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地震、津波、土砂崩れ…不動産投資に必須、「災害リスク」の対処法

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我々の生活と切りたくても切り離せないのが「災害」。

 

2011年の東日本大震災は僕たち日本国民に大きなダメージと衝撃を与えましたが、地球で生きていく以上、こうした自然災害から逃れることはできません。

特に日本は地震大国かつ島国なので、今後もこうした大地震や大津波の被害は襲ってきます。

もちろん、そうなると都市が被災して機能がマヒし、我々の生活が脅かされる危険性も大きいです。

 

こうした災害は、我々の生活はもちろん、不動産投資にも多大な悪影響を及ぼします。

「せっかく頑張って購入した建物が、地震でダメになってしまった…」なんて話も多く、災害リスクは不動産投資の代表的なリスクの一つとして挙げられます。

 

今回の記事では、その災害リスクについて、代表的な事例とリスクヘッジの方法について共有します。

不動産投資で大損をせず、堅実に収入を上げたいと考えているあなた、この記事であらかじめ対策方法を知っておいてください。

 

【もくじ】

 

まずはハザードマップで災害リスクを確認

最初にお伝えしておきたいのは、あなたが投資を考えている地域では、行政が提供するハザードマップを必ず確認しておきましょう、ということです。

ハザードマップとは、地図上に津波、土砂災害、液状化といった災害の危険性があるエリアをマーキングしたものです。

以下、東京23区の地震危険度マップをサンプルとして挙げておきます。

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引用:地域危険度マップ | 東京都都市整備局

こうして見ると、東京23区の地域ごとの地震リスクがどの程度か、ある程度推測することが可能です。

荒川区・足立区・墨田区など、東部の荒川沿いの町は地震によるリスクが高い。一方、都心部や西部の町は地震リスクが低い傾向にありますね。

 

このように、ハザードマップを見ればその地域の災害危険度が分かるため、投資をすべきか否かの判断に役立ちます。

特に、海岸沿いの地域の津波マップ、山が近い市街地の土砂災害マップは必見です。

僕の住む三重県では、津波マップを見ておかないと南海トラフ地震が怖くて投資できません…。

 

不動産投資で考慮すべき災害

地震

地震は日本全国どこでも発生し、我々の頭を悩ませる大きな災害です。

今までの歴史でも、大地震によって多くの建物が失われてきました。倒壊したり、火災で燃えたり、津波で流されたり…。

不動産投資をする上で、地震リスクは最も典型的な災害リスクと言っても差し支えありません。

 

地震で起こりうる被害は、建物の損傷・倒壊、火災の発生、津波の発生、液状化による地盤沈下、インフラの破壊、土砂崩れなど多岐にわたります。

基本的にハザードマップで地震発生時の危険性を調べておくべきですが、自分だけでも投資を考えているエリアの危険性はある程度推測できます。

 

例えば、道路が狭く古い建物が密集している地域は、家屋倒壊や火災のリスクが高い。

埋立地は液状化しやすいし揺れが大きい、山のふもとは土砂崩れの危険がある、などなど。

実際に購入を考えている物件の周辺は、ぜひ自分自身の目で見て災害リスクを想定してみましょう。

 

※耐震強度の説明も合わせてご一読下さい。築古物件は地震被害が怖い。

 

津波

東日本大震災は揺れの大きさもさることながら、被害を甚大にさせたのは何よりも大津波に尽きます。

あの一件以後、日本国民は誰もが津波の恐ろしさを知り、沿岸各地域では防災対策にとても力を入れるようになりましたね。

 

日本は工業化でのし上がった国だけあり、大都市はほとんどが沿岸部に位置しています。

あなたが投資しようと考えているエリアも、ひょっとしたら海に近くて津波の危険性があるエリアかもしれません。

津波は標高や河川の状況などで到達する距離が変わってくるので、これもきちんとハザードマップで確認をしておくべきです。

海から距離があっても、海抜0メートル地帯だったら要注意。愛知県南西部~三重県北東部とかは相当危険です。

 

火災

火災も地震と並んで典型的な災害リスクの一つです。こちらはたいがい自然災害よりも人為災害ですが…

昔の関東大震災でも、地震そのものの被害よりも、地震によって起こった火災による被害が非常に大きかったと言います。

かつての日本はほとんどの建物が木造な上に密集しており、火災にはとても弱かったのです。

 

