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不動産投資物件を検討する際に欠かせない、想定賃料の調べ方

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不動産投資をするに当たっては、物件の想定利回りをきちんと計算することが欠かせません(こちらの記事参照)。

そして、利回りを計算するために大切になるのが、今回お話する「想定賃料」の設定です。賃料は物件の売上そのものなので、それをどれだけ正確に想定できるかが不動産投資成功のカギとなります。

「まだ利回り計算をしたことがない!」とか「賃料相場の調べ方が分からない!」というあなたは以下必読です!

 

【もくじ】

 

「想定賃料」とは何か

まず、想定賃料とは何か?という所からお話します。

想定賃料とはズバリ「この物件をいくらで貸せるか」ということ。その物件がどれだけの家賃で入居してもらえるか、賃料相場や競合物件を分析して判断するものです。

その想定賃料に基づいて、物件価格に対する利回りを算出し、その物件を購入するか否かを決めます。

また、想定賃料は賃貸募集開始時の賃料を決定する軸にもなるので、借り手が付くか付かないかを決める超重要な役割も持っています。

なので、想定賃料の設定が上達すればするほど、あなたの不動産投資は成功する可能性が上がると言えます。

 

想定賃料の調べ方は主に2通り

想定賃料を求めるには、主に2つの手段があります。これは併用して正確な想定を出すのが基本ですが、「実際に物件内覧に行くかどうか」の判断をする時点では、いずれか1つの手段だけを使ってザックリ想定賃料を出しても構いません。

以下2つの手段は、不動産投資ポータルサイト「LIFULL HOME'S」の家賃相場というページを利用するものです。不動産投資家なら、このページは必見ですよ。

 

賃料相場から想定する

まず一つめは、エリアの賃料相場から想定賃料を算出するという方法です。

HOME'S家賃相場のデフォルト画面は以下の通り。

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この画面からあなたが調査したい都道府県をクリックすると、「路線・駅別」か「市区町村別」かを選択できます。

東京など、鉄道がメインの移動手段となる地域の物件を探している場合は「路線・駅別」、車がメインの地域なら「市区町村別」を選びます。

 

路線・駅別の賃料相場の調べ方

以下は東京都の路線・駅別を選択した画面です。

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このように東京都内の各路線の名称が鉄道会社ごとに掲載されているので、あなたが検討する物件の路線をクリックします。

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JR中央線をクリックすると、このように中央線各駅(東京~高尾と、青梅線の西立川~青梅)の家賃相場情報が一覧表示されます。

赤で記載した箇所で「物件種別」「間取り」「その他の条件」といった条件を設定することができるので、あなたが検討している物件に最も近いものを選んで、最寄り駅および同規模の隣駅の賃料相場を確認しましょう。

なお、駅名をクリックすると、その駅周辺物件の間取りごとの賃料相場も確認できます。「この駅周辺で物件買うぞ!!」と決めていない限りはあまり使わないでしょう。

 

一つ注意ですが、条件を絞りすぎたり、物件数自体が少ない郊外・地方都市だと、物件のサンプル数が少なく、家賃相場の信頼性が薄くなってしまいます。

その場合は、仕方ないですがサンプル数を優先にするため、「一戸建て」⇒「マンション・アパート・一戸建て」というように条件を緩め、大まかな賃料相場を把握する形の方が望ましいです。

また、大まかな賃料相場しか把握できない時は、検討中の物件の種別や築年などを鑑みて、その相場より高く貸せるか安く貸せるかを考え、想定賃料を算出する必要があります。

余談ですが、同じ間取りや築年・駅距離と仮定すると、基本的に賃料相場は「戸建>マンション>アパート」という序列になるのでご参考に。

 

市区町村別の賃料相場の調べ方

今度は市区町村別の調べ方について見ていきましょう。

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こちらも路線・駅別と同じレイアウトで、今度は都内の各市区(町村は出ませんでした)の賃料相場が並んでいます。

