かねてより検討されていた「全国版空き家バンク」が、昨月末よりベータ版を公開しました。
※過去記事はコチラ▼
当初予定では9月スタートということでしたが、予定を少々遅れての立ち上げとなっています。
また、元々は「LIFULL HOME'Sと共同で」というお話でしたが、いつの間にやらアットホームも全国版空き家バンクのプラットフォームを提供する形となっています。
空き家バンクは、全国の空き家問題に悩む田舎町の空き家物件を直接取引してもらうための情報発信プラットフォームです。
僕が 現在所有している2棟の物件は、空き家バンクで発掘・契約を締結しています。ですので、全国版空き家バンクは投資用物件探しに使えるポータルサイトとしても期待が持てそうです。
以下現在の状況をまとめますので、参考にしてください。
【もくじ】
LIFULL HOME'Sの空き家バンク
https://www.homes.co.jp/akiyabank/
シンプルで見やすいインターフェイスになっています。先週見た時に比べてだいぶ見やすくなっている気がしますが、まだまだ改良中ということですね。
物件数や参加自治体数はまだまだ少なく、関東では埼玉県に7物件、近畿では大阪府11物件、奈良県4物件といった形です。
僕、実は空き家バンクの中の人(市の運営側)をやっているので状況は分かるのですが、今は各自治体がHOME'SやアットホームのCMSにデータを入力している最中なんですよね。
なので、もう少し時間が経てばだんだんと物件数や参加自治体数は増加していくはずです。
アットホームの空き家バンク
何だろう、この素人が間に合わせで作ったような見た目は。
LIFULLのように地域を先に選ばせる形ではなく、通常の不動産サイトのように「購入・賃借」および「戸建」「土地」「マンション」といった物件種類から選ばせる形となっています。
築古戸建物件が物件情報の9割以上を占める空き家バンクの実状にそぐうインターフェイスでは決してなく、このままだと利用する価値はあまり見出せません。
というのも、自治体側にとってはLIFULLもアットホームも掲載条件は変わらないので、より問合せ件数が多くなるポータルを使うようになり、結果としてLIFULLに物件情報が集まる可能性があるからです。
参加自治体数も11月1日時点ではLIFULLの半分程度しか占めておらず、やはり大手と中堅の実力の差はこういう部分に現れているのかもしれません…。
自治体側への配慮やCMSの使いやすさはアットホームのほうが上みたいですが、肝心のサイトUIがこのままでは、物件を探すための利用価値もあまり無いですね。
空き家バンクで物件を探すメリット
空き家バンクの物件は田舎にある築古物件がほとんどなので、投資対象になりえる物件数は少ないです。
ですが中には三重県四日市市や大阪府高石市など、ある程度の規模を持った地方都市も空き家バンクに参加しているため、投資対象になり得るエリアの物件も存在しています。
空き家バンク一番のメリットは、通常のポータルサイトで探す物件よりも素人値付けによる激安物件を発掘できる可能性が高いことです。
もちろん住宅地として人気のないエリアの物件が9割以上を占めるのですが、予想される空室リスク以上の非常に高い利回りを期待できる物件もあるかもしれません。
事実、僕が保有している物件は表面利回り40%台・実質利回りでも30%程度を叩き出します。空室リスクや修繕リスク、借地権という諸々のリスクはありますけどね。
また、通常のサイトではなかなか見つけられない、築60年を超える古民家の取り扱いも多いです。
「古民家カフェや宿泊施設など事業用に使える物件が欲しい」というニーズにも、空き家バンクは使える可能性があります。
もちろん、空き家バンクは「空き家の流動化」というのが主目的な以上、使用に値しない物件も多いので大きな期待はしない方がいいですが、不動産投資としても一つの選択肢にはなり得ると思います。
築古戸建物件に投資している方であれば、普段の物件探しのかたわら、思い出したらちょっと見てみる程度で良いかもしれませんね。
【次はこの記事もオススメ】
⇒空き家バンクで取り扱っている築古物件には、トイレが汲み取り式のものも多いです。汲み取り式は賃貸ニーズが無く、水洗への改修費用も高いので注意が必要です。
⇒また、築古物件は再建築不可のものも多いです。接道が無かったり道路扱いでなかったりするので。
⇒そして雨漏りなどしている物件も多いです。現況をよくよく確認した上で、ガンガン指値しても良いかもしれませんね。