先日、「中流サラリーマンの税負担が増える一方、高所得者の税負担は増加していない」という事実を記事にまとめていました。
今回はこれにさらに補足をしたいと思っています。
「富裕層と呼ばれるレベルの高所得者は、所得税が増税になってもあまり大きな影響は受けない」という事実についてです。
この記事を読んで、あなたはもしかしたら「金持ちはけしからん、ふざけるな」という感情を持つかもしれません。しかし、それは推奨する考え方ではありません。
むしろ「金持ち最高じゃないか!金持ちになろう!」という前向きな気持ちを持って、いかに高所得者が税制面で恵まれているかを学んで頂ければと思います。
富裕層は投資とビジネスから収入を得る
僕たちサラリーマンの一般庶民は、給料が収入の大半を占めています。
給料は当然所得に該当するので、高給をもらっている人ほど税金の支払いは大きくなります。
サラリーマンの世界では「年収1,000万円」が大台と呼ばれてもてはやされていますが、上記の通り年収1,000万円の人が支払う所得税はなんと税率33%。
一方、年収900万円の人であれば税率は23%となるので、実際のところ手取り収入は1,000万円の人とほとんど変わらないのです。
年収一本越えでウハウハしている部長も、実はさほどリッチな暮らしをしているわけではないんですよね。彼らは稼いでいる分、納税負担も大きいんです。
大して、富裕層は「給料ではなく、自らのビジネスと投資によって収入を得る」んです。
日本一の資産総額を持つソフトバンクの孫正義氏は、年収で90億円台という恐ろしい数字だと推定されていますが、そのほとんどは自社持株による配当のため、その分の税率は20%で済みます。
孫氏の場合、役員報酬は約1億3000万円で最高55%の税率がかかるが、残り約92億5000万円は持ち株による配当収入だ。そのため、20%の源泉分離課税を選択することで税金の総額を約20億円に抑えることができる。つまり総収入に対する税率(所得税・住民税の合計)は約21%だ。
引用:孫正義氏が日本一の富豪、総資産額約2兆2,500億円が税率は年収500万会社員と同等に? - NAVER まとめ ※元記事はNEWSポストセブン
▲ブコメで指摘を頂いて誤りだと判明しました。発行済み株式の3%以上を所有する個人株主は総合課税になるため、孫氏個人の税率は最高の55%です。
ただし、これはあくまで「個人株主」に対する規定のため、オーナーが資産管理会社を作ってその会社に株を保有させることで、税率を20%に抑えることが可能です。
※さらにご指摘を頂いて、法人は20%の税率ではなく「利益に対する法人税」を払わなければいけません。それに当たって「益金不算入」の会計制度が活用できるとのこと。企業会計・税務はまだ分からん…ご指摘ありがとうございます。
もちろん、90億円というのは孫氏個人の稼ぎで、ソフトバンク社ではもっと大きな利益を上げています。
少し古い情報ですが、2014年3月度で計算されたソフトバンクの法人税額は税引き後約5,200億円、税負担率は37.13%だったとのこと。
税引前利益が約9300億円、税引き後利益が5200億円、税負担率が37.13%です。日本の三大キャリアのうち、この年一番法人税を納めているのがソフトバンクでした。
つまり、孫氏はその気になればもっと役員報酬を取ることも不可能ではないのです。ですが、そうしないのは個人に対する所得税で多くを持っていかれてしまうからなんです。
企業の代表である彼からしたら、自分が高額の役員報酬を取るよりも、利益を新しいビジネスなどに投資して会社を成長させ、会社の株価を上げる方が収入効率が高いのです。
まあ、孫氏くらいのお金持ち&凄い実業家であれば、自分の所得税を大事に考えての判断というよりは、純粋に会社と社会の成長にコミットしたいがゆえの結果なのかもしれませんけどね。
でも、僕達庶民にとってみたら、この「個人の所得税と、投資に対する税率・法人税率の違い」を知っておくのは、自らの収入を増やす上でとても重要な知識なんですよね。
ロバート=キヨサキの教えを振り返る
ロバート=キヨサキ氏は、著書の金持ち父さんシリーズで、お金持ちになる普遍の方法について説いています。
いわく「自分でビジネスを立ち上げて利益を上げ、その利益で投資をしてリターンを殖やし、さらにそのリターンの大部分をビジネスや投資に再配分することでお金持ちになっていく」ということです。
組織に雇われて働くよりも、自分でビジネスを立ち上げて成功したほうが遥かに大きなお金が入ってきます。そして、そのお金を投資に費やせば、当然リターンの額も大きくなります。
そのリターンをさらにビジネスや投資に回せば、より多くのリターンを得られるようになるので、雪だるま式に資産が増えてお金持ちになっていく、というわけです。
その過程で、毎月の投資によるリターンが生活費を上回った時に「ラットレースを脱出」でき、サラリーマンとして労働に縛られなくてもいい自由が得られるんです。
もちろん、キヨサキ氏のこの教えも、個人の所得税率よりも法人税率や投資の配当にかかる税率の方が低いということにも由来しています(アメリカも日本も同じなんです)。
たとえ大きなビジネスを興さなくても、起業家として法人成りし、ビジネスで利益を上げて投資に回して資産を増やしていく人こそがお金持ちになっていくんです。
そうならずにお金持ちになるには、スポーツや芸能のスタープレイヤーになって莫大な給料を貰うくらいしか道はありません。所得税半端じゃないですけどね。
だから僕はビジネスと投資をしたい
どうでしょうか、こういった事実を確認して、あなたも自分でビジネスをやってみたり、投資をしたくなってきたでしょうか。
自分でビジネスを立ち上げることは簡単じゃないですし、僕もまだまだ自信と情熱が持ちきれないので、ビジネスと言えるほどの立派な収益事業は作れていません。
ですが、こういう知識を知って、興味があるなら素直に目指して前に進んでみるということが大事だと思っているので、これからも僕はマイペースに頑張ってまいります。
古民家・ボロ家再生投資をやりたいなぁ…。
仲介業者様、家主様などなど、三重県・首都圏などでいい物件情報ありましたらお待ちしてます。購入でも賃貸でも。
【次はこの記事もオススメ】
⇒金持ちの発想は、この税率の違いから来ている部分も大きいです。普通プレゼントにマンションを贈るとか意味わからないですもんね…。
⇒今回のお話は、要するに「リスクを取れば金持ちになるレーンに乗れる」ということでもあります。雇われのリスクだけを取るか、事業・投資のリスクを取るか、です。
⇒お金持ちになりたいなら、今回の記事のような知識を覚えた上で、素直にお金持ちに憧れることが大事だと思います。ひがんでいたら金持ちになることから逃げているってことです。