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はあちゅう氏の電通の先輩が言う「偏差値40の人向けPR」を解説。

こんにちは、すずきです。

▲炎上していたこの発言について…

 

僕の通っていた公立高校は偏差値38(受験前年は40)でした。

ゆえに、否が応でも「偏差値40の人」にはとても馴染みがあります。

【参照】「教育困難校」が話題だったので、偏差値38の我が母校を振り返ってみた。 - オワコン

 

はあちゅう氏の過激な発言は賛否両論を呼んでいるわけですが、果たして「偏差値40の人にも理解できるもの」って、実際にどんなもんなんでしょうか。

教育困難校を卒業した僕の人生経験から、色々と説明していきたいと思います。

 

【もくじ】

偏差値40の人は何に興味があるのか

まずはここから。はあちゅう氏の電通の先輩が「恐るべきバカ」と切り捨てる、偏差値40の人は一体どんなことに興味を持っているのでしょうか。

僕が今まで関わってきた人を見ると、大体こんな感じです▼

・ゲーム(特にソシャゲー)
・恋愛、セックス
・バイク、原付⇒大人になったら車に変わる。なぜかミニバン推し
・パチンコ、競馬などのギャンブル
・芸能ゴシップ

正直なところ、闇金ウシジマくんとかで出てくる「キャラクター像」とほぼ同じです。

ヤンキーや引きこもりのステレオタイプにドハマリしている人って、実は相当多いのです。

 

要は時間が潰せるものと快楽が好き

偏差値40程度の人達は「時間が潰せること」と「快楽を得られるもの」に興味が振れていると言えます。

電車やバスの待ち時間、退屈な授業中の暇潰しはスマホでソシャゲー。

でも、ゲームだけだと飽きるので、楽しいことがしたいと思って恋愛を求めたり、バイクに乗ったり、ギャンブルにはまったりする。

恋愛は本能、その他は「周りがやってるから」という理由で選び、ハマって行きます。

 

彼らは多くのこと、本質的なことは考えず、本能や親しい人の勧めに従って行動するのがパターンです。

物事をよく考えてから判断して行動する傾向のある、偏差値の高い人々とは逆のベクトルを向いています。

 

「偏差値40の人」にも理解されるPRとは

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さて、本題です。

「偏差値40の人にも理解できるもの」とは、一体どういうものが考えられるでしょうか。

事例を交えつつ僕の見解を3つほど述べていきます。

 

五感に訴え、本能を刺激するもの

「偏差値40の人」は、あまり物事を考えない人が多い傾向にあります。

論理よりも、本能的な判断に基づいて行動することが多いとも言えます。

ゆえに、言葉や文字で色々と説明するPRよりも、視覚や聴覚など、五感で本能的に魅力を感じられるPRが有効になります。

 

これはテレビで放送されているCMを観ればすぐに分かります。

パズドラとかソシャゲーのCMで、ゲームの内容を説明して面白さをアピールするものって見たことありますか?

大体のソシャゲーのCMは、ゲームの爽快感など、面白さの感情的・直観的な部分だけにフォーカスして「何だか面白そう」と思わせる作りになっています。

食べ物や飲み物のCMだって「食べるor飲む⇒あー、美味しー!!」だけですよね。

 

もちろん、どれだけ偏差値が高くて頭でっかちな人だろうが、本能に訴える作戦は有効です。

人間は論理より感情が強い生き物なので、本能に訴えるPRは誰にも刺さります。

だから「言葉より五感」でCMを作ることで、幅広い層にアプローチできるPRが可能になるんですよね。

 

強く共感させるもの

ソシャゲーCMの事例を出すと、「グランブルーファンタジー」が良い例かと。

この「高校生男女が微妙な距離で会話する」というグラブルのCM、様々なシリーズも出てかなりの長寿です。

このCMでは、ゲームの説明やゲーム画面は一切出ていません。

なぜグラブルがこんなCMを出しているかと言うと、それが「ユーザーの共感を誘う」戦略だからです。

 

高校生となれば、やっぱり恋愛は付きもの。誰だって恋したいし、恋人が欲しい。

それに「恥ずかしくて告白できない…」という人だって多いわけです。

なので、「高校生の恋愛」という境遇を出してあげれば、一気に高校生の共感を得られるわけです。

「うあー、こんなんあったなぁ!」とか「私も恋したいなー」とか思うんですよ。

特に、「偏差値40の人」は恋愛に興味が振れる傾向なわけで、こういうPRはガッツリ刺さると予想できますね。

 

