「金持ち父さん 貧乏父さん」の著者である投資家、ロバート・キヨサキは、人がお金持ちになるための考え方の一つにこんなことを述べています。
・「お金を作るためにはお金が必要」という考えは間違っている
・お金持ちになりたいなら、お金に関する語彙が必要だ
僕達はどうしても、「大きなお金を稼ごう」と思ったら、お店や会社の開業資金が必要だとか、不動産を買う元手が必要だとか考えてしまいますよね。
ですが、キヨサキ氏はそれが正しい考えではないことを指摘しています。
彼は、「お金を稼ぐのに必要なのはお金ではなく、お金に関する語彙だ」というふうに発言しています。
果たしてこの言葉はどういう意味なのでしょうか?
お金持ちになりたいあなたに、知識をシェアしたいと思います。
語彙が知識を生み出す
キヨサキ氏の言う「お金に関する語彙」とは、「お金を生むビジネスや投資に関する語彙」を指します。
たとえば…レバレッジ、スプレッド、キャッシュフロー、キャピタルゲイン、減価償却、不動産証券化、信託受益権などなど。
日常の会話では使わないが、お金を生み出す活動に必要な言葉の意味をたくさん知ることがまず必要なのです。
アメリカでも日本でも、義務教育の学校では生徒たちに「お金に関する教育」をすることはありません。
なので、高校生に対して「銀行にお金を預けているだけで損するのはなぜ?」と聞いたところで、正解を言える人は百人に一人いるかどうか程度でしょう。
むしろ高校生のみならず、僕の周りの大人達でも、ほとんどの人がその質問に対する答えを知りません。あなたの周りもそうじゃないですか?
今の日本の教育からすると、人は自ら積極的にお金に関する知識をインプットしない限り、いつまでもお金に関して疎いままなのです。
もちろん、お金に疎ければお金持ちになれるわけがありませんよね。
オフサイドを知らない人が、そのままだとプロサッカー選手になれないのと同じです。
そんな状況を打破するための知識になるのが、一つひとつの専門的な語彙なんです。
英語を勉強したことがある人なら分かると思いますが、お金に関する語彙も英語の語彙も感覚はほとんど一緒です。
英単語帳や熟語帳の内容を覚えれば覚えるほど、長文が読めるようになって試験でも高得点が取れるようになりますよね。
それと同じで、お金に関する語彙が増えれば増えるほど、様々なビジネスや投資が意図するところやその性質、期待できるリターン、想定されるリスクなどが分かるようになってくるのです。
ただ、お金に関する知識は今まで馴染みがなく、かつ言葉が複雑&範囲が広くて受験英語よりも取っつきづらいという差がある程度なのです。
語彙は知識を生むので、キヨサキ氏は「語彙を学べ」と言っているのです。
お金に関する知識がなければ、いくら手元にお金があっても、それをガツンと増やしてお金持ちになることはできません。
言葉が考えを作る。それが金持ちへの第一歩
人は自分なりに様々な語彙を蓄えることで、日々発する言葉も変化してきます。
不動産会社で働いていれば不動産に関する語彙が蓄えられます。
そういう人は、マイホームを購入する時に「貸したら〇万円くらいかな」「修繕履歴はありませんか」「隣地への越境部分はありませんか」など、不動産業者の専門的な語彙を使って会話を繰り広げます。
また、普段でも住宅に関する話、投資に関する話、住みたい街ランキングの小ネタなど、不動産に関する話題が人より自然と多くなります。
同じように、サラリーマンは「給料入った!」「今年は2,000円昇給した!」「クソ課長死ねや」「夢じゃ食ってけないよ」なんて言葉が目立ちます。
フリーランサーなら「いい報酬の仕事を見つけた!」「入金確認できた!」「また要件変更かよダボが」「毎月給料貰えるのが羨ましい」。
公務員は「一生安泰!」「規則なので守って下さい」、そして起業家なら「上場するぞ」「新規事業立ち上げる」「社員が辞めてく…」というような言葉を使います。
環境が違えば言葉が違う。そして、言葉が違えばその人の考え方も違うのです。
