色々と投資をやっていると、どこかのタイミングで芸能人やお笑い芸人がPRしている投資案件に出会うことがあります。
最近だと、「Gacktが仮想通貨ビジネスに参入!」と話題になった仮想通貨ICO案件「SPINDLE」(参考記事:Gacktが仮想通貨ICOに参画「SPINDLE」の評判が怪しい件)が話題になりました。
しかし、基本的に有名人を前面に押し出してプロモーションしている投資案件は詐欺の可能性が高いので、くれぐれも注意しましょう。
上記のSPINDLEもGackt自身がブログ等で案件の宣伝を行っており、プロモーションの仕方が「事業よりもGackt」という印象でした。
案の定、SPINDLEは詐欺の疑いが濃厚&政府無許可でのICOに対する違法性が濃厚すぎて、投資資金が集まらないまま日本向けICOは終了。今は国外居住者向けに販売を行っていますが、さあどうなるやら…。
そして、今日も米俳優のスティーブン・セガールが「Bitcoiin2Gen」なる新しい仮想通貨のブランド大使になったそうで、仮想通貨ニュースメディアCointelegraphからも糞コイン呼ばわりされるような香ばしい案件がまた一つ出来上がったとのことです。
もちろん、ちゃんとした投資案件でも有名人をPRに活用するのは普通のことです。例えば、仮想通貨ならビットフライヤーは成海璃子、コインチェックは出川哲郎、Zaifは剛力彩芽、DMMはローラ。
証券会社でもガッキーとか玉木宏とかCMに使ってますし、アパート経営サービス大手のシノケンは佐々木蔵之介を使ってたりと、例を挙げれば枚挙に暇はありません。
しかし、これらの企業はあくまでも「広告に有名人を使っている」だけであり、「有名人を前面に出してPRしている」わけではありません。あくまでも企業の良さや印象をアピールしているだけです。
詐欺案件はそもそも中身が全然無いので、投資やビジネスのリテラシーがある人を論理や期待で購入まで持っていくことができません。
そのため、詐欺師は必然的にリテラシーの無い層に牙をむき、そのための手段の一つが「有名人を大々的に押し出すことで安心感を与える」というものなんです。
詐欺案件では投資スキームや技術の具体性、法的な正当性などを十分に論じることができないため、とかく有名人に「凄いんです!ヤバイんです!儲かります!」とか言わせちゃうんですよね。
普通は事業者が金商法などに抵触しない範囲で、淡々と投資スキームやリスクの話を文章にしていくものですが、詐欺の場合は「有名人によるオススメ」が案件説明のほとんどを占めるのが特徴です。
心理学的に、人間は有名人がPRしているものに対しては安心感を覚えます。「こんな知名度ある人が宣伝してるんだから、間違いないよな」と錯覚してしまうんですね。
それゆえにどの企業もCMとかの広告に俳優を起用するし、芸能人ブロガーやインフルエンサーに記事広告なんかを作成してもらうんです。消費者の安心は売上に直結しますからね。
詐欺案件はいわば「これは有名人がガンガン推してる良い案件なんですよ。ね?安心でしょ?投資しませんか?」とだけ話して、肝心の投資の中身を全然話さないものです。
「無知なおばあちゃんに投資信託を契約させる銀行マン」のやってることを犯罪にしたようなものですな。
あなたは有名人に安心して投資をするおばあちゃんになりたいですか?なりたくないですよね。
やたらと有名人を前面に押し出して、肝心の事業の話が薄っぺらい投資案件には絶対投資をしないでくださいね。
投資のこと何も知らないし投資をした経験も無いのに「Gacktがいいこと言ってたから!信じて買う!」と言ってSPINDLEを購入したGacktファンに対しては、僕からは「ご愁傷様」の一言に尽きます。
ま、100兆ジンバブエドル分の1くらいは儲かるのかも知れませんけどね。仮想通貨の世界は何があるか分からないカオスワールドですから。
【次はこの記事もオススメ】
⇒詐欺投資を見分ける最も基本的な要素の一つとして「絶対」とか「確実」とか、成功を断言しているものには投資しない、というものがあります。覚えておきましょう。
・旧友からのビジネスの誘い…マルチ商法の勧誘に注意!その手口
⇒マルチ商法勧誘の手口についても書いておきます。これも投資詐欺と同じく、結構遭遇するんですよねぇ…。意識高い系の若手サラリーマンは注意っすわ。
・事例で見る仮想通貨詐欺の暴き方 巧妙な手口に騙されない為には?
⇒仮想通貨界隈も詐欺が非常に多いです。詐欺に遭いたくないなら、まずはビットフライヤーやZaifなんかのちゃんとした仮想通貨取引所でビットコインとかを買う程度にしましょう。