奥を切り開いて工業団地を募集してたりしますよね。

地域に企業が移転したり、支店や工場を開設したりしてくれると、それだけで人口も税収も上がります。

 

山梨県の山奥にある忍野村は、世界的な機械メーカーのファナックがあるおかげで、人口増加中・財政力指数も基準となる1.00超えになっています。

尾鷲市も、かつて昭和の時代に尾鷲三田火力発電所が誘致されたおかげで、水産と林業しかなかった小さな町が、工業でも大きく栄えることとなりました。

今は尾鷲そのの繁栄は見る影もありませんが、当時儲かっていた名残として、国道42号は、近隣では尾鷲の中心市街地だけが4車線に改良されていたりします。

 

こんな凄いインパクトを地域に起こしうる企業誘致施策ですが、最近では、工場やメーカー誘致に留まらず、IT企業の誘致もよく聞かれるようになりました。

徳島県神山町にサテライトオフィスを開設した、Sansan(「早く言ってよぉー」の名刺管理システム会社)の影響でしょう。

「インターネットがあればどこでも働ける」「田舎でのびのび暮らしたい」という、世間の環境と人々の想いが合致し、Sansanのように地方へサテライト拠点を出す会社もポツポツと増えてきました。

 

ただ、正直、企業誘致っていうのはかなり難しいものじゃないかと思います。

だって「その街でなくてはならない理由」が無ければいけないから。

 

僕も、企業誘致をどうすれば良いのかって言うのは、正直全然分かりません。。

「実際に現地を見てもらい、キーマンが街を愛してくれること」「交通、ネット、生活インフラが整っていること」「開業に良い不動産があること」等が条件になってくるんだと思いますが、地道に環境を整備しつつ、色んな会社の人を街に呼び込み、PRして行くしか無いのでしょうか?

もちろん、補助金で釣るっていう作戦があることは前提として…

 

まぁ、「難しいから」と言って諦めてしまってはどうにもならないので…大々的には行かずとも、地道に、根気よく、たとえ小さな会社でも誘致に取り組んで行くことは肝心だと思います。

新たに起業された会社と同様、地域に始めてやって来た会社も、その地域に新しく強いインパクトをもたらしますからね。

新しい雇用、新しくて面白い仕事が地域に増えれば増えるほど、地元の人達は街を去る率が少なくなって来るし、地域外から移住してくる人も増えて行きます。

そうやって新しい風をガンガン吹き込んで行かないと、その田舎町が廃れて行くのは早いと思います。

 

 

さて、「既存の仕事をPRする」という部分ばかりテキストが多くなってしまって何ですが、僕の思う「田舎には仕事がない」問題の解決策をつらつらと述べて行きました。

僕も地域活性化の道は素人なので、他にも有効なアプローチは色々とあるかも知れません。

 

「田舎にはろくな仕事がない」「田舎にはろくに仕事がない」と言って、地元を去って戻ってこない人々が少しでも少なくなるよう。

また、「意外と面白い仕事あるじゃないか!」と思って外部から田舎へ移住・Uターンする人々が少しでも増えるよう。

何とか、僕はこの問題を解決して行きたいと思っているので、色んな人の意見も聞きたいし、協力者も増やして行きたいと思っています。

がんばるで。

 

じゃあの。

「田舎には仕事がない」という言葉の誤解と、問題の本質について語る。

言葉は受け手によって解釈が異なるので、きちんと自分の解釈を持たねばなりません。

こんにちは、すずきです。

 

今回は、良く言われる「田舎には仕事がない」という言葉への誤解について書き連ねます。

そして、僕なりの「その言葉の本質」と、果たして何が一番の問題なのか?も述べようと思います。

田舎でも、仕事はない訳ではない。

当然ですが、基本的に、どんな田舎であっても仕事=働き口はない訳ではありません。

人口1万人を切るようなド田舎であっても、農業・林業・漁業やら製造業、小売店などの雇用の受け皿はほぼ必ずと言っていいほど存在します。

ましてや、地方都市と呼ばれるレベル(都市圏、商圏ができる位)の街であれば、銀行やメーカーの支店や営業所も複数あるので、求人を探すのに困ることは少ないでしょう。

 

でも実は、世の中には「仕事がない」という言葉をほぼそのまま受け取ってしまい、「ここじゃまともに働けない、ろくな生活が出来ない」と考え、求職活動もしないままに田舎を出て行く人は多いようです。

それは何といっても、「地元の学生」なんですよ。

 

当然ながら、彼らは年齢がいってないので、世間を知りません。

彼らの学校生活は、少しのアルバイト経験以外は、ほとんど部活・遊び・受験勉強で埋め尽くされています。

だから、そりゃあ地元のことを知る機会も少なければ、まして会社のことを知る機会もなかなか無い訳です。

 

で、そんな彼らは、たまに大人達から「この街には仕事が無い」なんて言葉を聞かされていくのです。

そして、大人の僕達からは信じられないのですが、その言葉をそのまま受け取ってしまうんですよ。

(もしかしたら社会に出ているはずの大人でも、「全く仕事がない」と考えてる人はいるかも知れませんが…)