グラブルはこのCMを打つ以前は、普通にゲーム画面や制作陣を前面に出して「こういう面白いゲームですよ」というアピールをするCMを展開していました。

しかし、最近になって一気に「高校生の恋愛」シーンを切り取ったCMに切り替えたのです。

つまり、グラブルは明確に「恋愛に関心のある高校生」層をターゲットとして、そこに有効なPRを考えてシフトしたということが分かります。

恋愛に興味ある高校生はめちゃくちゃ多いので(興味ない奴はほぼおらんだろう)、理にかなったマーケティングだなぁと感じます。

 

親しみを持たせるもの

CMやポスターなど、あらゆる広告にはお笑い芸人や俳優がよく起用されていますよね。

最近だと、ピコ太郎がPPAPをもじったCMに出まくって荒稼ぎしてますね。笑

これは「馴染みのある人、人気の人を起用することで、親しみと安心感を持たせる」という戦略です。

人は誰しも本能的に、「全く知らない人」よりも「知っている人」に信頼を置くし、一緒にいても安心するもの。

電通や企業のマーケティング部門の人々はそれを知っているからこそ、自社製品のCMに有名人を出演させるのです。

「社員の方が自社商品のことを知ってるんだから、起用すべきだ」ということにはなりません。

 

バイトルのCMにピコ太郎を起用しているのも、もちろんそれが理由。

もっと言えば、バイト探しのサービスってバイトル以外にも色々あるし、「バイトルじゃなきゃダメな理由」って特に無いわけです。

じゃあ、バイトルがどこで差別化して多くの人々に利用してもらうかと言うと、「有名人を起用して親しみを持たせ、なんとなく使ってもらう」ことを狙うのが妥当なのです。

タウンワークなら松ちゃん、anならきゃりーぱみゅぱみゅとか起用してますよね。

 

電通の発言の真意について

今回、炎上芸お得意のはあちゅう氏が、電通時代の先輩の過激な発言をそのまま引用したことで火がついてますが…

この発言は言い方が悪いだけで、実に的を射ていると僕は感じます。

 

この記事では「偏差値40の人」という部分に着目して、実際に偏差値40以下の人々が集まる環境で三年間過ごした僕の経験をもとに「偏差値40の人にも理解できるPR」について語ったわけなのですが…

上に挙げた3つの「偏差値40の人にも理解できるPR」の例は、どれもこれもマーケティングの基礎と言える重要な要素です。

 

もう一度はあちゅう氏の発言を引用すると、

これを炎上しない、ちゃんとした言い方にすると、こう▼

仕事で営業やマーケティングをやっている方ならよく分かると思いますが、とかく商品の販売やPRとなると、独りよがりになりがちなんですよね。

自分が「伝えたい」「伝えるべき」と思っている要素を相手に無理やり伝えて、魅力を感じてもらおうと必死になる。

でも、本当に必要なのはそうじゃなくて、「相手が魅力を理解して、価値を感じてくれる」ということ。

だから、最低限「誰にでも理解してもらえる説明」をする必要があるし、もっと言えば「相手に合わせた説明の仕方」をしなければいけないのです。

 

確かに、この教えは「一番役に立ってる教えの一つ」になってもおかしくない。

ビジネスにおいてとても重要だけど、忘れがちな要素ですね。

 

ちなみに、はあちゅう氏の真意は

件のツイートには続きがあります。

若干分かりづらい文章ですが、要は「とにかく「大勢の人」に伝わるCMを作れ、という意味の発言だよね」というニュアンスだと思います。

はあちゅう氏は、電通の先輩が言った「偏差値40のバカ=普通の日本人」という要素をキッチリ否定し、「普通の人なんて存在しない」と言うことで、先輩の視野の狭さの批判と、先輩にそれを言われた当時の自分の視野の狭さを振り返っているのでした。

 

この発言の仕方とフォローの仕方は、まさしくプロによる炎上芸ですなぁ…

 

▼偏差値60後半の慶應卒、はあちゅう氏の代表著作。綺麗に賛否両論なのが氏らしい。

 

 

僕もあらゆる人に理解してもらえる文章や説明をもっと心がけなくてはなりませんね。

(とか言いながら、この記事の文章は結構固いなぁと反省)

 

じゃあの。