こんにちは、すずきです。
正月はいかがお過ごしでしょうか?
皆さんここぞとばかりに美味しい物を食べまくって、曙のような体系になっているかと思います。
かくいう僕も、年末年始に美味しい物をひたすら頂いて、もう体重は100kgの大台を超えてしまったのではないでしょうか。
体重については嘘です。
ところで、正月の美味い物と言ったら、やっぱり伊勢海老は連想する代表的な食べ物の一つですよね。
三重県に住む人間としては、やっぱり正月の食卓に伊勢海老は外せませんよね。
刺身、焼き、味噌汁、どんな食べ方をしても美味しい伊勢海老は最高です。
まあ、我が家の食卓には並んでいませんでしたけどね。
という訳で、今回は広告を出したり、Webサイトの改善を図る際に必ず知っておくべき手法「ABテスト」について解説します。
自分のお店や商品の広告を打つ方や、マーケ・広告代理店・メディア関連企業の新米さんはぜひ一読ください。
※海老の話は出てきませんので、期待している人はお帰り下さい。
【もくじ】
ABテストとは?
ABテストと言うのは、簡単に言うと「一箇所だけ違う広告や画像を2つ、同じ条件で出して成果を比較する」という手法です。
以下がABテストのサンプル画像です。
この画像の場合、「半額セール実施中」という文字の色が赤と青で異なっていますが、その他は全て同様ですね。
この画像が「お店のセールのチラシの表面」だったとしましょう(裏面は両方同じ)。
この2枚のチラシを同じ条件で配り、反応率をそれぞれ確認・比較する、というのがABテストという手法になります。
もっと言えば、上記のサンプルでは「赤い文字と青い文字、どちらの方が反応率が良いのか?」という事を検証するテストとなっています。
ABテストに必要な「同じ条件」って?
上記のチラシの場合だと、ABテストで検証する場合は、例えば店先にチラシ用ラックを置いて、2枚のチラシを隣り合わせに100枚ずつ置いておきます。
で、一週間経って、どちらのチラシが多くお客さんに取られたか?を確認するという感じ。
店先のラックに隣り合って2枚のチラシが置かれていたら、それは「同じ条件」と言うことができますよね。
しかし、2枚のチラシを、Aパターンは100枚を近所のお宅にポスティング、Bパターンは100枚を店先に置いておくとすると、それは「同じ条件」にはなりません。
なぜ2つのパターンで同じ条件を用意する必要があるかと言うと、「純粋な広告・画像の要素の違いによる反応の変化を検証する」為です。
当然ですが、同じチラシ100枚をポスティングするのと店先で配るのとでは、またお客さんの反応は異なることが考えられますよね。
今お店に来ている「買いたい客」なのか、自宅にいる「買いたいか不明な客」なのか、そもそもお客さんのいる状況が違うので。
そういう異なる状態でABテストをやろうとしたら、広告の反応の違いが「文字色によるもの」なのか「配り方によるもの」なのかが分からなくなり、反応率の検証のしようが無くなってしまいますからね。
ABテストの手順について
ABテストの手順については、チラシ等の紙媒体とWeb媒体ではやり方が異なってきます。
WebのABテストの場合はツール(Google Analyticsやその他有料ツール)を利用することになりますし、企業にお勤めの方なら既にツールが導入されていると思うので割愛。
ここでは、チラシ広告を打つ場合のABテスト手順について説明していきます。
チラシ広告のABテスト手順
チラシ広告でABテストを行う場合、広告を作る際に必ずしなくてはならない事があります。
それは「広告効果を測定できる仕組みを作る」という事です。
広告効果測定の仕組みとは?
広告効果測定の仕組み作りとは、要するに「広告の反応率を数字で確認できるようにする」という事ですね。
Web広告の場合はシステムで簡単に広告効果が数値化されますが、紙の広告だとそうは行かない。
という訳で、これはちゃんと各自で工夫を広告に仕込んでおく必要があります。
この広告効果を測定できる仕組みの導入例としては、「このチラシを会計時に提示したら割引」などが挙げられます。
お客さんがチラシを持ってきた回数が把握できるようになるので、広告の反応率が分かるようになります。
1,000枚のチラシを配って10人が持ってきたら、10/1,000で、そのチラシの反応率は1%だと分かりますね。
これを行うことで初めて広告の効果検証が出来るようになるので、チラシ広告の反応率を確実に上げたいと思っている方は、上記のことを必ず覚えておきましょう。
ABテスト対応のチラシ広告が出来たら?
