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「教育困難校」が話題だったので、偏差値38の我が母校を振り返ってみた。

※1/22追記しました

今思うと、良く三年間頑張ったなぁと思います。

こんにちは、すずきです。

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東洋経済でこんなニュース記事を発見しました。

 

「あ、これ、俺が出た高校そのものだ…」

 

 

僕が出た高校は、東京都足立区にある某都立高校。

足立区は都内ではイメージが悪く、「東京のスラム」なんて揶揄される不名誉な街であります。

 

そんな街の郊外に佇む底辺高校=教育困難校で、僕は高校3年間を過ごしました。

入学当時、偏差値は38で入試倍率割れ(受験さえすれば合格できる)。

240人入学した同期のうち、卒業できたのは160人程度という模範校でした。

 

…まぁ~、すごい世界でしたよ。笑 

進学校を出た方にはあまり分からない世界だと思うので、記事の引用をしながら当時の学校生活を振り返ってみたいと思います。

【もくじ】

記事の内容って本当?検証してみた

「こら~!教室に入れ!」

「教育困難校」の授業は、教師のこの声から始まる。チャイムが鳴っても、廊下にたむろしている生徒に向けられる言葉だ。座り込んでまったく動こうとしない生徒を、腕を取って床から引きはがそうとする教師に、「あっ、教師の暴力!」という言葉が浴びせられる。

あー、ほぼ毎回コレです。

クラスの生徒が全員、始業チャイム時に着席している事は三年間で多分一度も無かったですね。

勝手に帰ったり、外に遊びに行ったり、トイレの個室でタバコ吸ってたりする奴も多いと聞きました。

教師が教室に引き戻そうとして、口論になったりどつきあいになったりする時も結構ありましたねぇ…

 

 休み時間の過ごし方についての言及もありますが、めっちゃ的を射すぎてます。

一人の生徒の席の前に数名が集まって、にぎやかにスマホでゲームに興じているグループがいくつもある。

あるあるですね。集まってる割に、皆無言でゲームやってるっていう。笑

あと、当時はスマホが無かったので、そのぶんDSやPSPを持ち込んで遊んだりしてましたねー。

当時モンハンが流行っていたので、授業が始まっても友達と狩りに行く奴らが何人かいました。

ゲームじゃないですが、シートと牌を持ち込んで麻雀したり、黒板とチョークでダーツごっこしたり、とかもありましたね。。。

 

教室の後方では数名の男子が、「うけるんだけど~」と言いながら相手の肩をばしばし叩いて、大声で笑っている。その足元では、まぐろのように伸びて一人の男子が爆睡している。

どっちかって言うと、女子がギャハギャハ騒いで「ウケるー!」って叫んでいた印象です。

男は「だりー」「今日バイトだー」「昨日バイクでさー」「彼女がさー」みたいな話を繰り返している感じ。

 

僕は比較的爆睡マグロ派でした。

 

静かに自分の席に座っているように見える生徒の中には、主題歌を口ずさみながら、「ドラえもん」のキャラクターたちをノートに熱心に描いている男子生徒がいることもわかる。彼は、教室内の喧噪や、教卓に立つ教師の存在を一切気にせず、自分の好きな世界に浸りきっているのだ。

これはまぁ、大学生でも社会人でもある程度やりますよね。僕とか。

 

ようやく席に着かせると、次に出席の確認がある。「教育困難校」では、クラスの全生徒が朝から出席する日は、まず無い。

確かに全出席は無いですね。

というか、欠席かと思いきや「○○は退学になりました」ってアナウンスも珍しくなかったです。

 

自分以外の点呼の際にも、懲りずに何度も元気よく返事をする生徒、本来の席に座らず、他人の席に座っている生徒たちをその都度しかりながら、出席確認は少しずつ進められていく。

あ、これは記憶に無いですね。たまにはあったと思うんですが。

 

授業を開始するまでには、重要な1ステップがまだある。それは、生徒が持っているスマホや携帯電話を集めて、授業時間中保管することだ。生徒に電源を切らせて、カバンに入れさせればよいと思われるだろうが、それができるのは「教育困難校」以外の高校だ。