そうした反省を受けて、都市計画法や建築基準法では防火対策に大きな重きを置いて法規が整備されていきました。

建ぺい率や容積率、接道義務を設けることで建物の密集を解決したり、防火性の高い外壁素材を義務付ける地域を指定したりなどですね。

そのおかげもあって今は昔より断然火災件数は減りましたが、今でも自然災害による被害を補償する保険は「火災保険」という名前であるなど、その脅威はあらゆる部分に影響を与えているのです。

 

土砂崩れ

山に近い場所では、土砂災害も頻発するリスクなので十分に注意が必要です。

特に山の斜面が急な場所や雨の多い場所では地崩れの危険性が高いので、なるべく山から離れた場所の物件を探すことをオススメします。

首都圏は山が少ないのであまり意識しないかも知れませんが、関西や地方都市での不動産投資を意識すると、土砂災害の危険性はしっかりと認識しておくべきです。

 

台風、風災

沖縄から関東までの太平洋沿岸部を中心に、台風での被害が起こるリスクも考慮しておいた方が良いでしょう。

沖縄では頻繁に来る台風の被害を防ぐために、石垣など独特な家づくりが行われてきたのは有名ですね。

台風が起きると、風で物が飛んできて家にぶつかって破損したり、突風で屋根が壊れたりガラスが割れたりという被害が発生します。

また、台風の横殴りの大雨を機に老朽化した屋根から雨漏りが発生するケースもあるので、台風一過後はくれぐれも物件には注意しなければなりません。

 

浸水

海抜の低いエリアや海・川沿い、湿地帯などでは、大雨時などに浸水するリスクも考えなくてはなりません。

床上浸水してしまったら、一気に畳などがダメになって入居者にも大家にもダメージが出てしまいます。

また、床下浸水でも安心はできません。湿った土台にカビが生えたり、腐ったり、シロアリが湧いたりする心配があるため、こちらも修繕が必要になります。

あなたが投資を考えている物件のそばに土のうを蓄えている家がたくさんあったり、水神様が祀られていたら黄色信号です。

 

災害リスクは火災保険で対処しよう

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さて、こうした各種の災害リスクを担保してくれるありがたい存在。それが「火災保険」です。

火災と名は付いていますが、上述の通りその名前は昔の名残で、今では風災、水災などあらゆる災害をカバーしています。

大家としては、火災保険に加入することで数々の災害リスクをヘッジすることができるので、絶対に入っておきましょう。

※物件の借家人も火災保険に加入できますが、大家が所有物件にかける保険とは別です。借家人に加入を義務付ける大家も多いですが(僕もそう)。

 

火災保険でリスクヘッジできる内容の例は以下の通りです(各社プランごとに内容が変わるので注意)。

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引用:火災保険の風災条項で屋根損壊工事費を捻出! - ロイヤルリフォーム千葉

このように、様々な災害リスクからあなたと住宅を守ってくれるほか、盗難などの被害でも補償を受けられるようになっています。

なお、地震やそれに伴う津波の被害については、火災保険とセットで契約できる「地震保険」という制度で担保することが可能です。

 

火災保険の初歩を説明します

保険全般がそうですが、火災保険も初めて加入する時は何だか複雑でよく分からないと思います。

なので、今後物件を購入して火災保険を掛けるあなたのために、さわりの部分だけ解説しておきますね。

 

まず、火災保険には「保険金額(補償額)」を設定する必要があります。これは保険の支払額ではなく、「この範囲まで補償を受けられます」というものです。

例えば、あなたの持つ物件が火災で全焼してしまい、2,000万円の被害を受けてしまったとします。

その際、あなたが保険金額2,000万円の火災保険に入っていれば、保険会社から2,000万円全額の支払いを受けることができます。

しかし、保険金額を1,000万円までしか掛けていなければ、あなたは1,000万円しか支払いを受けることはできません。

また、保険金額3,000万円で加入していた場合は、損害額である2,000万円のみ支払いを受けられる形となります。

 

もちろん保険金額を高く設定するほど保険料も高くなるので、「この物件では最大いくらの損害が出るのか」を考えて、適正な金額を設定しましょう。

 

