田舎は「不便だからこそ面白い」と考える人こそ移住すべきです。
こんにちは、便利さしかなかった元シティボーイのすずきです。
田舎はやっぱり、便利じゃない
言わずもがなですが、都会の暮らしと比べれば、田舎暮らしは当然ながら不便なことは多いです。
電車やバスといった公共交通がろくに無いため、移動は基本的には自家用車になります。
車を運転できない子供やお年寄りは、家族に乗せてもらったり、不便な公共交通を使わざるを得ず、自由に外出するにはハードルが高いです。
スーパーやコンビニといった施設も少なく、わざわざ車を出さなければならない地域も珍しくありません。
また、中山間地域など土地の傾斜が激しい所では、下水道も浄化槽も無いため、トイレは全てボットンか簡易水洗。
夜は街灯も少なくて暗く、飲みに行けるお店もほとんどなく、漆黒の闇にただ自然の音が聞こえるばかりです。
対して都会であれば、公共交通を使ったり、スーパーやコンビニに歩いて行くのがほとんど日常です。
トイレは水洗・洋式が基本で、ウォシュレットが付いていなかったり、和式便座だったら印象が悪いほど。
夜も街頭や建物の明かりが多くて明るく、安心して歩くことができます。
この便利さと比べてしまうと、やはり田舎暮らしは不便だと言わざるを得ません。
でも、「無いからこそ良い」ことがある
これは正直、強がりでもなんでもなく。
田舎暮らしは「無いからこそ良い」という言葉がよく似合います。
例えば、田舎には夜飲みに行ける店も少ないし、街頭も少なくて暗い。
でもその分、晴れた日には星空がすごく綺麗だし、暗くて静かなのでグッスリ眠れるし、夜起きててもやる事がないので、早寝早起きになります。
田舎は日常の買い物をする場所も少なく、「ちょっと」食べ物や飲み物、洗剤などを買いに行くのは不便です。
ですが、家庭菜園で野菜を収穫したり、近くの海で魚を釣ったり、作りすぎたおかずを近所のおばちゃんに分けてもらえたり、水道水がそのままがぶ飲みできる美味さだったり…
わざわざスーパーに頼らないでも、地域内で食料品の解決ができる可能性が高いのは田舎独自です。しかも、そこにコミュニケーションが生まれている。
それでも足りないものがあれば、今はネットスーパーで家にいながら簡単便利に買い物もできますしね!超便利。
人間、今まであったものが無くなると、最初は不便やストレスを感じます。
しかし、次第にその状況に順応し、それが問題にならなくなるように行動や考えを変えていくのです。
「足るを知る」という言葉はそういう所から生まれたのだと思います。身の丈にあった生活をし、贅沢をしない。
現代はモノも情報も増えすぎ、とにかく何でもかんでも手に入れられるようになりました。
それは非常に便利な社会になりましたが、一方で、荷物は積みすぎると重くなって、動きが重くなりますよね。
モノや情報に溢れて身動きが取れない都会から、必要なものだけを自ら効率的に拾ってゆく田舎に行くと、そのスタイルの違い、心身の重みの違いには驚かされる所もあるかと思います。
外食できる飯屋が無ければ、昼休みに家に帰って昼食を取ればいいし、スーパーで買いだめして仲間の家で飲み会をすればいい。
電車やバスが無ければ思い切って車を買い、自分の好きなように乗り回すことを楽しめばいい。
カラオケやダーツ、風俗とか遊ぶ所が無くても、山や川で遊べるし、スポーツに精を出したって面白い。
田舎には給料の良い仕事・世間体の良い仕事は少ないけど、それなら都会のスキルとノウハウを生かして、いっそ起業してしまえば良い。
都会にある様々なものが田舎には無いからこそ、その暮らしは逆に豊かになっていくんですよ。
もちろん、それが受け入れられず、「何でも手元にある便利な生活じゃないと絶対イヤ!」という人も多いとは思います。
そういう人は都会での暮らしに向いているでしょうから、田舎でくすぶっていたら都会に出るべきだと思いますが…
僕は田舎暮らしが非常に楽しいので(東京も好きですが)、その「足るを知る」生活が性に合っているんでしょうね。
僕が東京から尾鷲に行って変わったところ
さて、そんな田舎暮らしが肌に合う僕ですが、具体的に東京・練馬区から尾鷲に引っ越してきて変わったことを列挙してみます。
①車を運転するようになった
尾鷲はJRの「幹線」と呼ばれる路線の中でもワーストクラスに利用者の少ない、紀勢本線という列車しか走っていません。
幹線というのは、その名の通り地域の幹になるような主要路線のこと(対義語は、地方交通線)なのですが、紀勢本線はなんと単線・非電化で、尾鷲駅は鈍行・特急合わせて一日15往復しかありません。
バスは、名古屋や東京に行く高速バスはともかく、それ以外の路線バスも全然便がなく、もはや「集落の新鮮な空気を市街地に運んでくる貨物車両」のレベルです。
そんな感じで、ザ・過疎地である尾鷲と周辺の東紀州地域では、公共交通機関があまり使い物になりません。
なので、大学時代に免許を取ってから一度しか運転した事が無かったペーパードライバーの僕も、いよいよ尾鷲では車を運転するようになりました。
母の車を使わせてもらって、買い物に行ったり、観光ドライブに行ったり、夢古道で風呂&漫画を楽しみに行ったり、塀にぶつけてバンパー凹ませたり…
少しずつ運転も板に付いてきて、運転の楽しみや車の魅力も覚えてきました!