確かにうちの高校はそういうのしなかったですねー。

授業中に携帯をいじったり、音が鳴ったら注意される程度でした。

回収しようと思ったら、生徒の抵抗で際限無いですからね…

 

教師がおとなしい性格で、怒声を発することができない場合には、ここまでのプロセスで、生徒はコントロール不可能の状態になる。したがって、「教育困難校」での教師の第一条件は大きな声が出せることだ。

大きな声というか、「教師としての威厳」がめっちゃ大事です。

喧嘩みたいですけど、マジで「ナメられたら終わり」です。

いじられキャラとか、女教師(お母ちゃん的に扱われるからだろう)には、学級崩壊を止めるのは難しいですね。

 

さて、次はようやく授業開始だ。ここに至るまで、手慣れた教師がずっと大声で注意をしながらでも10分から20分はかかる。

僕の学校はそこまで酷くはなかったかも知れません。

数分で何とか授業が始まるパターンが多かったです(まぁ、その後でザワザワしてきますけど)。

 

「教育困難校」で、生徒を授業にしっかりと参加させたいと考えている教師は、非常に教材研究に熱心だ。生徒の学力の問題で、一番簡単な教科書でも理解できない生徒が多くいる。教科書が使えないのだから、市販の問題集や参考書もそのままでは使えない。

そうそう。そんな底辺校でも、生徒の心を掴む授業をする先生はいるんですよね。

途中から赴任してきた世界史の先生は、「俺は教科書は使わない!」と宣言し、テストは全部筆記という異色の形を採用していました。

さらに、ドラマティックな授業内容を生かし、ストーリー立てて面白おかしく単元を開設することで、生徒を引き込むことに成功していました。

今考えると、かなりすごい先生だったなぁ。

 

あと、「教科書が理解できない」問題は、特に英語で深刻でしたね。

英語の教科書って、「読めないと話にならない」ですからね…

僕も受験勉強で英語を学び始めるまでチンプンカンプンで、全く授業に集中する事は出来ませんでした。

「a」と「an」の違いすら分からなかったので。

 

しかし、どれほど工夫した教材でも生徒たちを長い時間引き付けておくことはできない。授業の最中でも突然立ち歩く生徒はいるし、授業終了10分前頃になると、多くの生徒は明らかにそわそわしだし、ノートや筆記用具を片付け始める。教員の説明のわずかな間をキャッチして、「せんせー、もう終わりにしようよ~」とむずかりだす。

はい、大抵はこうなります。

一部の教師の威厳を持った優秀な先生だけが、この「終了前の時間」を制圧できるのです。

 

 

以上が底辺校の雰囲気を描いた記事部分になります。

 

記事のまとめに一言物申す

ちなみに、この記事はまとめで以下の記述がなされていますが、個人的にここは疑問点です。

だが、忘れてならないことは、彼らは家庭環境や、学校の教育環境、さらには周囲に気付かれなかった病気や障害などの理由で「教育困難校」に入るしかなかったという点だ。

「入るしかなかった」と言うのは、さすがに断定的な表現ですね。

 

家庭環境が悪かろうが、今までの学校教育が悪かろうが、進学校に行く生徒は行きます。

逆に、公務員一家の恵まれた家庭のはずなのに、底辺校に来ている友達も何人もいました。

 

要は、環境がどうとかって言うより、「今まで授業を真面目に受けてこなかったorこれなかった」生徒が集まるのが底辺校なんですよ(病気や障害でやむを得ず、という人は除く)。

確かに、両者とも家庭環境や今までの教育環境に問題がある例も多いですが、「環境が悪い=底辺校に入らざるを得ない」と言うのはイコールじゃありません。

雑草魂で努力して進学校に入る人っていますからね。

 

で、この記事では、「彼らをこのまま打ち捨てて良いのか?」なんて提言が出されてますけど、別に打ち捨てられている現実って無いです。

単純に遊び呆けてたり、無気力だったりする生徒が多くて、彼らが勝手に堕落してるだけですから。

それに、ちゃんと小売店だの何だの、就職先は見つかっている人が大半だから、全然問題ないですよ。

 

せっかく正社員で就職できても、社会人として必要なさまざまな能力が身についていないので、短期間に辞めてしまう例も多い。

こんな事も言及されていますが、「社会人として必要なさまざまな能力」って何?

