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はした金じゃ人は移住しないと思う。⇒“孫ターン”に10万円 豊後高田市 祖父母居住地への移住歓迎

少なくとも僕は10万円ぽっちじゃ移住しません。

こんにちは、すずきです。

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 豊後高田市は本年度から、祖父母が暮らす場所にIターンした移住者に10万円を贈る「孫ターン奨励金」を始めた。

情報源: “孫ターン”に10万円 豊後高田市 祖父母居住地への移住歓迎 - 大分のニュースなら 大分合同新聞プレミアムオンライン Gate

豊後高田市について

豊後高田市って僕も知らない町なんですが、「豊後」とある通り、九州・大分県にある市ですね。

国東半島の大分空港との対岸にある田舎町だそうです。

面積・人口規模とも尾鷲市と似ているので、海と山に包まれた地形もあいまって親近感ありますねー。

(人口:尾鷲市1.8万人・豊後高田市2.3万人 面積:尾鷲市193k㎡、豊後高田市206k㎡)

 

調べてみると、この豊後高田市はかなり移住施策に力を入れているようですね。

移住促進サイトを見ても、あちこちに情報を掲載していたり、表彰されたりしていて、かなりアクティブなのが伝わってきます。

「住みたい田舎ベストランキング」4年連続ベスト3達成ですって。こりゃすごい。

尾鷲は豊後高田に比べると、まだまだですね。頑張らねば。

 

パッと見た感じ、教育・就業・観光・生活体験など、全国各地で行われているPRや移住施策は大体網羅しているっぽい。

移住体験住宅の仕組みなんかは、尾鷲ではまだ仕込み中だったりするので、とても手が早いですね。

気合とお金を掛けている感じがひしひし伝わってきます(果たして、移住促進にかけたお金は税収増で回収できるんだろうか…)。

でも、「孫ターン者に10万円」には疑問

移住施策に積極的な豊後高田市は、やはり移住に関する助成金もたくさんありました

空き家バンク利用者への助成金や、新婚さんへの助成金、ペーパードライバー向けの助成金なんてのもあります。

そして、今回ニュースになっていた取り組みが新しく追加されたのですが、それが「孫ターン者に10万円を交付」というものです。

 

助成金の項目を見てみると、他にも「10万円を交付」する助成金があるようです。

・県外から移住してきた子育て世帯への助成
・新たに結婚し、以後2年以上市内に居住することを誓約した夫婦への助成

この2つに次ぐ新たな助成金、という訳ですね。

 

しかし、僕はこの助成金に関しては正直、疑問を感じる部分がある。

なぜかと言うと、「10万円交付されるから、豊後高田市に移住するのか?」という考えがよぎるからです。

 

尾鷲市外に住んでいるあなた、ちょっと考えてみてください。

「尾鷲市に住民票移したら10万円あげるけど、住まない?」

って言われたらどうします?住もうと思いますか?

「だが断る」となりませんか?

 

それが自然だと思います。

豊後高田に移住した人達の声が公開されていたので見てみたら、移住した理由を占めるほとんどは「空き家バンク」「子育てしやすい」「移住体験で良かった」という形でした。

助成金とはほとんど関係がない分野です。

 

そもそも、田舎に移住を決める要素って、すごくいっぱいあるんですよ。

パッと思いつく要素だけでも、これくらい。

・自然が豊か
・食べ物がうまい
・都会にはないゆったり感がある
・働き口が確保できる
・教育、子育てに困らない
・住む物件を確保できる(田舎だと不動産会社が無いので、意外と難しい)
・街になじめるかどうか
・買物は不便じゃないか

こういった数多くの要素を検討して、「よし、行ける!行きたい!」となって、はじめて田舎への移住を決めるものですよね。

 

参考に、僕が尾鷲に移住を決めた理由は、以下の要素を満たしたからでした。

・親と祖父母が尾鷲にいる⇒地域になじめる、親孝行になる、家や食事、車の確保もできる
・働き口が確保できる⇒地域おこし協力隊として、給料を貰いつつ起業のタネをまける
・理想の暮らしが実現できそう⇒飯がうまい、自然がある、自由時間が多い(通勤時間が短いのと、激務じゃない)、好きなまちづくりの仕事ができる
・普段の生活に不便しない⇒親がいる、普段使いの店が充実、Amazon最強
・東京に気軽に戻れる⇒毎日夜行バスが運行、特急と新幹線なら5時間で行ける
・地域おこし協力隊の採用に前向きで、ミッションやビジョンも明確だった

 

「田舎でまちづくりに携わる」「都会で消耗した心身を田舎で癒したい」という僕の願いを叶えるのに、尾鷲は移住に関する障害がかなり少ないなーと言う事で移住を決意しました。

まぁ、もちろん一番大きな要素は家族がいるから、ですけどね。あとは協力隊の担当職員が良かったからだな。

 

そういう複雑に色んな要素が絡み合うのが移住施策。

なので、「10万円あげるよ!」なんてエサに誘われるままホイホイついて行っちゃうような人はいません。

豊後高田のそういう助成金を実際に交付されている人は何人かいるんでしょうが、ほとんどの例は「移住を決意したけど、お金貰えるなんてラッキー」としか思っていないでしょう。

 

もしかしたら、「10万円貰える」という事前情報も移住決定の後押しになるのかも知れませんが、正直10万円の根拠が分からない。

どうせなら、給付するお金の具体的な使い道や意義とかを添えて、適正な金額(もっと少なくても良い)を給付した方が良いのではないでしょうかね。

例えば…「孫ターンしたら、自分の部屋 or 家を用意する必要があったり、親をねぎらう費用として大体10万円くらいだから、10万円あげるよ。家族と仲良く暮らしてね!」とかね。

 

ちゃんと使途や理由を明確にした上で、「交付するよ」と公示するなら違和感はないのですが、豊後高田の場合はただ「10万円あげるよ」という形の公示になっているので、ただ単純に「金あげれば人来るだろ」と短絡的な発想になっているのではないか、と勘繰ってしまいます。

 

 

なので結局、孫ターン者に10万円とか、新婚さんや子育て世帯に10万円を給付というのは、移住を決定する要素にはならないという訳なのです。

効果があるとしても、「移住施策が充実してるよ!」という安心感の提供か、「移住決定のダメ押し」という位置付けになるでしょう。

 

そうやってお金を配るくらいであれば、その10万円で移住者用コミュニティを整備する方が、人の心には刺さると思うんですけどねぇ。

Facebookで有志のグループを作って、既設のコミュニティスペースとかで移住者の会合イベントを実施するとかね。

そこで移住の苦労だとか、楽しさを移住者同士で共有したり出来れば、移住者の友達作りの悩みも解消されるし、子育てや教育という難しい側面の悩み解決にも繋がると思います。

 

今の時代、人間はもうはした金じゃ動きません。まして移住なんて重大な決断ならなおさら。

それよりも、「人と人との繋がり」「そこでしか味わえない貴重な体験」といったソフト面の支援策の充実こそが、人には安心感を与えるのですよ。

 

尾鷲が参考にしなければならないくらい移住施策に注力している(10年以上前から頑張っているのか?)豊後高田市なので、きっとその辺りもドンドン充実させてくるでしょう。いや、もうあるかも?

尾鷲市も負けてられませんね。移住者コミュニティ、作らなきゃいけないなぁ…プラン作るぞ!

 

 

じゃあの。