格安の中古戸建物件を探しているとよく見かけるのが「テラスハウス」とか「連棟」という言葉。
特に大阪府の中古戸建を「価格の安い順」で並べると、最初のほうに何百軒と出てきます。
テラスハウスは価格が安い物件が多いのですが、その分デメリットがあります。
今回は、「テラスハウスって何?」という方のために、テラスハウスがどんなものかといった説明と、そのメリット・デメリットをまとめましたのでご一読ください。
※入居者同士が恋愛するアレではないです。
【もくじ】
テラスハウスとは何か
テラスハウス(連棟・長屋とも言う)とは、一般的に隣の家と壁を共有している住宅のことを指します。
壁のくっついた住宅が、連続して複数立ち並ぶことから連棟とも言われるわけです。
元々は各戸に専用のテラスと庭があることから「テラスハウス」と名付けられましたが、今では単に上記のような意味で用いられることがほとんどです。
築古のテラスハウスは一戸ずつ所有権が異なる「分譲テラスハウス」の形態を取っていることが多いです。
格安中古戸建物件として出てくるテラスハウスは、その「分譲テラスハウスのうちの一戸」という扱いなのです。
※築浅のテラスハウスでは一戸ずつ分譲しない、一棟アパートの形での流通が主流です。
この記事では、格安不動産投資に関心のある方に向けて、価格帯の低い「分譲テラスハウス」を主題として挙げていきます。
テラスハウス物件を買うメリット
価格が安い
テラスハウスは通常の一戸建てに比べて建築費が安く、後述のデメリットもあるため、普通の一戸建て物件よりも何割か安く購入することが可能です。
築古物件だと特に値下がりが大きく、大阪市内でも300万円以内で購入できる物件も珍しくありません。
一人暮らし用の区分マンションと同じくらいの価格帯で、より長い入居と高い賃料が見込めるファミリータイプの物件が入手できるのはやはり大きいです。
当然、表面利回りは高い数字が見込めるので、リスクをきちんと勘案した上であれば良い投資ができる可能性が十分にあります。
テラスハウス物件のデメリット
ここが本題です。格安の分譲テラスハウスはデメリットが大きく、きちんとリスクヘッジを考えないと痛い目を見る可能性があります。
きちんとデメリットを把握した上で投資を考えられるよう、一つひとつ学んでいきましょう。
再建築が困難
テラスハウスは隣の家と壁を共有している都合上、自分が所有している建物だからと言って、勝手に建物を解体・再建築することができません。
テラスハウスは区分所有建物なので、他のテラスハウスの住人、最低でも隣人の合意を得なくては解体できないのです。
テラスハウスの一戸を解体するとなると、物件を建築した際の構造をいじる事にもなるので、家の耐久性の問題や雨漏りの懸念も生じてきます。
また、連棟の一箇所だけが道路に面している形式のテラスハウスも存在します。
その場合、道路に面している部屋だけが再建築できる可能性があり、その他の部屋は接道がなく再建築ができない形になります。
たとえ許可を得て自分の所有する棟を解体したとしても、再建築ができないと本末転倒です。
こうした事情もあり、分譲テラスハウスは再建築不可の物件が非常に多いのです。
近隣との問題が起こりうる
テラスハウスは隣同士の家で壁を共有するという構造の関係もあり、防音性は通常の戸建物件に比べて劣ります。
元々遮音性の低い木造住宅であれば、アパートと同じように、隣人の生活音や声が聞こえる状況にもなり得ます。
そんな遮音性の低い物件には人は入居したがらないので、必然的に人気も募集賃料も通常の戸建よりは劣ってしまいます。
また、テラスハウスは壁だけでなく、屋根などもずーっと繋がっている物件が珍しくありません。
そういった場合、たとえば屋根の葺き替えの必要性が生じた時が厄介なのです。
4棟あるうち2棟は屋根の劣化が原因で雨漏りに悩んでいるので、早く葺き替えたい。
しかし、残る2棟は特に問題がないので、わざわざお金を出して葺き替えることは拒否している。
そうなった時、雨漏りのある2棟が葺き替えを強行することは困難です。たとえ強行するにしても、4棟分の屋根葺き替え料を2組で負担する形になってしまうでしょう。
分譲テラスハウスは、投資する側も住む側も、マンションやアパートのように簡単ではないのです。
安い物件には裏がある、ということを常に肝に銘じておきましょう。。。
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