大学生だってそんなもん身についてねーよって話で、意見が極端と言うか、想像でモノ語ってる感じがしますね…

しかも小売店とか建築系とか、彼らの就職先の多くを占める現業職って、長く勤める風土じゃ無いですからね。

というか、「長く勤める=良い」って、今の時代そんな価値観崩壊してますよ…

 

僕個人の感想まとめ

まぁそういう形で、記事のまとめは個人的に気に入らないのですが。

僕的に、今回のまとめをすると以下のような感じになります。

 

・底辺校の素行の悪さは記事の通り。偏差値30~40代前半くらいの高校は大体そんなもん?

・基本的に「授業を真面目に受けなかった連中≒努力・忍耐が弱い連中」が入学する

・生徒はヤンキー、オタク、無気力の3つに大別される。例外はごく少数

・学校自体の評判は悪くても、迫害だとか打ち捨てなんてレベルには決して行かない

・大学受験を頑張って有名大学に行く人もいる(大学進学後、周りに何人もいました)

・底辺校卒だからと言って絶望する必要は全く無いし、ゆえに救済の必要もない

 

 

個人的に、底辺高校に通っていた3年間は、灰色…いやブラックな青春でした。

もう二度と通いたくないし、子供にも通わせたくはないです。

 

でも、底辺校だからと言って「打ち捨てられる」ような社会ではないし、生徒は素行が悪かったり無気力なだけで、中身はまともな連中がほとんどです(ガチでお陀仏な野郎も中にはいますが…)。

確かに、偏差値が低い高校の現状を嘆いたり、問題意識をもって捉えたりする視点は必要かも知れませんが、「底辺校=悪、救済が必要」という認識は違うかなと思います。

 

記事のライターさんの情報を見ると、名門大卒の進路アドバイザーさんだそうで。

やはり、実際に底辺校を出た人間と、研究やアドバイスという形で関わっている人とでは、モノの見方や捉え方が全然変わりますね。

ライティングって、そういう微妙な所を把握しつつ、うまく文章を構成するか、無視して自分を出し切るかしなきゃいけない物だなぁ…というのを、この記事を書いていて改めて思った次第でございます。

 

おまけ:偏差値45以下の東京都立高校一覧

僕が通っていたような教育困難校は、当然ながら都立高校だけでも他にいくつも存在します。

(ちなみに、足立区のお隣葛飾区には、ワルすぎて廃校になったと噂の「水元高校」が存在していました。KAT-TUN亀梨の母校)

 

