どれくらいヤバイかっていうとマジヤバイ。
こんにちは、すずきです。
尾鷲市の年間降水量は約4,000mm
尾鷲は日本でも有数の多雨地帯で、年間降水量は東京の2倍以上にもなるのです。
恐ろしいことに、3月~11月にかけて、全ての月で東京の9月の降水量より多いんですよ。
でも一方、日照時間は東京より長く、意外と晴れ間は多いのです。
【参考】1981~2010年 気象庁統計 ※Wikipediaより
? | 年間降水量 | 平均月間日照時間 |
東京都区部 | 1,528.8 | 1,881.3 |
尾鷲市 | 3,848.8 | 1,952.5 |
つまり、これから分かることは、「尾鷲は降る時にドッと降る」ということです。
何でも「尾鷲の雨は下から降る」という言葉もあるそうで、これは「雨があまりに激しいので、コンクリートに強く跳ね返っていく」様を表すものだそうです。
実際、今日も雨が降っているんですが、東京では確実にどしゃ振りと言われるクラスです。
しかし、尾鷲にとっちゃこれが普通…誰も気に留めない程度の強さなんです。
なぜこんなに雨が強いかと言うと、尾鷲の「急峻な山と、太平洋に囲まれた地形」が影響しているそうで。
海から吹き付ける湿った風が、急な山々に阻まれて水蒸気として溜まり、それが雨粒となって一気に降るのだそうです。
確かに、尾鷲を出る時は、北も南も600m級の山のふもとにある急な峠を越えなければいけません。
そして西側は紀伊山地。1,000m級の山々が連なり、日本有数の秘境である、奈良県・吉野地域の村々が点在します。
市街地から辺りを見回すと、海・山・山・山という、最高にわかりやすい風景が広がるのです。
そんな風光明媚な尾鷲ですが、その地形の影響で、ものすごい雨が降る訳ですね。
ピーク時はこんな感じが続くようです。
引用:http://owase.exblog.jp/8636306
尾鷲の豪雨は街に恩恵をもたらす!
まぁ、こんだけ大量の雨が降ると、確かに過ごしづらいところではあります。
僕も地域おこし協力隊として市役所に配属されてすぐ、「長靴買わなあかんで!」と言われましたからね。
スーツ勤務の人は、革靴はすぐダメになるから、量販店で安物を買うくらいらしいですよ。
けど、そんな激しい雨が、尾鷲に恵みをもらたらしている部分もあるんです。
豪雨が、尾鷲名産「尾鷲ヒノキ」を育む
尾鷲はかつて林業でも栄えた街で、特にヒノキが有名です。
尾鷲の山は急斜面で、かつ豪雨によって土壌は痩せているという、木々にとっては非常に厳しい環境です。
その中でも強かに育ったヒノキは、強く、そして朽ちにくいという特徴があるんです。
関東大震災の時には、尾鷲ヒノキを使って建てられた住宅の倒壊が少なかったそうで、そこで尾鷲ヒノキの名が知れ渡る事になったそうです。
現在では、質の高い建材として用いられている他、市内にはヒノキの木工製品を買える店なども点在し、まちおこしの一つの武器としても重要な役割を担っています。
中には、一つ数万円もする特上の曲げわっぱを作る「ぬし熊」というお店も存在するほどです。
ちなみに、尾鷲や隣の紀北町の公共施設には、やはり尾鷲ヒノキがふんだんに使われています。
市街地のはずれに位置する熊野古道センターは、ヒノキを全面に押し出した、開放感のある造りの文化施設です。
高い天井とゆとりのあるスペース。来客者一人あたりの空間はとっても広々としています。
だから、ヒノキの匂いと熊野の伝統をゆっくりと楽しめる、とってもきちょうでありがたいしせつなんですよ。
他にも、多量の雨が山々から一気に海へ栄養を運んでくる為か、漁場にも良い影響が出ているらしいです。
漁業が栄えているのも、雨が支えているのかもしれませんね。いまいち確証のある情報が見つからないですが。
あと、豪雨にも耐えられるよう、尾鷲の傘は骨が通常より多くなっています。
ゴツくて、ガッシリしていて安心安全。たまに東京でも骨の多い傘は見かけますが、昔はもっぱら尾鷲傘ばかりが骨の多い造りだったみたいです。
もうちょっと尾鷲傘の知名度、上がってもいいと思うんだけどなぁ…
尾鷲ヒノキを使って、和風な趣のある傘にして、ブランディングしてやったら売れないですかねぇ。
尾鷲にいる以上、雨とはうまく付き合って生きていきたいと思います。
建物の中から見ている分には、豪雨ってなかなか見応えがあって好きなんですけどねー。
じゃあの。