しかし、東京のような大都市だと、市区でも駅によって賃料相場が全然変わってしまうので、あくまで車社会の地域や物件サンプルが少ない地域での使用を推奨します。

 

ですが、都内でもこの市区町村別の賃料相場で重宝するのは、「地域の人気度やブランドを確認できる」というポイントです。

上記の写真でもわかる通り、賃料相場が赤字で記載されている港区が東京で最も賃料相場の高い地域となります。

港区と言えば日本随一の高級住宅街として有名です。より土地の少ない千代田区・中央区を差し置いてダントツに高い相場となっています。

こうしてみると、いかに港区のブランドや人気が凄いかわかると思います。港区の物件は値段が高いぶん、高い入居率で良い入居者が付く期待がありますね。

また、郊外の自治体ほど相場が低くなる傾向もよく分かります。まずは市区町村別で大まかな地域の傾向を掴み、それから駅を絞って想定賃料を調査するのも良いですね。

 

人気エリアランキングも調査できる

余談ですが、どちらの相場表でも下にスクロールしていくと、「シングル・ファミリーそれぞれの人気駅・人気市区町村」のランキングも確認することができます。

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シングル向けの人気ランキングでは軒並み都心に近いオシャレな街が並んでいますが、ファミリー向けでは一転、全て郊外エリアが上位を占めています。うーん現実的

ただ、ファミリー向けの人気ランキングは「妥協の産物である」ということを鑑みると、「ファミリー層が【住みたい街】ランキング」とはかい離が大きい、ということは考える必要があるでしょう。

本当はお金さえあればファミリー層でも港区とか渋谷区とか吉祥寺とか住みたいはずですよ。足立区とかより、そういうオシャレで便利な街のほうが住みたい度は確実に高いはずです。

 

僕が見た時点でのファミリー層人気ランキングは「町田市>葛飾区>足立区>八王子市>練馬区」となっていましたが、都民の総論だと、「住みたい街」の序列は「練馬区>>葛飾区・足立区」なんですよね。

ここにも、賃料の負担という現実的な問題がファミリー層にのしかかってきているな、ということが分かります。要はランキングに乗っていないエリアでも、住みたい意向が高い街は狙い目だ、ということですね。

 

募集物件を見て想定する

上記の「賃料相場から想定する」というのが基本になるのですが、より突っ込んで正確に想定賃料を算出するためには、「実際の募集物件の状況を見て決める」ということも重要になってきます。

会社でも、新商品を開発する時は必ず競合商品のリサーチをして、どんな商品を作るか、PRをするか、といったことを決定していきますよね。

不動産投資もそれと同様です。あなたの検討している物件の競合物件の募集状況をよく調べて、「あなたの物件が選ばれる賃料」を設定しなければならないのです。

 

募集物件の調べ方ですが、まずはHOME'Sのトップページから物件種別ごとに賃貸物件・売却物件の検索画面に飛ぶことができます。

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ここでは当然、もっとも左上の「賃貸」をクリックして進みます。

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するとこのように、全国から物件を検索できる画面に遷移します。

「駅・路線」「地域(市区町村)」「通勤・通学時間」など物件検索のエリアを絞る条件が多いのが分かると思いますが、こちらも基本的には「鉄道メインの地域⇒駅別・車メインの地域⇒地域別」とすればOKです。

以下では駅別で話を進めます。特定の駅名を入力するか、路線一覧から駅を探して選択し、物件一覧を表示します。

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ここではJR京浜東北線の赤羽駅をチョイスしてみました。物件一覧には、赤羽駅からアクセス可能な物件が1,124件リストアップされています。

左側にある「物件種別」と「物件の条件」をあなたの検討物件の条件に合わせて設定し、出てきた物件の募集賃料を鑑みて、あなたの物件の想定賃料を決めていきます。

 

