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山本地方創生大臣「稼がない地方は応援しない」⇒俺「よく言った」

山本幸三地方創生相の発言が一部で取りざたされています。

山本大臣は「(地方は)稼がなければだめだ」と言った上で、「稼ぐことに頑張ろうという所はどんどん応援し、そうじゃない所は(応援)しませんということだ」と言い放った。まあこれは、失言でも何でもなく、山本大臣の本心だろう。

 過疎化など自力で解決し難い問題を抱える地方には何とも冷酷な発言だ。

 国家戦略特区諮問会議で竹中平蔵氏らと同じ空気を吸う中で、弱者切り捨ての思想が身についたのだろうが、地方創生大臣なら「そうじゃない所も頑張れるようにする」だろう。山本大臣はもっとも地方創生大臣にふさわしくない人物だ。

大臣自ら「稼ぐ地域は応援するけど、稼いでいかない地域は応援しない」とズバリ発言。

こいつが物議をかもしているわけですが、僕はこの発言に大賛成です。

地方創生加速化交付金だとか、存在意義の大してない団体への補助金・助成金に使われるような予算はほぼ全てカットすべき。

地域が稼げないから衰退していって、今田舎が虫の息だからと地方創生を旗揚げしてるんじゃんか。

 

おさらい:田舎の衰退はなぜ起こったか

田舎が衰退した原因を考えてみると「稼げない地域はダメ」という理由はよく分かります。

衰退の原因とはすなわち「地域の主要産業の衰退」ですよ。

以前は良かった農業・林業・漁業といった第一次産業が今ではことごとくダメになり、それらの産業に頼っていた田舎町は一気に働き口と住民の所得が減少、人口流出へと繋がっていったわけです。

僕の住んでいる三重県尾鷲市は昭和以前に林業と漁業(あと火力発電所)で大きく栄えましたが、今じゃピーク時から人口も半減して過疎地域指定ですわ。

 

地域に魅力的な仕事≒給料の良い仕事が無ければ、住民はそれを求めてどんどん都会へ出て行ってしまうんです。

東京都民が「やりがいと給料を両立したい」と思って働きに出る先は、当然東京都心です。

田舎に出てまで働きに行こうと思えるのは、山梨のファナックとか全国でもたった数社くらいしか無いです。

田舎は「給料は少なくていいから、とにかくやりがいを!」と求める非常にニッチな層しか、仕事で新たに人を呼ぶことはできません。

大人の生活の半分以上を占める「仕事」の魅力に乏しい=地域が稼げていないがゆえに、田舎はこうも衰退してるんですよ。

 

「地域が稼ぐ」ってどういう意味?

これをよく理解してない人もいると思うので。

自治体も会社と同じです。自治体が税収増やして黒字幅を拡大していくこと、それが「地域が稼ぐ」ってことです。

財政破綻した夕張市が今何をやっているかって言うと、税収増のための増税ですよ(重税でさらに市民が流出してヤバい事になってるけど)。

※夕張市の失敗については以下の記事を参照▼

自治体が稼げる税収は「住民税」「法人税」「固定資産税」「自動車税」などです。

自治体はこれらの税収を増やすために、企業誘致をしたり、移住施策を始めたり、アホなのは公費で変な再開発マンションやビルなんか作っちゃうわけです。

 

あともちろん、黒字幅拡大のためには支出を圧縮するのも効果的なので、事業仕分けやコストカットも言わば「地域が稼ぐ」行為の一つです。企業のリストラと同様です。

どこの国の人かよくわからん蓮舫氏がかつて「二位じゃダメなんですか?」とのたまったのも、国がコストカットへ踏み切ったからですね。

しかし、このコストカットの方が税収を増やすより圧倒的に「地域が稼ぐ」ことに繋げやすいのに、実施している自治体がクソ少ないのがダメな所なんですよね。

※財政が日本ワーストクラスに悪かった奈良県御所市が数少ないコストカットの成功例だそうです▼

 

地域が稼げないとどうなるの?

地域が稼げないということは、最も大きな税収源たりうる地元企業が弱いということ。地元企業が弱ければ働き口も少ないので、人口は仕事のある外部へ流出します。

また、自治体にお金が無いので行政サービスも低下しますし、夕張市のように住民税などが値上がりする可能性もあります。住民が住みづらくなるわけです。

 

会社であれば、社員が働きやすくなるための福利厚生やCSR活動は、会社の利益からその費用が捻出されますよね。

自治体も一緒で、無い袖は振れんのです。自治体は赤字国債という錬金術が使えませんからね。

なので本来、自治体が道路整備や福祉など「赤字しか出ないけど必要な事業」を行うには、何とか黒字を稼いでいくしかないんですよ。

 

夕張市は今や住民税も高いし、救急病院も公立病院の倒産で消滅。公務員の待遇も劇的に悪化して退職者続出…という世紀末状態になりました。

会社は倒産したら取締役や投資家が損失の責任を負いますが、夕張市の場合は放漫経営を続けていた元市長や議会らは負債を背負わず、今も市内に残る住民達に負債のツケを押し付けているのです。

地域が稼げない=赤字垂れ流しの状態になると、程度の差こそあれ、どんな自治体も夕張のようになっていくんです。

 

僕も稼ぐ地域だけ応援します

…というわけで、僕も「稼ぐ地域だけ応援します」。もちろん、地域が稼ぐための「民間が稼ぐビジネス」を作ることにもコミットし続けますよ。

僕的には、山本大臣の発言は失言でも何でもなく、「よく言った!」という感じです。ぜひ有言実行の政策を取って頂きたいと思います。

もしかしたら、地域おこし協力隊の制度も無くなるかも知れませんがね…。

それはそれで日本が「稼げる国家」になる正しい政策の一つとは思うので、悲しいが受け入れますけども。

 

とりあえず、「稼げてない民間を公費で支援する」「利益を生まない『まちづくり団体』に補助金を交付する」「金で移住者を呼ぶ」などなどの愚策を、自治体も取りようがないような予算編成にしてほしいです。

地方の中核市だろうが過疎地のド田舎自治体だろうが、公費で甘やかしてたら経済体質が育たないからね。補助金ズブズブ&既得権益祭りの農業・漁業って再生してる??

 

自治体には、奈良県御所市のようにズバーンとコストカットを行って財政の健全化を図った上で、きちんと利益が出る=投資回収ができて黒字も出る仕組みを地道に作っていって欲しいですね。

 

 

じゃあの。

 

P.S.

地方創生の話題のたびに口すっぱくオススメしていますが、木下斉氏の本は、上記の考え方が地方創生に必須であると分かる必読書です。

やる気のある自治体職員、国家公務員、地域おこし協力隊、地方創生に挑むビジネスパーソンは必ず読むべき。

▼一番有名&売れた書籍。サクッと読めてドカンと衝撃。

稼ぐまちが地方を変える 誰も言わなかった10の鉄則 (NHK出版新書)

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その他の本は「稼ぐまちが地方を変える」と重複部分が多いので、買わずとも借りて読むくらいでも問題ないと思います(僕は全て買いましたが)。

地方創生大全

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まちで闘う方法論:自己成長なくして、地域再生なし

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まちづくり デッドライン

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