なお、保険会社に支払う保険料については、上記の「保険金額」に加え、補償の範囲、特約の有無、契約年数、保険を掛ける物件によって変わってきます。

もちろん、補償の範囲が広いほど保険料は高くなり、一括で長期契約を結べば割引がされます。

しかし、物件の規模や構造、築年数などによって保険料が変わるのが火災保険の厄介なところ。この部分について簡単に説明します。

 

物件ごとに変わる火災保険料のしくみ

火災保険は、当然ですがリスクの高い物件=保険会社が支払いを行う可能性が高い物件ほど保険料が上がります。

それはすなわち、鉄筋コンクリート造のマンションよりも木造の住宅の方が保険料が高くなり、築浅よりも築古の物件の方が保険料が高くなる、ということです。

もちろん建物が大きければ大きいほど、また建物評価額や購入額が高ければ高いほど、最大被害額が上がるので保険料も上がります。

そりゃあ木造の方が全焼しやすいし、耐久度も低いし、古い建物だといっそう災害に弱くなってしまいますからね。

 

また、実は都道府県によっても保険料が変わるんです。これも災害リスクの大きさを勘案することによります。

この記事によると、高いところ・安いところで1.5倍も金額に開きがあったようです。以下表を引用。

地域 保険料(年額)
北海道 3,800円
岩手県 4,200円
愛知県 4,200円
大阪府 4,000円
香川県 3,600円
山口県 4,200円
福岡県 2,800円
沖縄県 2,800円

なお、火災保険と同様に地震保険も地域で保険料が変わりますが、こちらも地震に対するリスクの大きさを勘案して値付けされているため、火災保険と同様にはなりません。

 

各社違う保険料…火災保険はどこで加入すべきか

火災保険って、実は各社けっこう価格が違うんですよ。同時に補償内容にも多少の差異があります。

そのため、「どこで申し込めばいいんだ!?」という感じになってしまうのが悩みのタネなのです。

 

当然ながら、支払う保険料は安くできるに越したことはありませんよね。でも、変な保険会社やプランは選びたくない。

そういう時に役立つのが「一括見積もり」です。一括見積もりなら、プランと保険料を比較しながら、あなたの物件に最適な火災保険をチョイスすることができます。

分からないことを分からないなりにずーっと考えている時間はもったいないので、火災保険は積極的に一括見積もりを利用することをオススメします。

以下、大手から中堅までバランスよく取りそろえた「イッカツ」さんのリンクを記載しておきます。火災保険に申し込みたい方はどうぞ。

 

火災保険は不動産投資の強み!

以上、不動産投資に付きものの災害リスクに関するお話をしました。

 

…とは言っても、その他の投資にも災害リスクは付きものです。不動産投資は目で分かるから際立つんですけどね。

例えば株だって、津波で原発が被災した東京電力は紙くず寸前になりましたよね。その一方、復興特需でゼネコンの株は高騰しました。

太陽光発電投資でも落雷や土砂災害で発電設備がダメになる場合もあるし、企業に投資する場合でも、災害で営業が立ち行かなくなる可能性だってあります。

災害リスクはあらゆる投資に存在しており、切り離すことはできないのです。

 

しかし、不動産投資の強みは、それを投資家がリスクヘッジできることです。

株などでは投資先が被災したとしても、投資先は保険金の支払いを受けられますが、それは投資家に還元されるわけではありません。

彼らは事業の立て直しでいっぱいいっぱいなのだから、保険金は全部事業立て直しの費用に費やされますからね。

そうなると、株価はダダ下がりのまま当分戻らないし、企業の当期利益額も減るので受けられる配当も減ってしまいます。

つまり、不動産投資以外の投資では、投資家自身が災害リスクをヘッジすることは基本的に不可能だと言えます。

 

災害は恐ろしいものです。僕達は、津波で大きな建物が全壊するシーンを目に焼き付けてきたと思います。

それは企業にとっても大打撃ですし、もしあなたが借金をして購入した虎の子のアパートを壊滅させられたら、それも大打撃ですよね。

その最悪のシチュエーションでも、しっかりと立ち直ることが可能になる火災保険・地震保険の存在は、不動産投資の大きなメリットであると言えます。

 

火災保険・地震保険は木造一戸建てなら年数万円で済みます。一棟マンションなどでも、ちゃんと年間キャッシュフローの範囲で問題なく支払える額で収まります。

その程度の額はケチらず、不動産投資家なら必ず自身の物件には火災保険と地震保険をかけておきましょうね。

 

 

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