今は予定ないけど、数年後に協力隊の人気も終わったとしたら、自分で車持つかリースしても良いなぁ。
正直、僕はいわゆる「乗り鉄(鉄道に乗るマニア)」が入っているほどの電車好きだったんだけど、まさか車に寝返る日が来ようとは。
もう、車の快適さに馴れると、東京に帰ってきたら電車に乗るのが嫌になってしまいましたね。
狭くてやかましくて暗い地下鉄、特に大江戸線とか、もう好き好んで乗りたくはないなぁ…
②不動産に対する見方が変わった
東京だと、「家を買う」って選択になった時には、やっぱり何千万円もローンを借りて出し、新築の一戸建てを建てるってのが昔からのスタンダードじゃないですか。
中古を買うにしてもなかなかの値段がするし、築年が古くて新耐震基準に適合していない物件なんて、もはや全然人気がなく叩き売りの状態(でも高い)。
だから、やっぱり家を買うことは一つのステータスで、中年くらいの歳になって金が貯まり、頑張ってハクを付けようとして買う所があるかと思います。
でも、尾鷲に来ると住宅事情って全然違っていて…空き家バンクを見ると、100万円以下で買えちゃう家も珍しくないのです。
東京から見たらとんでもなく安い金額で、もはや六本木の賃貸マンションの毎月の家賃の方が高いです。
もちろん築年は古く、耐震基準も適合していないし、資産価値もゼロになっていますが、住民の人々はバンバン買っていきます。
そもそも、新耐震基準っていうのは、鉄筋造とかの建物構造、躯体で地震を耐えきる「剛」の基準で考えられたものです。
対して、築古の物件というのは、昔ながらの和風建築にある「柔」の構造になっているのです。
巨大な梁と柱で全体を支えながら、家を組む木々が揺れ、壁が揺れ、強度の弱い壁から崩れることで、全体にパワーが掛かることを防いで倒壊を阻止する造りになっています。
なので、一概に耐震性能が低いという訳ではなく、それも鑑みて物件を買う人も多いです(熊本地震でも、梁などがへたっていたのか潰れた古民家も多く、決して安全という訳ではありませんが)。
また、資産価値って、そもそも家を売却したり担保に入れる気が無ければ、別にどうだっていい。
というか、資産価値が低ければ固定資産税評価額も低いでしょうから、それだけ税金が安くなります。
なので、築古の物件が資産価値ゼロっていうのは、むしろ一般の人にとっちゃありがたい。
さらに、田舎は土地代も安いので、税金もこれまたもちろん安く、お得なのですよ。
こんな感じだから、東京より非常に低コストに住宅を買うことができるし、都会じゃ見向きされないような築古物件でも、問題なく買えるのだと言うことがわかりました。
安く買って、ちょっとリフォームしてもらえば快適に住める物件もいくらでもありますからね。
そんな感じなので、僕も一軒家を買って賃貸し、少しずつ収入を増やしても良いかな?と思うようになりました。
大してお金がなくても、一軒家の不動産投資ができる。もちろん地域のことを良く知っていなければ難しいですが、こいつぁなかなか面白いですよね。
まぁ、そんな感じです。
いろいろと考えてみたけど、正直、僕は尾鷲に来てそんなにライフスタイル変わってないかも…笑
買い物は「基本Amazon、たまに店舗」というのは東京でも尾鷲でも変わっていません。
家電量販店とかあるし、ジャスコもあるし、尾鷲で買い物するのは何も困りませんしねぇ。
何だかんだ言って昼飯も外で食べたり弁当取ったりするし、夜も居酒屋に飲みに行きますしね…
うーん、尾鷲市街地はだいぶ便利だから、あんまり都会と変わらないんですよね。笑
それでいて、海と山に癒されるし、魚は安くて美味いから、なかなかお得な街じゃないですかねぇ。
まぁ、漁村集落でのんびりした田舎暮らしも体験してみたい気にはなりますけどね。
じゃあの。