上記の仕組みを入れ込んだチラシが刷り上がったら、「同じ条件で」お客さんに配布していきます。
先ほど説明したように、「店先に100枚隣り合わせで置いておく」とか「近隣の同じエリアの住宅に100枚ずつポスティング」という形を取ると良いでしょう。
また、新聞折り込み広告を依頼する時には「ABテストをしたいです」とか「2パターンでどちらが反応が良いか検証したいです」と言えば応えてくれるはずです。
お客さんに配布が完了したら、「どのタイミングで検証するか」を決める必要があります。
セールチラシであれば、そのセールが終了したタイミングがベストだと思います。
その他の広告チラシであれば、「少なくとも数十件の反応が得られそうな期間」で設定するのが良いでしょう。
反応数が1件や2件だと、少なすぎてその反応率が妥当かどうかが分かりませんからね。
その程度の数字じゃあ「まぐれで来た」お客さんかも知れないでしょ?
なお、2パターンの広告の反応率を検証したら、必ずその結果はまとめておいて下さい。
「青い文字より赤い文字で売り文句を方が反応が良い」と言う事が分かれば、次のチラシを打つ時はあらかじめ赤い文字を使えるようになりますからね。
また、次回のチラシを制作する時には、また別の要素を変えてABテスト検証するのも有効です。
「前回は文字色を変えて赤が良かったから、今回は赤文字をベースに、黄色背景と青背景で試してみようかな…」という感じで。
こうやってドンドンブラッシュアップをして行けば、あなたの広告の反応率は少しずつアップしてくるはずです。
ABテストで注意すべきこと
ABテストは広告の反応率を高めるのに有効な手段ですが、一方で注意すべきデメリットもあります。
それについても説明します。
費用が増える可能性あり
例えば、同じチラシ広告を1,000枚刷るのと、2パターンのチラシ広告を500枚ずつ刷るのとでは、基本的に後者の方が値段は上がります。
デザイン代と印刷の手間が掛かりますからね(負けてくれる会社もあるかも知れませんが)。
特に、印刷物の場合は使う色数が変わってしまう場合があり、その際はほぼ確実に料金が変動するので注意!
背景色を変えてテストしようと思ったら、一色刷りと二色刷りの手配になって高く付いた…という事もありえるので。
また、Webの場合は、クリエイティブ製作費はともかくとして、有料の検証用ツールを導入するのにコストが発生します。
もちろん、本格的にABテストを実施して反応率を上昇させて行けば料金以上の回収はできますが(というか、しなきゃダメね)、お金の支払い自体は生じますからね。
時間をかけて検証する必要性
ABテストは費用も増えうる割に、すぐ結果が分かるものでもありません。
広告の細かい要素をじっくりと検証し、何回も何回も時間をかけて最適なパターンを見つけ出していくのがABテストのやり方。
細かい積み重ねと戦略がじわじわと生きてくる施策ですが、すぐに劇的な改善が見られる施策という訳ではないので、これも留意しておいてください。
まとめ:ABテストを試してみよう!
以上、ABテストについて簡単に解説をしました。
もう一度、ABテストについておさらいしましょう。
・ABテストとは、「同じ条件下で、一部の要素だけ変えた広告2パターンを出し、反応率を調査する」ものである
・紙面広告でABテストをする際は、必ず効果検証ができる仕組みを広告に導入する
・WebでABテストをする場合はツールを活用する
・ABテストは長期的に細かく検証をしてじわじわと広告効果を高めていくもの
僕は前職の広告代理店で、毎週Web広告バナーのABテスト検証を行い、次に制作する「より効果の高いバナー」の案を出し続けていたのですが…
やっぱり、ABテストは細かい検証の積み重ねをずーっとやっていくので、そう簡単なものではありません。
しかし、テストの結果が顕著に分かると楽しいし(バナーに使うキャラが違うだけで効果が数倍違うなんてザラ)、自分の仮説が見事にハマった時も、何とも言えない充実感があるんですよね。
何回もABテストでバナーをブラッシュアップしていけば、確実に少しずつバナーの強さも底上げされていくし、きついけど有効な施策だったなーと感じています。
ABテストはとかくWebマーケティング界隈で使われている言葉で、チラシや雑誌など、紙媒体広告の世界では、Web業界ほどは浸透している手法ではありません。
しかし、チラシのブラッシュアップにも確実に有効な手段なので、これから広告を出稿したいと思っている方は、ぜひABテストの導入を検討してみてください。
また、ネット通販をやっている業者さんは、特にABテストを導入すべきだと思うので、詳しく勉強することをオススメします。
じゃあの。
P.S.
WebでのABテスト参考文献です。
Amazonやディズニーといった大手企業が採用した手法をGoogleの元開発者が解説するというテキスト。
オバマ氏が大統領選で活用したABテストの事例まで解説されています。
WebマーケティングにおけるABテストの具体的手法を体系立って理解できるはずです。