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田舎に移住したい人には、地域おこし協力隊の制度が最強。尾鷲市は今年も募集するよ!

責任感と行動力がある人は、ぜひ。

こんにちは、地域おこし協力隊として3ヶ月が過ぎたすずきです。

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地域おこし協力隊は超恵まれている

地域おこし協力隊というのは、地方創生の目玉の一つとして規模を拡大してきている、「主に都会人が田舎に行って、地域活性化のために働く」という制度です。

例えば東京出身の僕が、人口18,000人程度の過疎地である三重県尾鷲市に移住して働くという感じですね。

田舎の各市町村が、それぞれ地域課題に即してミッションを設け、協力隊を募集するのです。

僕の場合は、人口減少が著しい尾鷲市にあって、「移住者を増やす」というミッションのもと、空き家バンクの運営や地元の「仕事」の掘り起し等をやっています。

 

今までどの市町村も行政に頼りきりのまちづくりをしていましたが、結果として今、地方のほぼ全ての市町村は衰退の一途を辿っています。

そんな中で、まちづくりに欠かせないと言われる「よそ者・若者・馬鹿者」を田舎町に連れて来て、何とか町の衰退を食い止めて貰えないか…という事で始まった制度です。

 

全国の役場には、町から外に出たことがなく、「外から見た我が町」の視点を持っていなかったり、都会の働き方を知らないヌルい役人は多い。

だからこそ、都会の民間企業でシビアに働いてきたり、田舎の光景が新鮮に見える・都会人ならではの発想を持った協力隊は重宝されるのです。

地元の人々が気付かないお宝を協力隊は発見できるし(観光スポットとか)、公務員じゃ出来ない新規事業を立ち上げる人もいます。

地方創生に力を入れる安倍政権のもと、全国の協力隊の数は一気に増えていますが、その影響もあり、今全国の田舎町で色んな面白いプロジェクトが動くようになりましたね。

 

さて、そんな地域おこし協力隊の制度ですが、田舎に移住したい人にとっては、正直「超恵まれている」制度なのです。

どうして恵まれているのか、その理由を見ていきましょう。

1、給料がもらえる

地域おこし協力隊は総務省が管轄しており、協力隊は総務省から(市町村を経由して)毎月お給料を貰えます。

一人あたりの上限は、必要経費を合わせて年間400万円です(うち給料の上限は250万円)。

 

「400万とか、安っ!しかも給料自体は250万とか、きっついねー」

と考える方もいると思いますが、400万円と言ったら、これでもなかなか田舎町では悪くない給与水準なんですよ。

 

尾鷲市の条件で言えば、給料は月20万円ほど+家賃、公用車、出張や雑費などの必要経費も出る、という形になります。

家賃と車代が経費で賄えるのは非常に大きくて、20万円の給与を貰っても、それだけで十分貯金まで出来ちゃいます。

(水光熱費や自家用車(公用車は業務時のみ使用可)などは自己負担ですが)

 

それに、農家が多い地域だったら野菜をしこたま貰えたり、漁村だったら魚を貰えたりして食費も浮きやすいので、東京で安月給で働くより遥かにリッチです。

田舎は娯楽が無いので、オールで飲んで遊び呆けたりもしなくなる分、健康&交際費が安くなるのもいいですねー。

 

そして、僕みたいに「田舎で起業したい」と考えている人にとって、この給料が貰えるというのは、ありがたいことこの上ありません。

 

給料が貰えなければ、いきなり田舎に飛び込むのはやはりリスクが高いですからね。

民間企業の給料はやっぱり安いし、やりたい仕事にありつける可能性も低い。

そんな中で、田舎にバッと飛び込んでビジネスの種を探すのは、なかなか金銭的に辛いですから。

 

協力隊は給料を貰いながらまちづくり活動が出来るのだから、協力隊としての仕事に熱心に打ち込むこと自体が、ビジネスの種を撒くことに繋がります。

「地域産品を利用した第6次産業の推進」なんてミッションを設けて協力隊を募集する自治体は凄く多いですが、それなんてまさしくビジネスそのものですからね。

 

こんなオイシイ仕組みになっているのは理由があって、それは「地域に定着し、起業して雇用を増やし、税収に繋げる」という効果を国が期待しているからです。

協力隊として外から人が移住し、その人が地域で起業して利益を上げれば、住民税も法人税も入ってくる。

そして、その企業が人を雇用できれば、地域に働き口も増えて、就職を理由に町を出る人も減るかもしれない。

そういう効果が期待できるからこそ、「起業しやすい環境づくり」のため、給料を貰いながら飯のタネを探せるようになっているのです(もちろん、自治体の与えるミッションによって違いはありますが)。

 

「田舎に移住したいけど、仕事がなぁ…」

と悩んでいる人には、地域おこし協力隊になる選択肢はベストだと思いますね。

2、地域における強力なバックボーンが手に入る

これも「田舎でビジネスを興したい」と思っている人にとっては、非常に強いものです。

意外と「地域おこし協力隊」という地位は町において強く、協力隊と言うだけで地元の人から期待を寄せられることが多いです。

また、市町村が国から協力隊の管理を委託されているため、協力隊は準公務員として、役場の力を借りることもできます。

なので、行政手続きだったり、地域住民に対する理解だったり、仕事において手間のかかる分野をかなり有利に進めることができるのです。

 