たとえば、あなたの検討物件が「赤羽駅徒歩12分、築40年、3DKの戸建」という条件と仮定して、以下のように検索範囲を設定してみます。

・物件種別⇒「一戸建て」のみ
・間取り⇒2LDK、3DKのみ
・駅徒歩分⇒15分以内

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すると検索で出てきた件数は8件。築年を指定していないので築浅物件も表示されるのですが、築年が近しい古い物件も数軒あり、絞ることができました。

ちょうど近しい物件が「8.2万~8.6万」のレンジで出ていたので、あなたの物件も8万円前後で募集できるかも?という想定ができるようになりますね。

しかし、ちょっと母数が少なすぎるので、「3LDKの間取りも含める」「アパートも含める」などで条件を緩めてあげて、サンプル物件数を増やす必要があります。

上記の設定をしたら15件になり、築年の古い物件数も増えました。大体10件以上サンプル数があれば、それなりの根拠ある想定賃料の設定ができるはずです。

もちろん、あなたの検討物件の状態に応じて、他の募集賃料からの増減は考えなければならないので、必ずしも他の物件の相場通りに想定賃料を設定していいわけではありません。

家の設備は整っているのか、リフォームは済んでいるのか、日当たりや風通しはどうなのか、といった諸々の要素を鑑みて、想定賃料は調整していってください。

想定賃料設定の際に気を付けること

以上、想定賃料の調べ方について説明しました。上記ではHOME'Sを利用した例ですが、他の不動産ポータルの募集状況で判断するのももちろん構いません。

しかし、想定賃料を決める際には注意点もいくつかあります。最後にそれについて解説していきます。

 

想定賃料は控え目に!高望みはしない

想定賃料は、あなたの検討物件の想定収支を出し、きちんと利益が得られる物件なのかどうかを判断するための非常に大事な要素の一つ。

この賃料設定を失敗せず、収支の正確さをアップするためには「控え目の賃料設定を心がける」ということを忘れてはいけません。

「10万円までなら取れるかも…うん、10万で入れよう!」という高望みはNG。むしろ、あなたが「相場だろ」と思う賃料のさらに1割減くらいで見込むべきです。

もしあなたの検討物件が相場の1割減でも良い利回りを出しているのなら、それは購入を検討しても良い物件です。

家賃が安いほど入居が決まりやすいのはもちろんのこと、物件購入後の家賃が下がるリスクや突然の出費にも対応できる余裕がある、ということですからね。

逆に、希望的観測に基づいた高い想定賃料で収支計算を行ってしまうと危険です。空室期間の増加や収支計画の見直しが発生し、思わぬ損失が出る可能性が高まってしまいますよ。

 

「最低賃料」も想定しておく

不動産は年が経つにつれだんだんと劣化し、賃料も下がっていくもの。年数を経て賃料が上がっていく、ということはまずありません。

そこで必要なのが、「どこまで家賃を下げられるか?」という想定です。これを「最低賃料」と定義しています。

「最低賃料に設定した時に、利益やキャッシュフローは出るのか?」「最低賃料に到達するのは購入から何年後か?」という予測を立てることによって、いつ物件を売却するのか等、リスクヘッジ戦略を決めることができます。

 

最低賃料の設定には、自治体ごとの生活保護者に対する住宅扶助を参考にすると良いでしょう。

各自治体の住宅扶助額は、以下のサイトで調査すると便利です▼

住宅扶助上限検索(家賃)改正後版

住宅扶助の金額は、何人住まいかで変わってきます。なので、「あなたの物件が何人での居住を想定しているか」で最低賃料の想定も変動します。

要は、「生活保護者でも住める賃料にすれば、まず入居者は見つかる」という想定に基づき、住宅扶助の金額を最低賃料として置くということです。

ぜひ参考にしてみて、最低賃料時の想定収支も計算してみてください。

 

 

以上、想定賃料に関してご説明しました。

最初は少し手間がかかるかも知れませんが、不動産投資に絶対必要な判断要素となるので、どんどん数をこなして早く馴れていきましょう!