 

これはベッドタウンで育った人なら、自分が子供の頃を考えてみたら、納得できる率は高いはずです。

 

三大都市圏のベッドタウンって、基本的にはひたすら住宅街ばかりが広がります。

もちろん、駅前や幹線道路沿いまで行けば、お店やオフィスビルはありますが、ちょっと離れたらひたすら民家です。

で、子供っていうのは行動範囲が大人に比べて遥かに狭く、外の世界も知らなかったりするので、基本的に育った場所を「ここは家ばかりだ」とまずは認識するんですよね。

 

僕は台東区のオフィスや商店が混在する地域で育ちましたが、それでも子供の小さい目線では「ここは住む場所」としか思いませんでした。

あなたも小さい頃はそう考えるほか無かったんじゃないでしょうか。

だって、「働く」ということのシステムが分からなかったですもんね。

 

結局、そういう考えで「この街じゃ働けない」と勝手に思ってしまう学生が毎年何人も生み出され、「自分の街の仕事情報を見もせずに」地域外の学校や企業に出てしまうようになるのです。

 

まぁ、こういう学生は、割合的にはきっと半分以下でしょう(と信じたい)。

ですが、大人が「仕事が無い」と無責任に言うおかげで、少なからず地元を憂慮してしまう学生が出てくるのは、どげんかせんといかん所だと思います。

しかし、僕は大人がそういう事を言うのも、まぁ仕方がないかと考えています。

なぜなら、そこに「田舎には仕事がない」という言葉の本質が絡んでくると思っているからです。

「田舎には仕事がない」の本質は「"ろくに”仕事がない」ということ

はい。ここでハッキリとさせておきます。

「田舎には仕事がない」という言葉が差すのは、本当は「田舎にはろくに仕事がない」という意味なのです。

あるいは「田舎にはろくな仕事がない」と言うニュアンスでも使われますが。

 

そう。僕はこの「ろくに仕事がない」という表現が、田舎の衰退の本質を表していると考えています。

 

田舎で求人を探そうと思ってみると、都会との違いには愕然としてしまいます。

その理由はコチラ。

1、求人数(非正規雇用含む)が少ない

人口が少ない=経済規模が小さいので当然ですが、求人数は都会に比べて田舎の方がはるかに少ないです。

東京だったら、ベッドタウンの市区単体であっても、せめて数百件の求人はあります。

しかし、例えば人口18,000人の尾鷲だったら、200k㎡近い面積の中で、200件に届かないくらいしか求人はありません。

さらに、尾鷲の中でも市街地以外の集落部になってしまうと、求人の数は合計で10件も無いくらいになってしまいます。

2、給料が安い

東京の大卒者なら、30代で500万円以上の収入も珍しくありませんが、田舎勤めだと、大卒でも出世するまで500万円を超えるような例は少ないと言います。

まぁ、東京と比べると圧倒的に田舎の方が土地代が安かったり、地元食材を安く調達できたりするので、給料が安くても何とか生活は出来ますが、都会人と比べたら給料の絶対額には大きなギャップがあります。

尾鷲だったら、大卒新入社員の基本給なんて15万円がザラですよ。東京じゃ20万でも安いのに…

3、求人がブルーカラー系ばっか

都会であれば、第二次産業~第三次産業が発展しており、色んな種類の仕事があります。

とび職人から世界を飛び回るエリート商社マンまで、あらゆるジャンルの求人が存在します。

 

しかし、田舎の求人を見てみると、基本的にブルーカラーな仕事ばかりが求人票に出てきます。

「コンビニ店員」「建設作業員」「林業作業員」「養殖業」「介護」「刺身タンポポ工場員」などなど…

マニュアル化され、人に指示され、「考えるより身体を動かす」仕事ばかりが大半を占めるのです。

ワンパターンかつ、いわゆる「オフィスワーカー」的な仕事はなかなか望めません。

 

 

はい、これで田舎の就職事情ってある程度掴めたと思います。

こんな状況なので、結果、以下のような問題が田舎の就職には降りかかってしまうのです。

1、仕事が選べない

ブルーカラー系の仕事が大半を占め、残りのオフィスワーク等も、だいぶ種類が少ない。

仕事のバリエーションが少なく、かつ求人数も少ないため、「好きな仕事を選ぶ」ということが難しいのです。

 

好きな仕事を選べなかったらどうするか?当然、田舎を出て都会にエキサイティングな仕事を求めに行きますよね。

世の中には「好きな仕事がない?甘えてんじゃねぇ!」なんて事を言う大人も少なからずいますが、僕からしたら「何を時代錯誤のアホ言ってるんだ」と。

雇用の流動性が高まっていて、かつ国内全体では色んな種類の仕事が溢れている現代においては、むしろ「自分が好きな仕事」を追い求めて、それが出来る職場で働いたりするべきなんですよ。

