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一皿100円の回転寿司と、一貫1,000円の高級寿司の違いとは?

どうせなら高級な寿司屋で目いっぱい食べてみたいですよねぇ…

こんにちは、すずきです。

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寿司の価値って、一体何だろう

先日、「なるほどな」と思った話があったのでシェアします。

 

寿司屋って、一皿100円の回転寿司もあれば、銀座久兵衛みたいな超高級店もあるじゃないですか。

一方は一貫50円、もう一方は一貫1,000円以上するのだから、20倍以上の価格差です。

 

もちろん一貫の量が断然違うという訳ではない。

むしろ、安い寿司屋の方がやたらネタもシャリもでかい場合もあります。

 

ネタの質はもちろん全然違いますが…

 

いや、それにしても高くない?

ぼったくりなんじゃないの?

 

 

という訳で、今回は寿司を題材に「食べ物の価値」について考えてみます。

食べ物(商品)の価格はどうやって決まるか

実は、この基本的な部分を紐解くと、答え自体は簡単に見つかります。

 

まず、食べ物(商品)の価格を決める要素の一つ目。

それが「原価」です。

 

商品の「原価」とは?

原価とは、食材の仕入れにかかった費用はもちろん、職人の人件費、調味料、皿など、「その商品を提供するのに要した合計費用」を指すものです。

寿司であれば、ネタ、シャリ、わさび、醤油、職人の給料等々が該当します。

 

もちろん、寿司の場合、ここで一番大きなものは「ネタ」でしょう。

良いネタを仕入れようと思ったら、それだけお金がかかりますからね。

 

例えばブリを、いつ水揚げされたかもよく分からん外国産の冷凍サクで仕入れるのか。

それとも、氷見や尾鷲といった産地から直送の、当日水揚げの新鮮な状態で仕入れるのか。

明らかに後者の方が美味しいはずですが、お値段もより高く付く可能性は高いので、そうなると当然寿司の原価も上がります。

 

こうして仕入れ等様々なコストを積み上げた「原価」が分かれば、基本的に会社は利益を出すために、商品を原価以上の価格に設定しなくてはなりません。

こういった形で、原価は値段設定に大きく影響を与えるものの一つなのです。

 

需要(ニーズ)も価格に影響 

そしてもう一つが「需要(ニーズ)」です。

 

社会科や経済学で学んだ通り、市場の価格というのは「需要と供給のバランス」で決定されます。

その商品に対する需要が高ければ(欲しい人が多ければ)、価格は上昇。

また、供給が少なければ、なかなか手に入らないので価格は上昇します。

逆に、需要が低ければ価格は下がるし、大量供給の場合も値下がりしていきます。

 

しかし、寿司の場合、同じ「寿司」の中で大きく値段が異なっている。

実は、そこを紐解くカギが、「食べ物の価値はどう決まるのか」という今回のテーマの最も大きな答えです。

 

 

なぜ高級な寿司屋が一貫1,000円以上もお金を取れるのか?と言うと、ズバリ「需要が大きく、供給が少ない」からであります。

 

これだと「え?訳わからん」と思われるはずなので解説します。

 

高級寿司屋が回転寿司より遥かに高い理由

高級寿司は、そのクオリティを上げる事で、需給のバランスを変え、価値を創り出しているのです。

 

「需要が大きく、供給が少ない」という事はつまり、「多くの人々に必要とされる、他にはなかなかない希少なもの」であると言えます。

高いクオリティで多くの人々に支持される一方で、「その店でしか出せないモノ」を生み出しているのです。

もっと言えば、「他では出せない、当店ならではのハイクオリティ」を突き詰めるという事です。

 

それは、例えば「こだわり抜かれた寿司ネタ」だったりします。

名古屋の名店が「うちは三重の尾鷲から、その日に揚がった最高の魚しか使いません」とか。

あるいは、銀座の超名店や、国内有数のホテルで修行した職人が作る寿司であるとか。

醤油だけじゃなく、こだわりの岩塩とか、レモンとか、ネタに応じた最高の食べ方を提供する店だとか。

お店の空間づくりにとことんこだわり、そこで食事をすることに感動してもらえる店であるとか。

 

そういう事で唯一無二の価値を生み出し、お客に支持される。

それが価格に転嫁されて、久兵衛とかは超お高い寿司を提供しているのです。

 

名店は、需要が供給を上回っている状態だから、一貫1,000円以上しても全然売れるという事です。

味が良いのはもちろんの事、それ以上の価値を提供しまくっているから、妥当な値段なんですね。

 

これこそがまさしく「ブランディング」じゃないでしょうか。

「唯一無二の価値ある商品を作り、利益を最大化する」ということ。

 

各地方の特産品開発の際によく出る「ブランディング」という言葉は、果たしてこうしたニュアンスを捉えているのでしょうか?

 

まとめ 

以上、食べ物の価値とは何なのか、紐解いてみました。

 

要するに、100円寿司と高級寿司の違いとは「需要と供給のバランス」です。

もっと言うと、「他では出せない、そこならではのハイクオリティ」があるかどうかの違いなのです。

 

そのお店には、一貫1,000円でも「行って食べたい」と思わせる価値があるか?

それとも「一皿100円?味はともかく、腹いっぱい食べよう」と思われるだけなのか?

 

そこを意識するだけで、あなたのお店や企業の商品価値を上げるヒントが掴めるのではないでしょうか。

 

 

ちなみに、僕の周り(尾鷲)でそうしたブランディングされた一例を取り上げてみると…

 

【九鬼の食堂「網干場」】

・「集落に飲食店を復活させる」という開業物語がメディアで話題を呼んだ

・尾鷲で揚がった新鮮な魚定食をお値打ちで提供するハイクオリティ

・TVで話題に火が付き、人口450人程度の漁村集落に数十人待ちの大行列が!

 

【尾鷲ヒノキ】

・雨が多く、やせた土壌の尾鷲の山でたくましく育つ

・年輪がきめ細かく、硬くて頑丈なので建材に重宝される

・「阪神淡路大震災に遭っても、尾鷲ヒノキで造られた家の被害はほとんど無かった」という逸話でブランド化

 

この他にもまだまだ色々。

 

あなたの身近にも、良くブランディングされた物があるかと思います。

探してみると面白いかもしれませんね。

 

 

じゃあの。