あなたは木造住宅に対してどういったイメージを持っていますか?
人それぞれ好みはありますが、中には木造住宅を敬遠する人もいますよね。
しかし、個人的には投資対象とするなら木造の物件は鉄筋コンクリート造(RC造)の物件よりメリットが大きくてオススメです。
というわけで、この記事では木造物件のメリットと、そうは言ってもデメリットもあるので、それらをまとめてお伝えしようと思います。
マンションに目を向けるか?それとも戸建住宅やアパートを選択するか?あなたの不動産投資に対する判断軸のご参考にどうぞ。
【もくじ】
木造物件のメリット
RC造より物件価格が安い
木造の物件は、マンションによく用いられるRC造と比べて建築費が安いため、必然的に物件価格も安くなる傾向にあります。
特に、築古の戸建物件は新築に比べてはるかに安価ですが、その大体は木造住宅となっています。
木造は住宅における主流で、シェアの大半を占めています。最近は木造以外の住宅も増えてきましたが、まだまだ木造が圧倒的。
供給量が多いことからも木造物件の価格は安くなる傾向にあるのです。
減価償却期間が短い
特に中古物件を購入する際に非常に嬉しいのがコレ。木造の耐用年数はRC造の半分以下の22年です。
減価償却とは、建物の購入価格(土地値は含まない)を残存耐用年数(木造22年ー築年数)で割り、1年ごとに費用として計上することを指します。
鉄筋コンクリート造だと耐用年数が47年。つまり、木造住宅は早いうちに物件の購入額を費用として全て計上できるというメリットがあるのです。
※以下記事でも触れています。マンション投資も考えている方はこちらもご参考に。
なお、残存耐用年数が4年以下の場合、減価償却期間は4年。建物価格100万円の物件は毎年25万円ずつ経費算入することができます。
物件購入後は何かとお金が出ていくので、せめて来年に支払う所得税は抑えたいもの。ゆえに、木造の減価償却期間の短さは不動産投資家にとってかなりありがたいです。
(もちろん、築古のRC造なら償却期間は短いですが、築古は築古なりの賃貸ニーズですからね…)
固定資産税が安め
また、木造物件はRC造に比べて建物評価額が低く出る傾向にあり、ゆえに固定資産税・都市計画税も安くなります。
固定資産税などは建物の築年数が経つごとに安くなっていくため、築50年以上経った木造戸建住宅なんかは、年数千円しか税金がかからないものもあります。
解体費が安い
コンクリートで出来た頑丈な建物よりも、木造住宅のほうが圧倒的に解体しやすいというのは想像に難くないでしょう。
解体費が安いと、物件の処分時にメリットができます。
まず、建替を前提とした「古家付き土地」として売却がしやすくなります。購入側からすると解体費が物件価格に乗っかってくるので、RC造の物件よりも木造物件のほうが購入しやすいですからね。
また、自ら解体して更地にする際も、解体費が安いので楽です。再建築不可の土地を他の用途で再利用する選択肢なんかも取りやすいです。
木造物件のデメリット
防音性が低い
木には振動して音を伝える性質があります。ゆえに遮音性の高いRC造と比べてどうしても防音性が低くなってしまいます。
壁の薄いアパートなんかだと隣人の声や生活音も聞こえてくるほど。僕も以前そういうアパートに住んでいましたが、何かと住みづらいですね。
戸建住宅にしてもアパートにしても、この点で木造住宅を見送る人は確かに存在します。
中古の木造物件を購入する際は、防音性についても気にしておくことをオススメします。
火災保険料が高い
大家には欠かせない建物への火災保険。これはRC造の物件と木造物件では価格が異なり、木造の方が高額になります。
なぜかと言えば、木造住宅の方が火災による被害が大きくなるからです。大きな被害が出る可能性が高いほど保険料が高いのは当たり前ですよね。
今は昔に比べて火災件数は多くありませんが、いざという時の保証のため、例え高かろうと火災保険はきちんと掛けておきましょうね。
火災以外にも「風で瓦が飛んだ」とか「床上浸水した」とか、火災以外の被害でも保険金が下りるので、火災保険は必須です。
※災害の危険性と火災保険の必要性について、以下の記事で詳述しています▼
シロアリ対策が必要
木造住宅で非常に怖いのがシロアリ。実は僕の家にもいるんですが、こいつが巣食うとドンドン家がへたっていきます。
シロアリは床下の柱などを食い荒らして耐久性を大きく下げてしまうので、耐震性の低下や床の凹み、家の傾きなどが生じてしまう危険性があります。
日本でよく遭うシロアリ被害は、主に床下の湿った木材のみを食い散らかす「ヤマトシロアリ」によるものですが、床下から屋根裏の梁までお構いなしに食い荒らす「イエシロアリ」が巣食っていたら非常に危険です。
すぐに家がボロボロになって、放置していたら住めない状態になってしまうので、きちんとシロアリ対策はしておかなければなりません。
シロアリ対策は5年に一回の間隔で行います。シロアリ予防剤を木材に注入するのですが、その費用がなかなか高いのです(㎡あたり2,000円くらい)。
木造住宅の修繕の中で最も重いのがこのシロアリ対策だと思います。シロアリ被害のある中古住宅を購入する際は、リスクの大きさをしっかり認識しましょう。
シロアリの危険性と詳しい対策方法については以下の記事を確認してください▼
初心者には価格の安い築古木造戸建を推奨
以上、木造物件のメリット・デメリットをお伝えしました。
木造住宅はRC造の物件に比べて購入価格が安く、税金面でも利益圧縮効果が大きいため、少額から不動産投資を始める初心者にはオススメです。
築古の木造戸建物件なら、区分マンション並の安値で購入できる物件も多いので、しっかり吟味すれば良い物件が入手できるはずですよ。
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