じゃないと、仕事に前向きになれない=高いパフォーマンスが出せないし、結局すぐ辞めてしまったり心身を病んじゃって、全然得になりませんからね。

 

高度成長期やバブル期は、好き嫌い言わず会社に滅私奉公、ひたすら働いているだけで良かったかも知れません。

でも、今や終身雇用なんて化石化しつつあるし、ソニーやシャープ等が瀕死になっているように、かつて日本の基幹産業だった第二次産業も衰退しつつあります。

そこに代わって、ソフトバンクだの何だの、第三次産業のクリエイティブ産業が発展してきて、働き方は変わった。

 

自分の好きな仕事を選び、転々として、ガンガン考えてガンガン仕事して、世の中に新しい価値を作っていく。

仕事が好きじゃないとモチベーションも上がらないし、新しい前向きな発想もなかなか出てきません。

公務員や昭和の大企業的な「終身雇用の発想」に捉われて、自分の「好き」をないがしろにしてしまえば、なかなかクリエイティブな発想をすることは難しい。

こうしたクリエイティブ産業の受け皿がドンドン増えている今、「好きな仕事がない」と言うのは致命的な訳です。

2、田舎から出られない

ブルーカラー系=現場作業の職というのは、なかなかキャリアに繋がらないパターンも多いです。

例えば、コンビニや居酒屋の店員、工場のライン作業員などは、基本的に「誰でもできる作業」ですよね。

やり方さえ覚えてしまえば、後は体力が続く限り動いていれば何とかなる。

そんな仕事をやり続けて上達したからと言って、店長や工場長より上には基本的にはなれません。

 

だって、「必要なスキル」が全く違うんだもん。

スーパーバイザーだったら、担当地区の店長をまとめ上げ、自分が現場に立たずして各店舗の売上をアップしていく力が必要。

工場を持つ会社本部の生産管理部門に行っても同様に、自分が現場に張り付かずして、工場ごとのアウトプットを最適化して行かなければいけません。

 

これらに必要なのは「マネジメント能力」であって「数値管理・達成能力」であり、知識とノウハウを持って頭をフル回転させなきゃならないものです。

ただ現場でひたすら頑張って、仕事が早いとか、接客が良いとか言っても、そういう能力にはろくに関係してきません。

すなわち、現場作業員は、決して多くの人の上には立てないのです。

 

なので、田舎は「キャリアに繋がる職が少ない」という事に直結します。

キャリアに繋がらない=出世できない、有名企業に就職しづらい、という事になるので、昇給の見込みは低い。

さらに、田舎は元々の給料自体も低いのだから、結局「所得が低いまま労働年齢を終える」可能性も都会より高い訳です。

 

そうなると、家賃が安く、食べ物も安い地元で、安月給で質素に暮らしていくしかなくなる。

東京に出て、ガンガン働いてガンガン稼いで、ザギンでチャンネーとシースーをベータ―するような派手な暮らしは夢見るべくとなってしまうのです。

田舎は給料が低く、全国どこでも暮らせるような所得水準に至り辛く、結果その地域からなかなか出られない。

これは発展途上国と先進国の所得格差と、ほぼ同じことが言える問題じゃないでしょうかね?

つまるところ、「田舎には仕事がない」というのは

「田舎には"ろくに・ろくな"仕事がない」という意味だ、という事でファイナルアンサー。

 

はい。田舎にも、仕事は選ばなければ結構あります

都会からエイヤーで移住してきた人でも、相当なコミュ障とか問題ある人でない限り、問題なく食っていけると思います。

田舎ならではの農業・漁業・林業といった求人もありますし、伝統産業や地元有力企業の求人もあります。

それが魅力に移る人には、田舎での就職と言っても特に問題に感じることは少ないと思います。

 

しかし、あくまでもそれは「選ばなければ」というお話。

結局、地元民は「ろくに仕事がなく」、自分の好きな仕事も選べなければ、給料も安くて将来性に乏しい為、それを嫌がって都会に出ていく人がほとんどなのです。

あるいは、「仕事がない」を真に受けてしまい、地元就職がアウトオブ眼中な人達ですね。

これが原因でどんどん地方からは人が流出している。この問題を、僕達は決して見逃してはいけません。

 

「人口が減って、おらが街がヤバい!衰退してる!」

と考える自治体の人々は非常に多いです。もちろん、尾鷲市も。

しかし、その雇用の問題に触れずして、「楽しいイベント企画しよう」「駅前を再開発して賑わい創出」なんてのをやっていると、結局ムダ金出すだけで終わるのですよ。

地方・田舎の衰退は、雇用の減退による長期的な問題によるものなんだから、そんな一過性のアクションを打ったところで何の解決にもなりゃしないんですわ。

 

だから、衰退した地域を活性化するには、この雇用の問題を改善していくことが一番だと、僕は思っている訳です。

地域内の人にも、地域外の人にも、「ここは(あそこは)田舎だから、仕事は無い」と言わせないようにしなければならないのです。

 

じゃあ、その為に僕達はどういう対策をすべきなのだろうか?

次回に続きます。