一方、協力隊でなく地域に飛び込み、まちづくり活動をしようとする人は、なかなかにリスクがある。

基本的に田舎の集落は閉鎖的&保守的で新しいものを受け入れない人が多いので、移住してきた人がまずやる事は、まちづくり活動ではなくコミュニケーションです。

とにもかくにも、住民の理解や信頼を得られなければ何もすることが出来ず、さらに実際に何かをやろうとしても、「素性の知れん奴がおらが村で好き勝手やろうとしぃよる!」と突っかかってくる例も少なくないようです。

行政サービスだって、例えば空き家を活用した不動産ビジネスのため、登記や税務、境界などの情報を取得する際、「怪しいな」と渋る担当者がいてもおかしくありません。

 

協力隊という地位がないと、このコミュニケーションに費やす時間が結構掛かってしまうというのは、尾鷲で周りを見渡していてもよーくわかります。

逆に、協力隊として地域に入った人達は、すぐに住民も彼らを受け入れてくれて、比較的スムーズにまちづくり活動に着手することが出来ています。

ここら辺は、どうしても都会より閉鎖的になりがちな田舎で活動するに当たっては、非常に大きな要素になるんじゃないかと思います。

僕も協力隊として尾鷲に入ったおかげで、あっという間に人脈が広がって喜ばしい限りです。

3、色んな支援も受けられる

やっぱり、地域おこし協力隊は国が注力する施策だけあり、支援策も充実しています。

最近のトピックだと、ふるさと納税で集まったお金の使途に「地域おこし協力隊の起業支援」が追加されたなんて事もあります。

地域おこし協力隊は、やはり地域に移住し、起業をしてナンボ、というのが本来の目的。

なので、それだけ起業を後押しする力も強いのです。

 

もちろん、起業だけに関わるものではなく、新米協力隊の導入研修、一年経った後のフォロー研修やリーダー研修など、大手企業顔負けの研修セミナー体制が準備されています。

まぁ、行政が提供するセミナーなので、民間企業提供のセミナーより実務要素が薄いものではありますが、こうした研修体制が組まれているのはありがたい限りです。

 

実際、協力隊を管理するのは市町村ですが、協力隊の担当職員や自治体そのものが糞だったりする例も多いようで、その場合、「何をしていいか分からん!」と路頭に迷う協力隊もザラにいると聞きます。

幸い僕の場合は、尾鷲市が協力隊について良く考えていて、ミッションが明確で気持ち良く動けていますが、そうでない人達にとっては、そういった研修が救いになることもままあるそうです。

協力隊としてどう動けばいいか?どう地域に入り、アクションを起こしていけば良いか?

そういった方法論を学ぶことができるので、協力隊の導入としては、結構ありがたいセミナーになると思います。

 

起業支援の仕組みや研修プログラムの充実のほか、都道府県単位で他市町村の協力隊と交流できる機会もあったり、ビジコン(これも起業支援か)等も催されたりなど、かなり支援策は活発化しています。

これだけの追い風が吹いているんだから、田舎で起業したい人が協力隊にならない理由は無いでしょう。

結論:協力隊になって、憧れの田舎暮らしをゲットしよう

さて、以上の通り、地域おこし協力隊になるメリットはお分かり頂けたと思います。

 

やっぱり、田舎に移住したいと思っても、一番のネックは仕事、そして給料じゃないでしょうか。

それをバッチリ解消してくれるのが協力隊の仕組みです。

安定しており、かつ悪くない待遇を受けられた上、将来の起業支援も手厚く受けられます。

これでもなお「でも仕事ないし…怖いし…」とか言ってる人は、口だけの人ですよね。都会で働いててください。

 

ですが、協力隊になるに当たって、肝に銘じて頂きたいこともあります。

それは、国民の血税でメシを食う存在になる、ということ。

 

協力隊は、毎年400万円を上限に総務省から活動経費が支払われますが、国のお金なので、原資は税金です。

日本国民の支払った税金で、僕たち協力隊はおまんまにありつけている訳なのです。

協力隊を管轄する市町村の役人よりも、僕たちは多くの国民に支えられて生きているんです。

 

綺麗ごとを言うつもりでもないですが、国民の血税を食らって、まともじゃない仕事が出来るでしょうか?

要は、「税金で食うんだから、信念をしっかり持って、気合入れて仕事しろ」って事です。

 

あなたが協力隊になったことで、その地域に新たな「面白いモノ」を作って、世の中に価値を提供してください。

あるいは、国民の税金を使っている分、インバウンド施策の強化とかで外貨を稼いできてください。

 

そこにコミットできる自信があれば、僕は協力隊という選択肢をぜひ取って欲しいと思います。

僕自身は、3年の任期内に両方についてコミットするし、出来る自信もあります。

僕がいることで、市外(海外含む)のより多くの人達に、「尾鷲って面白いな」と思ってもらえるようにします。

それが、こんな恵まれた地域おこし協力隊の制度を使って、憧れの田舎暮らしを実現した僕の、社会への恩返しじゃないでしょうか。

 

とにかく、田舎暮らしは空気もうまいし、飯もうまいし、都会より気分がゆったりするし、何よりワクワクする。

だから、田舎に移住したい人は、ぜひ地域おこし協力隊になることを真剣に検討すると良いですよ!

 

尾鷲市は、10月末に開催予定の「地域仕掛け人市」という東京のイベントで協力隊募集のスタートアップ(ブース開設)を行い、翌月~12月に掛けて選考を行う形になると思います。

尾鷲は協力隊の採用にも前向きで、すげー面白い街なので、興味ある人はぜひ。

僕にも相談してきてください。

 

 

じゃあの。