言葉というのは人を写す鏡で、その人の発する言葉からは価値観や考え方が分かり、また人は自らの言葉によって自分自身を作り上げていきます。
サラリーマン的発言をする人はやはりサラリーマン的な考え方を持った人であり、サラリーマン的発言をすることで一層その人はサラリーマンに染まっていくのです。
発する言葉を変えれば、人も変わる
しかし、それは裏を返せば「自分が理想とする人物像が発する言葉を発すれば、自分が理想的な人間に近付いていく」ということでもあります。
もしあなたが「起業家になりたいサラリーマン」だとしたら、サラリーマン的な給料や上司の愚痴の話ではなく、経営目線での会社の問題点や自分のキャリアビジョンといった話を意図的に増やすことで、少しずつその人物像に近付いていけるんです。
これは嘘のような本当の話。自己啓発本や心理学の本にもほぼ必ず書いてありますが、これが「すり込み」のパワーです。
…しかし、キヨサキ氏が言っていることはちょっと違います。
キヨサキ氏は、あくまでも「語彙を増やす」ことに重きを置いています。語彙が増えれば、本質的に言葉も変わってくるのです。
というのも、語彙を増やすというのは、意識的に専門的な言葉の意味を覚えていくことに他なりません。
それは専門知識が付くこととイコールなのはもちろん、自分自身が本気でその方向に向いている表れでもあります。
つまりキヨサキ氏は「無理にでも発言を変えて自分を変えろ」というのではなく、「お金持ちになるには、そのための勉強を絶やさず知識とマインドを身に付けなさい」ということを主張しているのです。
不慣れなことへの知識を付けるには、本気でなければいけない。そして、知識がなければ決してプロにはなれない。
お金持ちになるのは簡単ではないからこそ、キヨサキ氏は「語彙がお金を生む」ということを強調しているのです。
不動産投資で成功したかったら、不動産の語彙を付けよう
不動産投資も当然、勉強が必要です。きちんと勉強しなければ、大金を損して終わってしまいます。
中には地主の無知に付け込んで、賃貸ニーズの乏しいエリアにも関わらずアパートを建設させ、自分達ばかりが得する悪質なサブリース契約で稼ぐ業者もいます(しかも大手)。
他にも、素人相手に仲介手数料を規定以上にぼったくったり、修繕会社の手配などで激しい中抜きをする管理会社がいたりなど、不動産業界は悪徳業者も多いのです。
しかも、そういう悪徳業者の中には罪の意識が無い人もいるので厄介です。それだけ昔の不動産業界はブラックな慣習で支配されていたのです。
そんな悪徳業者にだまされない為には、何と言っても不動産の知識が欠かせません。
仲介手数料の上限などなどを規定した宅建業法や、契約や権利関係に大きく関わってくる民法、都市計画法や建築基準法、税務や会計etc... 様々な分野の語彙が必要になってきます。
しっかり覚えるのは大変ですが、それでも覚えていかなければ、あなたは不動産投資で成功することは難しいでしょう。
もちろん、不動産投資は収入を生む投資なので「お金に関する語彙」の中にも含まれています。
あなたは不動産投資をしっかり勉強・実践することで、「お金に関する語彙」の一つの分野を身に付けながら、不労所得を積み上げていくことができるのです。
あなたも不動産投資をしたいと考えるのならば、お金持ちになることにはきっと興味があるはずですよね。
ぜひ、不動産投資だけでなく、お金に関する語彙を積極的に増やしていってはいかがでしょうか?
手っ取り早いのは、やはりロバート=キヨサキ氏の著作を読むことだと思います。
なお、今回のお話は以下の書籍から引用しました。
改訂版 金持ち父さんの投資ガイド 入門編: 投資力をつける16のレッスン (単行本)
- 作者: ロバート・キヨサキ,林康史(協力),今尾金久(協力),白根美保子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2014/03/24
- メディア: 単行本
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