周りの話を聞いていると、都立高校では大体偏差値45以下の高校は教育困難校と言える学校環境なんじゃないかと思います。

実は、これだけの数が存在しています↓

偏差値 高校名 学科・コース
45 小平西高校 普通
45 瑞穂農芸高校 畜産科学
45 総合工科高校 機械・自動車
45 総合工科高校 建築・都市工学
45 総合工科高校 電気・情報デザイン
45 足立西高校 普通
45 第一商業高校 商業
45 都立園芸高校 食品
45 八王子北高校 普通
44 光丘高校 普通
44 足立新田高校 普通
44 大泉桜高校 普通
44 第五商業高校 商業
44 都立農業高校 服飾
44 都立農芸高校 園芸科学
44 都立農芸高校 食品科学
44 都立農芸高校 緑地環境
44 日本橋高校 普通
44 板橋高校 普通
44 武蔵村山高校 普通
43 羽村高校 普通
43 永山高校 普通
43 山崎高校 スーパーイングリッシュ
43 山崎高校 スーパーサイエンス
43 篠崎高校 普通
43 千歳丘高校 普通
43 田柄高校 普通
43 都立園芸高校 園芸
43 都立農業高校 食品科学
43 都立農産高校 食品
43 東村山西高校 普通
43 拝島高校 普通
43 府中工業高校 情報技術
43 淵江高校 普通
43 練馬高校 普通
43 砂川高校 普通
43 八潮高校 普通
42 荻窪高校 普通
42 江東商業高校 総合ビジネス
42 瑞穂農芸高校 食品
42 瑞穂農芸高校 生活デザイン
42 大田桜台高校 ビジネスコミュニケーション
42 第三商業高校 商業
42 第四商業高校 情報処理
42 田柄高校 外国文化
42 都立農業高校 都市園芸
42 都立農業高校 緑地計画
42 都立農産高校 園芸デザイン
42 東村山高校 普通
42 八王子拓真高校 普通
42 府中工業高校 機械
42 府中工業高校 工業技術
42 墨田工業高校 機械
42 墨田工業高校 建築
42 墨田工業高校 自動車
42 墨田工業高校 電気
42 野津田高校 普通
42 六郷工科高校 デザイン工学
41 葛飾商業高校 商業
41 葛飾商業高校 情報処理
41 五日市高校 ことばと情報
41 山崎高校 本科
41 多摩高校 普通
41 町田工業高校 総合情報
41 南葛飾高校 普通
41 府中工業高校 電気
41 野津田高校 体育
41 野津田高校 福祉
41 六郷工科高校 オートモビル工学
41 六郷工科高校 システム工学
40 葛西工業高校 機械
40 葛西工業高校 建築
40 葛西工業高校 電子
40 荒川商業高校 総合ビジネス
40 秋留台高校 普通
40 深沢高校 普通
40 瑞穂農芸高校 園芸科学
40 青井高校 普通
40 大森高校 普通
40 第四商業高校 商業
40 田無工業高校 機械
40 田無工業高校 都市工学
40 六郷工科高校 プロダクト工学
40 橘高校 産業
39 五日市高校 商業
39 多摩工業高校 環境化学
39 多摩工業高校 機械
39 多摩工業高校 電気
39 大山高校 普通
39 田無工業高校 建築
38 一橋高校 普通
38 葛西南高校 普通
38 杉並工業高校 理工環境
37 荒川工業高校 情報技術
37 荒川工業高校 電気
37 荒川工業高校 電子
37 杉並工業高校 機械
37 杉並工業高校 電子
37 赤羽商業高校 商業
37 足立工業高校 総合技術
37 足立東高校 普通
37 北豊島工業高校 総合技術
37 練馬工業高校 キャリア技術
37 六郷工科高校 デュアルシステム
36 蒲田高校 普通
36 中野工業高校 総合技術

引用:http://xn--swqwd788bm2jy17d.net/tokyo.php?k_type=1

工業高校、商業高校や農業高校などの実業高校が目立ちますね。

また、この中にはチャレンジスクール(不登校等の生徒に再チャレンジを促す学校)も含まれています。

僕が出た高校もこの中に入っていますが、同じように普通科の高校もいくつか存在しています。

 

確かに、これだけの数があれば「教育困難校ガー」って問題提起する人が出てくるのも頷けます。

僕としては、教育困難校の存在が特に問題だとは思いませんけどね。

生徒が単に授業を受けて来なかったってだけで、別に犯罪の温床とかになってる訳じゃないし。

それに、僕とかビリギャルみたいに、教育困難校からでもまともな大学に入る生徒も0ではないですからねぇ。

▲本人がやる気にさえなれば、不可能なことなんて滅多にないんですよね。

だから「偏差値低くて素行悪い生徒が多いから、教育困難校は悪」って言うのは、本質的じゃなくて乱暴な見方な気がするんですよ。

むしろ「偏差値低い高校だから」と生徒を一律で見下す、ごく一部の人間の方が遥かに悪ですわ。何が悪いって、性格と頭ね。

 

高校生諸君、偏差値だとか学歴だとか、古い価値観の大人達に惑わされないで、自分の好きなこと精一杯やって人生楽しんだら良いと思うよ。

 

 

じゃあの。

 

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